購入部材コードの自動採番
(PDF文書,1MB)


【要旨】

1.目的と背景
EDI、短期決算、帳簿棚卸を実践する為には、全社的な購入部材コードの整理が不可欠となる。しかし、設計上では現在のコード付き部材以外の新規部品も日々発生するが、専門でリアルタイムにコード付けを行なう部署が存在しないためコードの整理が追いつかない。そのためコード無しの状態で都度見積、購入、現品確認での棚卸をすることになってしまう。この相反する状況を、専門部署を設置することなくリアルタイムに解決する為、設計、購買の担当者自らが新規部材コードを体系にそって自動採番可能にすることを目的とした。

2.概要
本システムは部材コードの新規採番と検索の機能から成り立つ。
新規採番は部材コードを分類した一覧表(マトリックス形式)から選択し、既にあるコードの一覧が表示され、存在しなければ採番を行ない、追い番でコードが採番される。
OBL(Obbligato)のScript言語で開発したプログラムで処理し、OBLのDB(データベース)に採番された部材の情報と連番の最後が登録され、その後時間指定により登録、更新情報をOBLのDBから抽出しホスト(ACOS4)へデータを送信しホストへもデータを登録する。また、登録内容を検索し、その情報をCAD(CAE2D)の部品表への取込む機能も作成した。
検索は社内の全PCで可能とするため イントラ環境を使用し、コード名、名称、分類コード一覧、新規採番コード一覧などの幅広い切り口での検索方法を CGIとOBLのDBを組み合わせることにより実現している。さらに検索結果の資材コードから、それを使っている図面の検索、図面表示、購入金額の表示を可能としている。

3.キーポイント
専門知識が無くても新規に購入部材コードの採番が容易に出来、必要な時に必要な場所で採番が行なえるようにした。システム開発にあたり、既にあるIT技術、ソフトを使い、低コスト、短期間開発、短納期に重点を置いた。一方、自社開発することにより、利用者の希望に即対応し、随時にシステム改善を行い、社内CSを向上させる。

4.計画
1.2000年6月に社内で購入部材コード見直しのプロジェクトが発足。設計、購買、財務、情報システムメンバーで討議を重ね、共通の実現イメージを構築し、システム設計書を作成。
2.2000年11月〜2001年3月 システム開発。
3.2001年3月 産業機械、工作機器設計部門、購買部門に説明会&リリース。
4.2001年5月 上記部門本格稼動開始。
5.2001年7月 甲山工場住環境部門に展開。
6.2001年9月 要望吸収のため大幅バージョンアップ。
7.2001年12月 関連会社(日本建機(株))に本システム導入。

5.評価
購入部材のコード化により、製造業で重要な原価(コスト)の管理が確実に行なえるようになり、EDI、月次決算、帳簿棚卸が軌道に乗ることができた。
社内運用も一段落し、設計部門に加えて購買部門でかなりの効率化が実現できリリース時に発生していた問合せ、登録データの変更などの工数も減少し、システム的にはほぼ完成の段階になっている。
しかし、設計部門では、CAD作業をする傍らで資材コードの採番、といった作業が発生するのも事実であり、そのコードがそのままホストのマスターデータになる重要性の認識、その価値の定着に苦労した。
さらに図面を流用した場合も部品欄を最新のコード付き名称に変更する作業が発生することになり、全社での効果をもとに納得してもらう段階、そのシステム説明、操作指導がシステム作成より大変であった。
一方、システム的には設計者の負荷が上がらないように、特にCADとOBLの連携に重点を置いて開発した。設計者が必要になった場面で即、現在のコード検索から採番、その結果をCADの部品欄に即座に取り込むことができる様に繰り返しシミュレーションを行ない最適なユーザインターフェースを模索した。
さらに設計時点で購入金額が参照できるなどの設計支援機能を組み込むことにより、負荷がかかるであろうと予想された設計部門の協力を得ることができ、リリース後2ケ月経過して本格稼動に入ることができた。
また日常作業として利用者の意見を取入れ、改善を行なってきた。幸いにも、既にある技術を使い自社開発を行なった為、容易に変更可能で、対応がスピーディーに出来ている。