Oracle Desighner/Developerを使ったシステム開発の設計・製造・テスト及びその資源管理と標準化
−DOA手法による開発プロジェクトにおいて−

(PDF文書,626KB)


【要旨】

目的
オープンシステム開発基盤を整備すべく1998年7月から開発手法・手法に適合したツールの探索・評価を行なってきた。開発手法はトップダウンによるDOAを採用した。ツールはDBMSとして信頼性の高いORACLEと、ORACLEとの親和性が高く、且つ モジュール自動生成機能を持つ、Oracle Designer/Developerの採用を決めた。弊社にとって 重要なビジネスシステム開発に適用するに当たり、事前に開発手法とツールの妥当性の検証を行った。

概要
設計中の大規模システムの開発を成功させるために、システム論理設計の完了した先行サブシステムを評価モデルと位置付けて、開発を行なった。評価システムの規模は商品の購入・在庫管理・出荷等の画面16機能、帳票3機能、バッチ 2機能であり、開発作業はデータベースの物理設計、モジュール詳細設計、モジュール製造、単体テスト、結合テストを行った。作業と並行して 作業手順・ドキュメント等の標準化を行い、ユーザーインターフェース、操作性、LAN・WAN環境での性能評価、2層・3層の構造の差異等 実際に運用して適用結果の評価を行った。

キーポイント
(1)DOA開発方法の優位性・有効性
・ビジネス変更に対する柔軟性
・物理データベースの信頼性
(2)Oracle Designer/Developerの優位性・有効性
・モジュール自動生成機能やテンプレート機能による、生産性の向上や品質の安定
・2層・3層への対応による運用の柔軟性
・リポジトリによる資源管理

計画
設計の完了したサブシステムの論理モデルを受け、データベース物理設計を1999年12月1日より開始した。物理データベースの設計実装後、モジュール設計・製造・テストを1999年12月14日より開始、2000年1月14日に終了した。その後、モジュール評価(2月)、仕様変更作業評価(3月)、2層/3層での実装評価(3月)を行った。参加人員は、データベース設計1名、モジュール作成8名であった。
また、評価モデルシステム開発作業と並行して、生産性の向上・品質の安定を目的とした、ユーザーインターフェース標準や作業手順・ドキュメント等の標準を作成した。

評価
今回の評価モデル開発からの総評として、DOA開発手法と、ツールとしてのOracle Designer/Developerは、生産性・柔軟性・信頼性の観点から、今後弊社が行う大規模システム開発に適合したものであるという検証結果を得た。特に生産性においては、COBOLとの比較で3倍という結果を得ることができ、今後の開発においてスケジュール短縮・コスト削減に大きく寄与すると考えられる。

(1)モジュールの生産性・品質評価
Designerの自動生成機能に加え、ツールの機能を十分に活用するための作業手順・ユーザーインターフェース標準を独自に作成したことで、画面モジュールの生産性・品質はさらに高まった。画面モジュール1機能に対する詳細設計・モジュール作成・テスト工数は平均6.0人日であった。ユーザーインターフェース標準については、完成したモジュールの評価より、運用上問題ないと判断された。
また、帳票作成工数(Developer)は平均3.1人日、バッチ作成工数(PL/SQL)は平均4.6人日となった。

(2)2層/3層での実装評価
2層向けに開発した今回のシステムは、モジュールに一切修正を加えることなく3層でも正しく動作することが確認された。回線速度やマシン環境より、2層/3層の併用まで含めた自由な選択が可能となる。

(3)資源管理評価
リポジトリによる資源管理を行うことで、
・ドキュメント類の自動生成
・ビジネスの変更に伴う影響分析
が可能となる。今回、詳細設計書の一部をリポジトリレポートの作成により代用することで、工数の大幅削減が実現された。また、仕様変更において、リポジトリの検索により、簡易で確実な影響分析が可能であることが確認できた。