三井住友海上が考える企業内イントラネット
(PDF文書,1,244KB)


1.目的
三井海上と住友海上は2001年10月の合併に向け、2000年4月から両社イントラネット統合の協議を開始した。
統合にあたっては、
(1)2001年10月迄にシステム統合を完了させること
(2)既存資産を有効活用し、新規開発は最小限に止めること
(3)両社社員が合併初日から混乱なく業務を行えること
の命題のもと、プロジェクトチームを発足し、1年半という限られた期間内で新会社の社内イントラネット「MS1」を構築した。また、合併後も継続して社員の業務効率化、営業力強化を支援するための各種運営見直し、システム開発を実施してきた。
上記の結果、現在ではグループ会社を含めた約2万人の社員が業務を遂行する上で欠かすことのできないインフラを築き上げることができた。
 本論文では、両社イントラネット統合の協議開始からこれまでの約3年に渡って行ってきた取組み、新規開発システムの事例を企画段階から運営までの苦労話も交えながら紹介した上で、新機能追加により更にワンステップ上の活用を目指す当社の企業内イントラネット像について述べる。

2.概要
(1)イントラネット統合
新会社のイントラネット「MS1」は、住友海上のSKYネットを基盤に構築したWebベースのシステムである。全く異なったIT文化を持つ両社社員が合併初日から混乱なく業務を行うには、MS1のコンセプトを早期に開示し、操作教育と両社情報資産の融合を同時に進める必要があった。
具体的に実施した作業項目は以下のとおりである。

@ 両社イントラネットの機能分析、及びMS1の仕様確定(2000年7月〜8月)
A 合併前での両社間の情報共有を実現するため、簡易Webサイト「2社統合共通Web」を開設(2000年10月)
B 両社コンテンツの融合方針決定と、同方針に則った新会社用コンテンツ作成
(2000年11月〜2001年7月)
C 新会社用コンテンツのMS1初期積み上げ(2001年8月〜9月)
D 新イントラネット「MS1」オープン(2001年10月)

(2)合併後に実現した業務効率化施策
MS1のオープン後、システムの利便性を更に向上させるため、合併直後の2001年12月に全社員を対象としたアンケートを実施。寄せられた意見から業務効率化の阻害要因、問題点が明確となり、解決策として下記対応を行った。
@ 利用目的に応じたメニュー構成の見直し
−メニュー統廃合、求める情報の取得を容易化するための機能追加 他
A 新Q&Aメニューの開設
−主に営業社員への照会対応策として、約2,000項目のQ&AをHTML形式で作成
B 規定・マニュアル・帳票メニューの開設
−各部HPに散在していた約4,000アイテムを一覧化
C MS1への情報発信ルールの厳格化
−業務連絡の厳選、HP作成基準の徹底 他
D ペーパーで行っていた申請・報告業務のワークフロー化
−CS・苦情システム、業務管理表のWeb化

(3)MS1の高度利用
MS1は全社員の情報共有手段として浸透したが、更なるステップアップとして下記の取り組みを行っている。

@ ユビキタス対応(モバイル、E-learning自宅利用の試行)
A No.1情報コーナーの開設(ナレッジマネジメントシステム)

3.キーポイント
(1)合併前に2社統合共通Webを立上げ、両社社員に新会社イントラネットの概要・操作方法を前倒しで開示・教育した。
(2)新イントラネットのメニュー構築にあたっては、個社イントラの構成・掲載コンテンツを比較し、分かりやすい・使いやすい構成を決めた。
(3)パッケージソフト等を安易に導入するのではなく、"なるべくコストをかけないでできないか"をまず考えた。
(4)合併後のシステム開発においては、常に将来形を見据え、利用者の意見を吸収しながらシステムの利便性を発展させた。
(5)利用者の声を吸収するため、各サイトに意見箱を設け、要望を集約できた。
(6)地道な改善を積み重ね続けることで結果的に大きな成果が得られることを実感した。

4.評価
(1)合併直後からすぐに両社社員が混乱なくMS1を活用でき、評価が得られた。
(2)合併後、利用者要望をうけて改善を行ったメニューは、改善前と比べ飛躍的にアクセス件数が増加し、利用者に有効活用されたことが実証された。
(3)各サイトの意見箱で収集した利用者要望は、コンテンツ作成部門にフィードバックしており、利用者が求める情報コンテンツが拡充されるフローを確立できている。
(4)MS1の高度利用として実施しているNo.1情報コーナー(ナレッジマネジメント)、モバイル、E-learningの試行については、現在評価期間中であるため、本文内に収録する。