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NEC、ベクトル型スーパーコンピュータ「SX-ACE」が大阪大学、九州大学で稼働開始

2015年4月27日
日本電気株式会社

NECは、2013年11月に発売したベクトルスーパーコンピュータ「SX-ACE」を、大阪大学レーザーエネルギー学研究センターと九州大学応用力学研究所に納入し、それぞれ2015年3月より稼働を開始しました。

「SX-ACE」は、超高速な並列処理を要する科学技術計算や大規模なデータを扱う高度なシミュレーションに最適で、大阪大学レーザーエネルギー学研究センターでは、化石燃料にかわる将来のエネルギー源として期待される核融合の理論物理学のうち、特にレーザープラズマの現象解明などに利用します。また、九州大学応用力学研究所では、風力発電などの自然エネルギー、地球環境、核融合を大きなキーワードとし、それらに含まれる種々の力学問題の解決に向けた高性能シミュレーションに活用する予定です。

NECは社会ソリューション事業に注力しており、超高速な並列処理が可能なスーパーコンピュータを、官公庁や研究機関、民間企業に提供することで、社会や企業活動を支えるICT基盤の高度化や、地球環境を踏まえた資源の有効活用に貢献します。

SX-ACE(最大8ラックの場合)

SX-ACEの特長

「SX-ACE」は、マルチコア型ベクトルCPUを搭載し、64ギガフロップスのコア性能および64ギガバイト/秒のコアメモリ帯域を実現したベクトル型スーパーコンピュータです。単一ラック当たりの性能は前機種に比べ10倍(注1)のラック演算性能16テラフロップス(以下、TFLOPS)、メモリ帯域16テラバイト/秒で、科学技術計算や大規模データの高速処理を得意とし、気象予報、地球環境変動解析、流体解析、ナノテクノロジーや新規素材開発などのシミュレーションにおいて高いアプリケーション性能を実現しています。
また、NEC独自の最先端LSIテクノロジ、高密度設計、高効率冷却技術などにより、従来機種と比較し、消費電力を10分の1、設置面積を5分の1に低減(注1)しています。

大阪大学レーザーエネルギー学研究センター

大阪大学レーザーエネルギー学研究センターは、独自に開発する世界最高水準のレーザーを用いて、超高密度や超高温度などの極限状態のプラズマ科学を探究し、新しいエネルギー・物質の創出を目指すとともにレーザー宇宙物理などの学際的な新領域を開拓することを目的として研究を進めています。
今回導入する「SX-ACE」32 ノード(最大理論性能8.2TFLOPS)は、高強度レーザーをターゲットに照射した場合のプラズマ物理のシミュレーション研究に活用される予定です。特に、マルチスケール・マルチフィジックス(注2)を伴う複雑な電磁・輻射流体シミュレーション(注3)による現象解明が期待されています。


大阪大学レーザーエネルギー学研究センターの長友英夫准教授から
「数値モデルの入り組んだ複雑なコードが、高度なチューニングを施さなくても高速な計算ができるようになりました。特に更新前のマシンと比べ、カタログ値だけでは表せない高度な実用性能を体感しています。また、消費電力も想定より少なく、経費を抑えた運用が期待できます。」とコメントを頂いています。

電磁・輻射流体シミュレーションコードによるレーザー爆縮のシミュレーション

九州大学応用力学研究所

九州大学応用力学研究所は、力学とその応用に関する先端的課題に関して、全国・世界の研究者と協力して、21世紀の人類にとって極めて重要な課題であるエネルギー問題と地球環境問題の解決に取り組んでいます。今回導入した「SX-ACE」16ノード(最大理論性能4.1TFLOPS)は、陸上・洋上における風車群導入のための数値風況アセスメント(大気乱流シミュレーション)、黄砂やPM2.5といった微粒子の飛来影響を予測する大気環境シミュレーション、海洋環境の監視や海洋汚染の解明などを目的とした海況予測シミュレーションなどで活用される予定です。


九州大学応用力学研究所の内田孝紀准教授から
「今後、陸上および洋上において風力発電を適切に導入・拡大していくための技術要素の一つとして、スーパーコンピュータを活用した大規模でかつ高性能な数値風況アセスメント(大気乱流シミュレーション)は、必要不可欠です。膨大なシミュレーション結果を精査することで、未だ不明な点が多い局所域スケールの大気乱流場の正確な把握に繋がります。スーパーコンピューティング技術には、こうした学術面の寄与だけでなく、風力産業界からも大きな期待が寄せられています。」とコメントを頂いています。

複雑な地形における大気乱流シミュレーション

NECは、今後もベクトル技術を活かし、従来のスーパーコンピュータ領域に加え、産業応用領域やビッグデータ解析をターゲットとした次世代高性能サーバの開発を検討し、最先端開発に貢献していきます。

NEC グループは、「2015中期経営計画」のもと、安全・安心・効率・公平という社会価値を提供する「社会ソリューション事業」をグローバルに推進していま す。当社は、先進のICT技術や知見を融合し、人々がより明るく豊かに生きる、効率的で洗練された社会を実現していきます。

以上

  • (注1) 従来機種「SX-9」と新製品との比較、NEC調べ。
    • (注2) マルチスケール・マルチフィジックスとは、ミクロからマクロまで異なる空間スケールを対象に、複数の物理現象を扱う理論的枠組みのこと。
      • (注3)流れの状態やエネルギーが、レーザー等の照射や電磁場によって支配される流体のシミュレーション。
参考
  • ベクトル型スーパーコンピュータ:
    ベクトルプロセッサという科学技術計算向きの高速プロセッサを搭載し、一つのベクトル命令で配列要素を一括処理することにより大規模・複雑な計算を高速処理できるスーパーコンピュータ。気象、航空宇宙、環境、流体解析、物性計算などに適している。
  • スカラ型スーパーコンピュータ
    汎用的なプロセッサを多数並列接続することで高速処理を実現する方式のスーパーコンピュータ。遺伝子解析など多数の業務の同時処理や粒子計算など並列化が容易な計算に適している。

SX-ACEに関する情報

本件に関するお客様からのお問い合わせ先

NEC ITプラットフォーム事業部
TEL:03-3798-7229
E-mail: info@hpc.jp.nec.com

NECは、社会ソリューション事業を推進する
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