「インターネットEDI(電子データ交換)システム構築による"BtoB"(企業間取引)の実践」
(PDF文書,599KB)


【要旨】

1.目的
東北電力では電力市場における競争環境の進展に対応する為、経営全般にわたる効率化施策を推進しており、資材購買業務においても競争発注の拡大やインターネット・ホームページへの資機材の調達リスト公開などを実施している。
こうした中で、年間10万件を超える資材発注や請負工事発注などの業務に関しては、請求・見積・契約・検収・支払といった一連のプロセスの各段階で、社内および取引先との書類の授受などに多くの時間と労力を要していた。
この業務プロセスについて、インターネットを活用したEDI(電子商取引)システムを構築し活用することにより、当社および取引先双方の業務効率化を可能とした。

2.概要
本インターネットEDIシステムでは、当社全店の購買契約担当個所と登録された取引先との間で以下の種類の情報連携を可能とする。

物品購入⇒見積依頼、見積回答、注文、出荷案内、検収、支払明細
購入計画・単価契約⇒見積依頼、見積回答
請負工事付託⇒見積依頼、見積回答、工事請負付託、検収、支払明細

現在の運用サービス時間は次の通り。
システム利用時間(平日8:00〜22:00、休日9:00〜17:00)
ヘルプデスクの受付時間(平日のみ9:00〜17:20)
※「ヘルプデスク」・・EDIシステムの操作方法、障害等に関する、取引先からの一次問い合わせ窓口として運用

3.キーポイント
○取引先個々のニーズに対応できる柔軟な情報連携の形態を実現
Web型(中小規模向け)では、取引先導入時の負担軽減を重視し、インターネットに接続できる環境(パソコンとブラウザ・ソフトなど)のみで利用可能な形態としている。
一方、大量データの連携、取引先受注システムへのデータ連携を必要とする場合にはファイル転送型(大規模向け)を用意している。
また、取引先毎に連携情報を管理する機能により、連携情報の選択および随時追加、情報毎の連携形態(Web型、ファイル転送型)の設定等を可能とし、取引先個別の要請に対応できる設計となっている。

〇セキュリティー機能の充実
セキュリティー対策に関しては、Web型では、世界標準規格(X.509)を採用した認証技術である「デジタル証明書」を発行する独自の認証局を設置し取引先へ配布している。ファイル転送型では、全銀BSC方式の他、取引先でのソフト導入のみで実現できるソフトウェアVPN(バーチャル・プライベート・ネットワーク)、ハードウェアVPNの3つの方法から取引先事情により選択いただき、情報セキュリティー面でも安心して利用できる環境を提供している。

〇電力業界標準ビジネスプロトコルの採用
データ交換規約として、独自手順の採用を避け、汎用性に配慮し、業界標準であり、従来のVAN利用によるEDIで使用していた「電力業界標準 ビジネスプロトコル」を採用した。これにより、従来からVANを利用していた取引先においても、比較的容易にインターネットEDIへのシステム切り替えが可能である。

計画
開発期間:一次時開発6ヶ月、二次開発(機能追加)4ヶ月
使用マシン NX7000/K370他

4.評価
2000年6月に運用を開始し、現在、当社主要取引先の約120社(2001年3月現在)がWeb型で利用しており、運用開始以降の全体調達額に占めるEDIによる調達比率は約60%となっている。至近3ヶ月間利用実績では(2000年12月〜2001年2月)約1万6千件の注文データの取引に使用されている。
なお、2001年4月から大量データの処理が可能なファイル転送型連携で、当初15社が利用開始予定でおり、調達比率は全体比、約70%〜80%のとなる見込である。