2014年3月24日
日本電気株式会社
NECは、中期経営計画の注力領域であるスマートエネルギー事業の中核となる蓄電システム事業強化のため、中国万向集団グループ・A123 Systems社の電力会社向けおよび企業向け大規模・大容量蓄電システムのシステムインテグレーション(SI)事業部門(A123 Energy Solutions)を買収します。 買収金額は約1億米ドルで、6月からNECのもと新会社「NEC エナジーソリューションズ」として、事業を開始する予定です。
本買収によりNECは、電力会社向け蓄電システム事業で世界トップクラスとなり、顧客のニーズにあったシステムを構築するA123 Energy Solutionsの蓄電SI力と、NECのICTにおけるグローバルかつ総合的なSI力やリチウムイオン電池のコスト競争力を組み合わせることで、蓄電システム事業を強化します。 また、A123 Energy Solutionsが持つ電力会社および企業の顧客基盤とNECの通信事業者、企業、官公庁などの顧客基盤を融合することにより、スマートエネルギー事業の広範かつグローバルな展開を強力に推進します。
NECは今後も、再生可能エネルギー導入による発電量変動の解決などのため、エネルギーソリューションの提供や新たなエネルギーサービス事業の創出に努め、より強固で安定したエネルギーインフラの実現に貢献していきます。 |
背景
昨今、世界の人口増加と都市への人口集中に伴い電力需要が大幅に増加しています。電力会社は、広域停電時の経済損失を抑えるため、太陽光や風力など再生可能エネルギーの導入を進めていますが、今後、再生可能エネルギーの導入による発電量の変動で、電力系統の需給調整力が課題となっています。本調整力不足改善のため、蓄電システムの必要性がますます高まっています。
また、新興国等における停電時や災害など非常時の電力供給確保、企業におけるデータセンタや携帯電話基地局などの通信設備、店舗の停電時の電力バックアップなどにおいても蓄電システムのニーズがグローバルに拡大しています。
一方、蓄電システムにおいては、電力会社向けや企業向けなど、ニーズにあった最適なシステム構築・安定運用の実現に加え、さらなるコスト低減も求められています。
A123 Energy Solutionsについて
A123 Energy Solutionsは、A123 Systems社独自の正極材「Nanophosphate(R)」を用いたコスト競争力の高い蓄電池や、蓄電技術・制御・設備を含めたパッケージ提供で実績のある電力会社向け蓄電システム「Grid Storage Solution (GSS<TM>)」によるSI技術、および顧客の課題を解決する優れたシステム提案力を有しています。また、電力インフラのノウハウに精通した優秀な人材と、電力事業者をはじめ、世界で11社、出力110MW以上となる世界トップクラスのシステム納入実績も有しています。
買収後の事業展開
NECは、買収後、 A123 Energy Solutionsの蓄電システム事業を、NECのスマートエネルギー事業と統合し、中核事業としてNECがグローバルに運営します。
またNECは、 A123 Energy Solutionsを統合することで、電力会社向けの大規模蓄電システムを構築するSI力、およびすでに北米、欧州を始め世界各地の大手電力事業者に蓄電システムを提供する強固な顧客基盤を獲得し、本事業を急速に拡大していきます。
なお、中国市場については、万向集団と共同で企画合弁会社を設立し大規模蓄電システム事業を開拓します。
これらによりNECは、今後、北米、欧州を始め世界各地の大手電力事業者の蓄電システム構築だけでなく、クラウド基盤などICTと大規模蓄電システムを連携させた次世代のエネルギーサービスをグローバルに創出し、新たな事業機会を拡大していきます。
NECグループは、「2015年中期経営計画」をもとに、人が豊かに生きるための安全・安心・効率的・公平な社会の実現に向け、ICTを活用した高度な社会インフラを提供する「社会ソリューション事業」をグローバルに推進し、「社会価値創造型企業」として、社会の様々な課題解決に貢献していきます。
【別紙】 A123 Systems 社 蓄電システム事業部門(A123 Energy Solutions)の概要【プレゼン資料】 中国万向集団からA123社の蓄電システム事業を買収
以上
私たちNECグループは、
「人と地球にやさしい情報社会をイノベーションで実現する
グローバルリーディングカンパニー」を目指しています。
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