セッション1:経営者(役員)向け
「強くて善い組織のつくり方」
〜後発企業が日本一にのぼりつめた背景にあった秘訣とは〜

写真:松井 秀文氏

講師 松井 秀文氏
認定NPO法人ゴールドリボン・ネットワーク理事長(元アフラック社長)
コーディネーター 太田 肇氏
同志社大学 政策学部 教授

松井秀文氏 講演要旨

組織とは、強いだけでなく、善い組織でなければなりません。強さと善さは車の両輪で両方が必要です。

これまでの経営の経験の中で、2つのことを経営の軸としてきました。まず、善い組織であるためには、近江商人の「三方よし(相利共生)」、「売り手よし、買い手よし、世間よし」を大切にすることです。特に私は企業が「世間よし」の存在であることが重要と思っています。強い組織であるためには、“不易流行”が大切です。「不易」、即ち、変わらないもの、例えば経営理念を大切にし、「流行」、すなわち、時代、変化に適確に対応していくことが重要で、しかもこれを社員と共有していくことです。

また、組織運営には、「厳しさと楽しさ」の両面が必要です。世の中は、厳しさをより求める傾向にあります。しかし、人間ですから厳しさだけでは長続きしません。経営者は、働く人の心を理解し、社員が幸せに感じられる場を作ることが重要で、社員が役に立っている、やったことが評価された、会社に必要とされているという実感を持てる場を作ることがモチベーション向上につながるのです。

私自身の経験では、改革には、差別化された商品やサービスを持つことが大前提です。そしてトップの強い想い、理念・目指す方向を明確にし、組織内にそれを浸透させる。情報を公開して、働く人のモチベーションを上げる、前向きで改革に共感してくる社員がいる。これらが強くて善い組織にするための鍵と考えます。

太田肇氏 ミニ講演要旨

今までの日本はモチベーションが高いと言われていましたが、各種意識調査の結果からみても、近年はそうでありません。仕事に対する熱意についてある調査では、日本人の4割の人が意欲的でないと答えています。日本人の4割はやる気が無い。これは”見せかけの勤勉”とも言えます。

モチベーションが高い企業・社員に見られる3つの特徴は、(1) 自律性(所有感)、(2) 承認(認められる)、(3) 外向き(顧客・市場志向)です。自律性を高めるには組織をフラット化し、末端まで権限委譲するといいでしょう。認められる機会を増やすには、表彰なども有効的です。

社員の意欲と能力を引き出す組織づくりとは、意欲と能力の飛躍的な向上が必要で、そのためには「個」に焦点を当てた組織づくりを行っていくことが重要だと考えます。

 

このページの先頭へ