2014年8月27日
日本電気株式会社
NECは、企業・官公庁やデータセンター市場といったエンタープライズ市場向けのSDN(注1)事業を強化し、従来技術で構築された既存ネットワークシステムをSDN環境へスムーズに移行できる製品やソリューションのラインアップを拡大します。 NECが先行してきたOpenFlow(注2)対応製品群に加え、従来技術のルータやスイッチ等のネットワーク製品群にSDN対応機能を搭載した「SDN Ready」製品(注3)や、「オーバーレイ」方式(注4)に対応する製品、さらに、運用を自動化するソリューションを拡大していきます。あわせて、NECの豊富なSDN導入事例をもとにしたコンサルティングサービスの提供も開始します。 また、従来のネットワークSEに加え、新たに100人のSDN対応SEを専任者として育成するとともに、営業職向けのSDN教育を拡大し、現在の800名から2015年に販売パートナーを含めて2000名の営業体制へ強化を図ります。
SDNはNECが注力する社会ソリューション事業の中核領域の1つで、これまでに「NEC SDN Solutions」を軸に国内外に200システム以上の導入実績を有しています。今後、実用期に入ったSDNを既存のネットワークにも適用していくことで、ビジネスや暮らし、社会に貢献するICTシステムの高度化を支えていきます。 |
NEC SDN Solutionsメニューと構成製品・技術体系図
背景
昨今、サーバの仮想化技術が高度化し、短時間で容易にサーバリソースを払い出すサービス型のICT利活用が拡大しています。これに伴い、ネットワークリソースも含め、システム全体の効率的な運用を可能にするネットワークのSDN化に対するニーズが高まっています。
一方、SDNの導入にあたっては、今までのSDN対応製品が既存ネットワークシステムからの段階的な移行に適していなかったことから、既存ネットワークシステムの一括更新に伴う投資負担や、スムーズな移行への不安といった課題がありました。
今回の強化では、SDN技術が実用期に入り、ユーザが保有する既存ネットワークシステムにも適用が拡大していくことを前提に、既存ネットワークシステムのSDN環境へのスムーズな移行を実現する製品やソリューションのラインアップを拡大し、ユーザのSDN活用を推進していくものです。
事業戦略の内容
NECは、エンタープライズ市場向けSDN事業を強化します。その一つが、従来技術のネットワーク機器にSDN技術を搭載した「SDN Ready」製品の拡充です。これにより、既存ネットワークシステムからSDN環境へ、最適なタイミングで段階的にスムーズに移行することが可能となります。今回、新たにSDNに対応する製品群は「UNIVERGE IXシリーズ」「UNIVERGE QXシリーズ」です。
従来技術で構築された大規模なシステムを保有するデータセンター向けには、オーバーレイ方式に対応するソフトウェア製品「UNIVERGE PF6700」の販売を開始します。大規模なデータセンターネットワークにおいて、既存ネットワーク資産をそのまま活用しながら、仮想サーバ環境に必要となる仮想ネットワークを実現します。これにより、大規模なクラウド基盤を、オープンソースを使って安価に構築することが可能となります。
また、従来技術により構築された既存ネットワークシステムとSDN対応の環境の統合管理を実現する「ネットワーク運用自動化ソリューション」も販売を開始します。これにより、段階的なSDN環境への切り替えに伴う運用負荷を軽減し、スムーズな移行を実現します。
今回の強化では、これまでの豊富な導入事例をもとにしたSDNのユースケースをモデル化し、これらをもとにしたコンサルティングサービスの販売も開始します。また、技術支援体制の強化として、従来のネットワークSEに加え、新たに100人のSDN対応SEを専任者として育成します。さらに、これらのSDN関連製品・サービスを拡販するために、営業職向けのSDN教育を拡大し、現在の800名から2015年に販売パートナーを含めて2000名の営業体制へ強化を図ります。
新製品・ソリューションの価格・出荷日
製品名 | 価格(税別) | 出荷日 | 備考 |
UNIVERGE PF6700 |
505万円~ |
