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NECの経営を支えるICT戦略
~グローバル経営強化に向けた全社14万人のクラウド基盤~

左から藤沢氏、新野、小原氏、清水

日本マイクロソフト株式会社
執行役 常務 小原 琢哉 氏
NEC 代表取締役 執行役員副社長 新野 隆
NEC 取締役 執行役員常務 清水 隆明

モデレータ:
シンクタンク・ソフィアバンク 代表 藤沢 久美 氏

(2013年11月14日「C&Cユーザーフォーラム&iEXPO2013」より)

NECと日本マイクロソフトのキーマンが語る
新ワークスタイル定着のためにできること


グローバルビジネスを成功に導く上では、世界中の社員が効率的に情報を共有・活用できるICTインフラが不可欠となる。NECとマイクロソフトでも、先進的なコミュニケーション/コラボレーション環境を構築し、ワークスタイル変革や生産性向上に役立てている。その取り組みと具体的な成果について、両社のキーマンに聞いた。


活発なコミュニケーションがグローバルビジネスを加速する


──グローバルビジネスを支えるコミュニケーション基盤には、どのような役割と効果が期待されますか。

新野: グローバル化を推進する際の課題として、各地域における事業展開のスピードアップや現地法人の事業遂行能力向上をいかにして実現するかという点が挙げられます。NECでも2013年4月から、グローバルセーフティ事業の戦略拠点をシンガポールに置いていますが、この時も複数の国や地域にまたがる拠点間コミュニケーションの強化が大きな課題となりました。情報のやりとりや連絡に時間がかかっていたのでは、とてもスピーディなビジネスは望めません。

そこで、「nbook」と名付けた情報共有基盤(グローバル社内SNS)を、Microsoft SharePointで構築。現在では30カ国以上の国と地域で約1500名のユーザーが利用しており、大きな成果を挙げています。

例えば、製品開発をグローバルで行う場合、以前は日本で作成した設計図に各地域からのリクエストを反映させ、最終的な製品にまとめるまでに一年くらいの期間が必要でした。しかし、現在は、1つの基盤上でリアルタイムに情報共有しながら作業が進められ、3~4カ月程度で同じ業務がこなせます。生産性向上はもちろんのこと、チーム内コミュニケーションの活性化や品質向上面での効果も大きい。このように、国境を越えたビジネスを進めていく上では、情報共有を支えるコミュニケーション基盤の存在が不可欠と言えます。

──マイクロソフト社における取り組みについても教えていただけますか。

小原氏: 当社では全世界190カ国でビジネスを展開しており、従業員数も18万人以上に上ります。多国籍・多言語は当然ですし、中途採用の方がほとんどです。そこで、統合コミュニケーション基盤を整備して、業務効率化や生産性向上に役立てています。

この全社コラボレーションの規模を数字で表すと、社外からのリモートアクセスは毎月230万回以上、チャット通話は毎月9700万件以上にも達します。これは、そのまま当社のワークスタイルを示している数字とも言えます。

投資対効果が240%向上、年間コストを212億円削減といったコスト面での効果も大きいのですが、現場を預かる私の立場としては、重要な経営資産である人的資源を最大限に活用できる効果が大きいと感じています。

マイクロソフト社における取り組み


生産性向上に大きな効果。新たなイノベーションの創出も


──ワークスタイル変革をどう進めたか、またその効果について伺えますか。

小原氏: 日本マイクロソフトでは、フレキシブルワーク推進の仕組みを作るにあたり、「なぜ」という目的・評価指標の部分と、「何を」という変革テーマ・実行タスクの部分を明確化しました。

まず「なぜ」については、「コスト削減」「環境負荷軽減」「組織力向上」「ワークライフバランス」「事業継続性確保」の5項目を設定。この中でも「組織力向上」と「ワークライフバランス」の2点には特に力を入れています。また、「何を」については、「オフィス環境」「制度・ポリシー」「ICT活用」の3点をテーマとして設定し、ビジョンや企業文化の変革を目指しました。

