マルチベンダー/マルチプラネットフォーム環境での情報基盤再構築事例
(PDF文書,2,553KB)


1. 目 的
当社は昭和60年創業の100円ショップである。平成8年度以降急激に店舗数が拡大しており、平成14年度は売上高400億円、店舗数600店舗に到達した。会社の急成長に対応するためにシステム拡張を余儀なくされ、システム間の整合が取れてなかった。また運用面においてもサーバーやOSによって障害対応手順、バックアップ/リストアの運用もまちまちであり、運用オペレーションに必要なスキルも広範になり4名の情報システム要員では日々の業務フォローが困難になりつつあった。更には平成15年度店頭公開を予定しており公開基準に沿った情報基盤確立が急務となった。
そこで今回のシステムの目的を、
@ 店舗数拡大、業容拡大に耐えうる拡張性の確保
A 基幹業務の無停止稼動を実現する信頼性の向上
B 自動運転や効率化によるTCOの削減
C 不正を予防する社内外のセキュレィティ対策
D 予期せぬ災害などに対する危機管理対策
とした。システム開発前提としてインターネットとオープン技術を最大限活用しローコストに構築していくこととした。

2. システム概要
@ マルチサーバー環境での統合運用管理基盤
当社では全てのシステムをUNIXとWindowsのオープン環境/マルチサーバ(30台)で構築いるが、それらの監視と障害対策の自動化及び通常運用の自動実行とバッチ運用フローの再整備を実現。特に発注処理などのミッションクリティカル業務においてJOB監視、ログ監視を「WebSAM」製品群を利用して運用の一元管理可能なJOBCenterを構築した。 またバックアップについては、「VERITAS NetBackup DataCenter」を採用しマルチプラットフォームサーバ群のバックアップ/リストアの一元化とOracleDBの無停止バックアップを実現。
A インターネットセキュリティ基盤
当社では対店舗、対取引先など全てのWANをインターネットで構築している。その上で十分なセキュリィティレベルを確保するために、最新ネットワーク機器や「HP OpenView」を利用してファイアーウオール監視、不正侵入監視などインターネットセキュリティ基盤を構築した。また「ActiveDirectory」を導入しセキュリティポリシーを統一管理すると共に、メールやクライアントからの情報漏洩対策を実現。
B 危機管理対策(大規模災害への対応)
地震など有事の際でも、受発注、出荷など必要最低限な業務継続を可能とするディザスタサイトを構築した。

3. キーポイント
@ 基盤・基本思想
マルチサーバー環境のシステム運用管理及びバックアップ運用管理において極力一元化を図れることを基本思想とした。「WebSAM」製品群で構築した統合運用監視においては、統合運用監視コンソール「OPBASE」を採用し、一元化に配慮した。また業務システムから発生する各種エラー情報も、統合運用監視と連携させ、システム保守・業務運用においての一本化を実現した。対応手順については、「OPBASE」が有しているナレッジ機能を活用し、監視コンソール上メッセージをダブルクリックすることにより、対応手順が検索でき、障害対応の迅速化を図るべく電子マニュアルの一元化も図った。
また、日々の業務運用においては、運用手順書を整備し、誰でも漏れなく対応できる仕組みを構築した。更にNECフィールディングの監視センターへオペレーション委託を行い、業務運用負荷の軽減を狙った。
バックアップ運用管理では、24時間、365日稼動のマルチプラットフォームサーバ(30台)の業務運用タイムチャート、データ連携を再整備し、無停止及び整合性を確保したバックアップを実現した。
A 技術的な特長
オープンミッションクリティカル環境で上記の基盤・基本思想の実現にあたり、WebSAM、VERITAS、VMwareなどVALMO製品群を用途に合わせ適用した。
またActiveDirectroyの導入においては、保守性を考慮し、適切なグループポリシーを選択し、適用を行った。Windows実行環境プロファイル、アカウント情報の他、グループ名、プリンタ/共有リソース名、コンピュータ名、セキュリティポリシーなどのリソースをツリー状にして統一管理し、運用の効率化とシングルサインオンを実現した。
ディザスタサイト構築に当たっては、VMwareを利用し1台のWindowsサーバ上に複数のAPサーバの仮想マシン環境を構築するとで少ないサーバ数で安価に基幹業務の継続を実現。

4.評 価
システム運用の効率化、品質の安定化という目標を十分に達成している。情報システム要員は、従来のシステム運用対応から、システム企画対応へシフトすることができた。また将来的なオープンミッションクリティカル業務基盤を築けたことで、更なる企業成長、業容拡大への戦略的なシステム構築に安心して取り組んでいる。