9月末 |
OpenStackを除くソフトウェアのみの価格 |
ネットワーク運用自動化ソリューション |
280万円~ |
9月末 |
ソフトウェアのみの価格 |
NEC SDNコンサルティングサービス |
100万円~ |
8月27日 |
個別見積 |
新製品・ソリューションの特長
- SDN Ready製品「UNIVERGE IXシリーズ」「UNIVERGE QXシリーズ」
WANアクセスルータ「UNIVERGE IXシリーズ」と企業向けLANスイッチ「UNIVERGE QXシリーズ」にSDN対応機能を搭載します。これらの幅広いラインアップのルータとスイッチをSDNに対応させることで、企業や官公庁において、最適なタイミングでSDN環境へスムーズに切り替えが可能です。
- オーバーレイ方式に対応するソフトウェア製品「UNIVERGE PF6700」
従来技術で構築された大規模なネットワーク環境を有するデータセンター向けのソフトウェア製品です。既存ネットワーク資産をそのまま活用し、仮想サーバ環境に必要な仮想ネットワークを、オーバーレイ方式のSDNで実現します。「UNIVERGE PF6700」は仮想スイッチに設定する「オーバーレイエージェント」、オーバーレイネットワークと外部ネットワークを中継する「オーバーレイゲートウェイ」、あて先不明データを処理する「オーバーレイリフレクター」、各ソフトウェアと連携してオーバーレイネットワークを制御する「オーバーレイコントローラ」で構成されます。
- ネットワーク運用自動化ソリューション
従来技術で構築されたネットワーク環境と、SDN対応のネットワーク環境の統合運用を可能にします。従来技術のスイッチやファイアウォール、ロードバランサに加えてSDN対応のスイッチやルータ機器も制御可能です。これにより、「SDN Ready」製品や「UNIVERGE PF6700」を採用して段階的にSDN対応環境へ切り替える際の運用負荷を軽減し、スムーズな移行を実現します。
- 豊富な導入実績をもとにしたコンサルティングサービスの販売開始
NECはこれまでの200システム以上の導入実績から、SDNのユースケースをモデル化しました。これをもとに、ユーザにとって最適なタイミングでのSDN環境への切り替え支援を行う「NEC SDNコンサルティングサービス」を販売開始します。本サービスは4つの段階に分かれており、(1)ネットワーク戦略の策定支援、(2)現状/課題分析支援、(3)実施ステップ策定支援、(4)RFP案作成支援があります。
NECグループは、「2015中期経営計画」のもと、安全・安心・効率・公平という社会価値を提供する「社会ソリューション事業」をグローバルに推進しています。当社は、先進のICT技術や知見を融合し、人々がより明るく豊かに生きる、効率的で洗練された社会を実現していきます。
以上
(注1) Software-Defined Networking ネットワークをソフトウェアで制御する概念。
(注2) ネットワーク制御機能をスイッチから分離し、コントローラに集約することで、ネットワークを集中制御できる方式の標準で、SDNを実現する技術の一つ。NECはOpenFlowの非営利標準化団体であるOpen Networking Foundation (ONF)の設立メンバー。
(注3) SDN対応機能をあらかじめ搭載した製品で、導入時には従来技術のネットワーク機器として使用しながら、将来、ネットワークのSDN化が必要になった時点でSDN対応機能の有効化とSDNコントローラを追加導入することで、SDN対応のネットワークが容易に構築できる製品。
(注4) 仮想サーバのソフトウェアスイッチなどのネットワークエッジ間でトンネルを形成し、論理的なネットワークを構成する方式。既存のネットワーク機器がそのまま使えるため導入しやすい。
本件に関する情報
本件に関するお客様からのお問い合わせ先
NECは、社会ソリューション事業を推進する企業としてのグローバルブランドを構築するため、
新ブランドメッセージ「Orchestrating a brighter world」を策定しました。
本ブランドメッセージのもと、世界の人々と協奏・共創しながら、社会の様々な課題解決に貢献していきます。
