NEC、AI技術を活用し、コンタクトセンター業務を革新する「自動応答ソリューション」を発売
2016年11月1日
日本電気株式会社
NECは、お客様あるいは従業員(以下、ユーザー)からの問合せに応対するコンタクトセンターにおいて、AI技術を用いて迅速・的確な回答を支援する「自動応答ソリューション」を開発し、本日から販売を開始します。
「自動応答ソリューション」は、NECの最先端AI技術群「NEC the WISE」(注1)の1つである「テキスト含意認識技術」(注2)を用いて、問合せ内容の意味を理解し、大量のQ&Aデータから最適な回答案を高精度に抽出しユーザーに自動的に回答したり、オペレータによる回答を支援するものです。
「テキスト含意認識技術」は、文中における単語の重要性や主語・述語などの文の構造を考慮して文章の意味を理解するNEC独自技術であり、その性能は米国国立標準技術研究所(NIST)が主催する評価タスクで第一位を獲得しています。
本ソリューションを開発するにあたり、NECマネジメントパートナー株式会社(注3)において、同社が受託・運営するNECグループ向けコンタクトセンターで試行的に適用しました。その結果、各問合せに対して抽出された回答案の正当率が90%以上であり、オペレータの作業時間を30%以上削減できる見込みを得ました。このノウハウを本ソリューションに反映し、性能を高めています。
NECは社会ソリューション事業に注力しており、AI活用ノウハウや最先端AI技術などの提供をとおして、安全・安心な社会づくり、ビジネスインフラの強化に貢献していきます。背景
昨今、ニーズの多様化や業務データが増大する中で、必要な情報が見つけにくい、目的の情報にたどり着かないなど、適切な情報の獲得に多くの時間や手間がかかっています。ユーザーからの問合せに迅速・的確な応対が求められるコンタクトセンターにおいても、細分化し増え続けるマニュアルの理解やQ&Aデータの情報検索に時間がかかり、経験の浅いオペレータには応対が困難となっています。
しかし、従来の回答検索システムでは、専門用語や決まった表現を入力しないと適切な情報が見つけられませんでした。またQ&Aデータの整備が不十分な場合、回答案がないことを判別できず、誤った回答案が抽出されるといった問題がありました。新ソリューションはこうした課題に着目し、AI技術を用いて大量データからの情報検索精度を大幅に高め、コンタクトセンターの運用効率化を実現します。
価格・提供開始時期
価格:個別見積
提供開始時期:2017年3月
新ソリューションの特長
- 多様な表現による問合せに、的確に自動応答
- 音声認識ソフト(注4)、チャットなどの多様なコミュニケーションツールを介して入力されたテキストデータを「テキスト含意認識技術」で分析し、決められた専門用語が使われていなくても問合せ内容を適切に理解した上で、最適な回答案をQ&Aデータから自動で抽出します。同じ意味でも異なる単語が使われる場合や、異なる意味で同じ単語が使われる場合でも、高い品質の抽出が可能であり、オペレータを介さずにユーザーへの自動応答を実現します。
- オペレータを介するコンタクトセンターで本ソリューションを活用する場合も、オペレータが決められた専門用語の入力を行わなくても、適切な回答案を高精度で抽出します。
- Q&Aデータに存在しない問合せを「回答なし」と正確に判断し、誤った回答の提示を回避
- 問合せの内容を「テキスト含意認識技術」で分析し、既存のQ&Aデータに存在しない問合せを「回答なし」と正確に判断します。これにより、誤った回答案の提示を回避します。また、Q&Aデータの中から問い合わせに関連する情報を「参考情報」として抽出し提示することで、オペレータの回答作成を支援し、回答作成時間を短縮します。
- さらに、オペレータが作成した回答をQ&Aデータに反映することで、以降の問合せには自動で応答できるようになります。
NECは本ソリューションを、NECグループが開催する「C&Cユーザーフォーラム&iEXPO2016」(会期:11/1(火)~11/2(水)、会場:東京国際フォーラム(東京都千代田区))にて展示します。
「C&Cユーザーフォーラム&iEXPO2016」について https://uf-iexpo.nec/
NECグループは、安全・安心・効率・公平という社会価値を創造する「社会ソリューション事業」をグローバルに推進しています。当社は、先進ICTや知見を融合し、人々がより明るく豊かに生きる、効率的で洗練された社会を実現していきます。
以上
- (注1)
「NEC the WISE」(エヌイーシー ザ ワイズ)は、NECの最先端AI技術群の名称です。
"The WISE"には「賢者たち」という意味があり、複雑化・高度化する社会課題に対し、人とAIが協調しながら高度な叡智で解決していくという想いを込めています。
プレスリリース:NEC、AI(人工知能)技術ブランド「NEC the WISE」を策定
http://jpn.nec.com/press/201607/20160719_01.html
NECのAI研究
http://jpn.nec.com/rd/crl/ai/ - (注2)2012年4月13日プレスリリース
NECのテキスト含意認識技術が米国国立標準技術研究所(NIST)主催の評価タスクにおいて第一位を獲得
http://www.nec.co.jp/press/ja/1204/1301.html
2013年11月14日プレスリリース
NEC、大量データから特定の意味を含む文書を従来比で約24,000倍高速に検出するテキスト含意認識技術を開発
http://jpn.nec.com/press/201311/20131114_03.html - (注3)NECマネジメントパートナー株式会社(代表取締役執行役員社長 松倉 肇)
NECの国内・海外のさまざまな事業ライン・スタフ業務をつなぎ、NECグループ10万人の働き方改革を推進すると共に、グループ全体最適を見据えた業務改革を実行するNEC本社機能の役割分担を担ったスタフシェアード会社 - (注4)音声認識ソフトは別売
本件に関するお客様からのお問い合わせ先
NEC ビッグデータ戦略本部
TEL:(03)3798-0564
E-Mail:bd_contact@pfbu.jp.nec.com
NECは、社会ソリューション事業を推進する
ブランドメッセージ「Orchestrating a brighter world」のもと、
今後の世界の大きな変化(メガトレンド)に対応する
様々な課題解決や社会価値創造に貢献していきます。
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