2013年9月10日
日本電気株式会社
NECは、ヒューマンエラーを起こしにくいユーザインタフェースの設計に有効な「配色評価方式」を開発しました。本方式は、画面の配色が利用者にどれだけ負荷を与えているかを初めて数値化したものであり、算出した数値を基に画面を最適化することで、ヒューマンエラーの要因となる負荷を抑制することを実証しました。
システムを操作する際に見落としや見間違いといったヒューマンエラーが発生する主な要因として、システム画面の複雑さ・配色の不調和による情報の探しにくさ、長時間のシステム利用に伴う疲労の蓄積が挙げられます。
重要な情報が探しにくい場合、利用者は状況把握(画面のどこを見て、何を行えばよいか判断する事)が困難になりミスを起こしやすくなることが、これまでの研究で科学的に解明されています。
ヒューマンエラーを低減するには、システム画面上の「重要な情報を認識しやすくすること」と、長時間の作業環境においても「疲れにくい」画面構成にすることが重要になります。
NECは、「重要な情報が認識しやすく」かつ「目が疲れにくい」ユーザインタフェースを実現するために、画面設計における重要な要素である配色に着目しました。
今回開発した配色評価方式は、システム画面の配色の「調和の度合」「重要な情報の目立ちやすさ」「目の疲れにくさ」を独自の手法で数値化し、画面の配色が利用者に与える負荷を定量的に示した上で、算出した数値を基に、画面の配色を最適化します。最適化を行う際、画面全体の配色の「調和」を取った上で、「重要な情報の目立ちやすさ」を高めることによって、重要な情報をより素早く確実に把握可能にします。さらに、隣接する配色の組み合わせを、視覚に刺激の少ない「目に優しい」ものとすることで、疲労への影響を最小限に抑制します。
このたび開発した技術の特長は、次のとおりです。
- システム画面の配色が、利用者に与える負荷を数値化
これまで人の感覚に頼って設計を行っていた画面配色の「調和」「重要な情報の目立ちやすさ」「目の疲れにくさ」を、NECが製品開発の中で培ってきた知見を基に策定した独自の手法で数値化し、画面の配色が利用者にどれだけ負荷を与えているかをグラフで見える化。
- 算出した数値を元に画面を最適化する手法を開発、負荷を抑制する画面を実現
算出した数値を基に、大量の文字や動画など、情報量が多いシステムを「重要な情報が認識しやすく」かつ「目が疲れにくい」ユーザインタフェースに最適化する手法を開発。 なお、NECは、最適化を行った画面が「調和」「重要な情報が目立ちしやすい」「目が疲れにくい」の3つの要件を満たし、システム利用者の負荷抑制に有効であることを確認している。(注)
NECは、配色評価方式を、わずかな操作ミスも許されない医療システムや航空管制システムなどに適用し、ヒューマンエラーを起こしにくいシステム開発に役立てていきます。また、本方式の更なる精度向上を進め、幅広い分野において有効性を検証し、より安心・安全なシステム開発を行っていきます。
【別紙】 「配色評価方式」の適用事例のご紹介
以上
(注) NECが開発し複数の学会や新聞発表等で認知されている方式(画面上のUI要素の属性(色・形・配置など)がユーザが情報を探す際の負荷にどの程度影響するかを示す方式)で確認
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