駅情報システムの開発
−お客様の為の情報ステーションを目指して−

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【要旨】

当社は、アジアへの交流拠点となる福岡市(福岡県)を中心にバス、電車を基盤にして運輸業を営む企業である。今回は、電車部門(大牟田線)で構築した「駅情報システム」について紹介する。

1.目的と背景
 当社電車部門の主要路線である大牟田線での駅(出改札)業務〜収入精算システムは、昭和62年10月の自動改集札の導入に始まり、平成3年3月には自動券売機類の売上データをオンラインで集計するシステムを導入した。しかし、オフィスコンピュータを中心にしたシステムであり、ハード、ソフト両面で陳腐化しており、更に福岡市交通局や当社バスを共通で利用できるストアードフェアカード(よかネットカード)導入に向けて“駅収入システム”として再構築する必要があった。
又、旅客への案内サービスを向上させ適切な対応ができるように“遺失物管理システム”及び本社電車局と各駅相互の情報伝達手段としての“駅グループウェアシステム”(NEC:スターオフィスを利用)を段階的に構築していった。この3システム(駅収入システム、遺失物管理システム、駅グループフェアシステム)を併せて「駅情報システム」と捉え駅業務の効率化と情報の共有化、旅客サービス向上を目指して開発したシステムである。

2.概要
「駅情報システム」は、前述したように“駅収入システム” 、“遺失物管理システム”、 “駅グループウェアシステム”の総称であるが、その共通の基盤となっているネットワークを、各駅に設置されている駅パソコン、管理駅に設置されている管理駅サーバと審査部門の審査サーバや本社部門のパソコンをLAN、WANで構築している。
1)駅収入システム
このシステムは、大牟田線(56駅69窓口分)の収入管理を行うためのシステムであり、駅の窓口で発生する発売データを駅パソコンに取り込み、各駅の上位の管理駅サーバにデータを転送する。管理駅では管轄駅の売上把握が迅速にできると共に、精算業務のためのデータを作成し、審査部門(サーバ)へデータを転送する。
2)遺失物管理システム
電車内、駅にて拾得された遺失物(落とし物)を管理するシステムである。
従来は、手書きにより「遺失物目録」に記入され管理されていたが、各駅でのパソコンによりデータを随時入力する事により全駅のデータを一元管理できるようになった。これによりお客様からの問い合わせ時には検索し迅速に対応できる。又、法的に定められた当局(警察)への届出書等 各書類を必要なときに指示することにより発行できるようにしている。
3)駅グループウェアシステム
駅業務を行っていく上で各駅〜管理駅〜本社(管理部門)間では、様々の報告や連絡事項が今まで紙での回覧や掲示という手段で伝達されていた。これらの情報は営業的に重要になればなるぼど上位者の承認を必要とし各駅にて確実に実施されなければならない。今回の「駅グループウェアシステム」は、NEC殿のソフト『StarOffice/ワークフロー』を活用し、情報を電子化し且つ流れをシンプルにして業務のスピードアップと確実性を実現したシステムである。

3.キーポイント
各駅(窓口)に設置している1台のパソコンにてこれらの業務(システム)が全て実現できる点がポイントである。個々のシステムについては、
1)駅収入システム:本社(管理部門)で翌日の午前中に前日分の売上がデータレベルで把握できるようにしている。
2)遺失物管理:検索時のヒット率をあげる為、拾得物の登録の際に必要な品名、形状、色等をマスター化し、今までの曖昧な表現を避け標準化した。
3)駅グループウェア:駅業務の営業的な情報のみをシステム化の対象とし、列車の運行支障や事故発生時の連絡等緊急性を要する事は従来の電話、無線による伝達にしている。

4.開発実績
3システムは、十分なテスト・検証を実施しながら以下に示すように、段階的に展開していった。
・平成10年12月〜平成11年3月
駅収入システムを管理駅単位で順次導入(クライアント/サーバシステムへの移行)
・平成11年4月
ストアードフェアカードシステムの全駅展開 … 福岡市交通局、当社バスとの共用開始
・平成11年10月
遺失物管理システム、駅グループウェアシステムの導入

5.評価
各駅にて業務に携わる担当者にとってパソコンで業務を遂行していくのみが本来の仕事ではない。ただこれらのシステムの導入により従来のチェック・確認作業、集計作業が軽減され、旅客の問い合わせ等の接客業務を余裕をもってできるようになったのが最大の効果である。