具体的な取り組みとしてはいろいろなものがありますが、特にインパクトが大きかったのが「オフィス環境」と「ICT活用」での改善です。前者については、フリーアドレスやオープンスペースをふんだんに用意し、わざわざメンバーが一堂に会したり、場所取りをしなくとも、気軽に集まれる環境を作りました。また、後者は操作が容易なモバイルアクセス環境を提供し、コミュニケーションを取りたい相手とすぐにつながれるようにしました。

以前は会議を企画してから実際に開かれるまでに約5.5日、メールによる連絡はコミュニケーションが成立するまでに約4時間弱の時間がかかっていましたが、今ではこうした時間的なロスは、ほぼなくなっています。その結果、商談数が47%、受注数が27%増加するなど、生産性は大きく向上。また、ワークライフバランスの調査スコアも17%アップしており、社員満足度の向上にもつながっています。

清水: NECは、現在「GISP(Global Information Sharing Platform)」と呼ばれる新たなグローバルコミュニケーション基盤を展開中です。全世界14万人以上のユーザーに一気に展開しますので、社内にどうスムーズに定着させるかということには非常に気を遣いました。各ユーザーのポータル画面に情報を掲載し、CIOからのメッセージを伝えるなど、あの手この手で社内プロモーションを展開しました。その他にも教育用ドキュメントを6ヶ国語で作成し、クイックガイドやインストール手順書、利便性を高めるためのテンプレートを用意するなど、様々な活動を行っています。

また、もう1つの取り組みとして、各セクションに推進役の担当者を設けて職場への定着をサポートしてもらっています。さらに、先行稼動した部署については使われ方をモニタリングして、その後の改善や指導に生かしています。

NEC ワークスタイル変革定着化への取り組み

──コラボレーションが進んだことによる社内の変化などは感じられますか。

清水: たくさんありますが、1つ印象的だったのが東日本大震災の際の出来事です。NECでは、いろいろなアイデアを自由に書き込める社内コミュニティサイトを運営しています。震災の際にはNECとして何かできることはないかというテーマの掲示板が立ち上がり、多くの意見がここへ寄せられました。そこから生まれた活動の1つが「セーブ・ザ・メモリー・プロジェクト」への貢献です。これは震災時に回収された写真を持ち主の方々にお返しする活動ですが、この写真検索システムに当社の顔検出/照合エンジン「NeoFace」が使えるのではというアイデアが出てきたのですね。これにより、多くの写真を皆様のお手元にお返しすることができました。いわば社員同士のコラボレーションから、新しい気付きと創発が生まれたのです。今後の社会においては、こうしたコラボレーションを通して、新たなイノベーションを創出する活動がますます重要になってくるでしょう。


先進ICTソリューションで顧客のワークスタイル変革を支援


──最後に今後に向けた抱負を一言ずつお願いします。

新野: これまでNECでは、お客様の厳しい要求にOne to Oneで応えることに全力を注いできました。しかし、今後のグローバル社会においては、One to Many、つまり1つのプラットフォームで数多くのお客様へ貢献することが求められます。世界中のお客様のご要望を取り入れてソリューションを提供していくためには、グローバルな情報共有インフラが絶対に欠かせません。GISPをはじめとするコミュニケーション基盤をフル活用し、グローバルカンパニーを目指していきたいと思います。

小原氏: ワークスタイル変革の取り組みには、とかく遠い場所にいる人同士のコミュニケーションをICTで支援するというイメージがつきまといます。しかし、その本当の価値は、つながりたい人と即座に、かつダイレクトにコミュニケーションを取れるという点にあります。遠隔地同士はもちろんのこと、自社のオフィス内であっても、いつでもつながりたい相手と自由にコミュニケーションが取れる。そうした環境を目指す取り組みを、今後もしっかりと支えていきたいと思います。

清水: ネットワークを飛び交う情報量が飛躍的に増大し、会社の組織形態も大きく変わりつつある中で、コミュニケーションの方法もこれまでとは変わらざるを得なくなっています。私としては、ICTを利用して新しい絆を作り上げることが、ワークスタイル変革の目指すべき姿ではないかと考えています。既にGISPの技術者コミュニティの中でも活発な交流が生まれていますが、こうした場所を提供していくことが我々に課せられた使命。NECにはツールやテクノロジーだけでなく、様々なノウハウも蓄積されていますので、これらをお客様のビジネスに役立てていただけるよう努力していきたいです。