ネットワーク管理・分析におけるWEB技術の適用
(PDF文書,416KB)


【要旨】

1.目的・背景
住友ゴム工業株式会社ではグループ企業とのコンピュータネットワークを拡大しており、接続拠点が増加している。そのため、ネットワークトラフィックや機器情報など管理すべき情報が多くなり、これまでの運用管理方法では十分な対応ができなくなってきた。そこで、運用管理上の課題を整理し、対策としてネットワーク情報を管理するシステムを構築した。
ネットワーク運用管理上の課題は次のとおりである。
1) 問い合わせ情報の検索に時間がかかる。
トラブル対応時に、回線番号やネットワーク機器の機種名、バージョン等の情報をすぐに知りたいが、簡単に検索することができない。
2) 回線費用関連の情報検索に時間がかかる。
ネットワーク改善提案などで費用試算するときに、現状費用を知りたいが、すぐに見つけられない。
3) 機器設置場所の管理が不備である。
ネットワーク機器の移設や転用で、リース契約時とは設置場所が変わっており、現在の設置場所を調べるのに手間がかかる。
4) 統計情報のグラフ作成に時間がかかる。
稼働中のネットワーク管理ツールで採取している統計情報のグラフは、専用マシンでしか見ることができず、グラフ表示パターンも少ない。ユーザからのグラフ作成の要求で、何度も同じような資料を作成するが、データ変換作業に時間がかかる。

2.概要
処理の負荷がかかる統計グラフ作成用サーバを独立させて、サーバ2台構成にした。アプリケーションは、データベースサーバ+IIS(Internet Information Services)+ASP(Active Server Pages)で作成した。
管理すべき情報を分析した結果、次の4つのサブシステムから構成した。
1) 拠点情報管理サブシステム
事業所の住所や連絡先などの情報を管理
2) 回線情報管理サブシステム
回線申請書に書かれている内容と過去の履歴を管理
3) 機器情報管理サブシステム
ルータや基幹スイッチングハブなどの機器情報とリース状況の管理
4) 統計情報管理サブシステム
統計情報のCSVファイルをデータベースサーバに変換・登録する仕組みを作成し、市販のASP対応のグラフ生成ツールを利用して情報を公開

3.キーポイント
運用管理者が欲しい機能を中心に開発を行い、凝った画面などにはせず、簡単な操作で利用できるよう機能を絞り込むことにした。
主な特徴は次のとおりである。
1) WEB技術の適用
パソコンやアプリケーションによる利用制限が少なく、ソフトウェアの配布も容易で、技術的には画面を作成しやすいWEB技術を適用した。
2) 入力作業のパターン化、簡素化
よく利用される検索パターンに限定し、各項目も選択式を多用した。
3) 開発作業の軽減
グラフ表示は独自で開発するのではなく、市販ツールを採用した。
4) グラフ表示パターンの厳選
よく利用されるグラフ表示パターンを選び出し、期間の入力作業だけで目的のグラフを出力させた。

4.評価
完成したネットワーク情報管理システムは、レスポンスも良好で、ネットワーク運用管理者の調査・検索にかかる工数を大幅に削減している。
今後は、レイアウト資料や写真等の画像データを取り込むなど、更に使いやすいものにしたい。