デジタルフォトコンテスト特別企画 フォトレッスン2015

 

松原卓二さんに聞く、かわいすぎる!“モフモフ”動物写真  コンテスト出品作品の中でキラリと光る一枚を撮るためには? 応募者の皆さんが一番知りたい「撮影のコツ」をプロの仕事から探ります。
お話を伺ったのは、愛くるしい動物写真で知られる松原卓二さん。富士山麓の自然の中や動物園などで、動物の豊かな表情を撮っています。中でも、“モフモフ”としていて思わず触りたくなるような姿や、「ω」に似た動物の口元だけを集めた写真集など、独特の切り口が魅力です。松原さんが感じる動物たちの魅力、日頃感じていることを伺いました。

コンテスト出品作品の中でキラリと光る一枚を撮るためには? 応募者の皆さんが一番知りたい「撮影のコツ」をプロの仕事から探ります。
お話を伺ったのは、愛くるしい動物写真で知られる松原卓二さん。富士山麓の自然の中や動物園などで、動物の豊かな表情を撮っています。中でも、“モフモフ”としていて思わず触りたくなるような姿や、「ω」に似た動物の口元だけを集めた写真集など、独特の切り口が魅力です。松原さんが感じる動物たちの魅力、日頃感じていることを伺いました。

20代でプログラマーとして独立。
移住先の富士山麓で出会ったのは…

子どもの頃は、近くの森でよく昆虫観察をしていました。ペットは飼っていなかったのですが動物が好きだったので、いつも動物図鑑を眺めていましたね。

15歳の頃、友達が持っていたコンピューターを触らせてもらったのがきっかけで、プログラミングに興味を持ちました。卒業後はシステム開発の会社に就職し、COBOLを使ったメインフレームのメンテナンス、ハードウェアのエラー回復プログラムなどを担当しながら知識を深めました。それから何年かして独立しました。現在も写真家とプログラマー、どちらの仕事もしています。

静岡に引っ越したのは20年ほど前です。犬を飼っていたので広いところに住みたかったのですが、東京は土地も建物も高かった。それなら自宅で仕事をしていることだし、せっかくだから自然がある場所に行きたいと思って、静岡県裾野市の十里木に家を建てました。住んでみたら、うちの周りにリスがいるんです。それがとってもかわいいと思って撮っているうちに、写真撮影の仕事をするようになりました。ずっと東京に住んでいたらこういう仕事はしなかったと思います。

動物写真も「撮り放題」
デジタルカメラならではの魅力

カメラは20歳頃から趣味で持っていて、主にスナップ写真を撮っていました。どちらかというと、写真というよりカメラが好きだったんですね。シャッターを切る時の「カシャッ」という感覚が好きなんです。フィルムも現像も高かったので、フィルムを入れずに空シャッターを切って遊んだりしていました。

初めてデジタル一眼レフを買ったのが2004年です。最初は「デジタルってどのくらい使えるのかな?」と思いましたが、実際に使ってみると思っていた以上にいいと思いました。僕は鳥や動物ばかり撮っているので被写体がブレることが多いんです。100枚撮って1枚いいのがあるかないかくらい。でもデジタルならフィルム代や現像代がかからないから撮り放題です。

自宅付近の森に暮らすエナガ。
エサを食べに来たところ、ちょうどカメラの方を向いた瞬間をとらえたベストショットです。

 

家の周りでエナガやリスを撮る時は一度に500〜600枚、動物園に出向いた時は多くて2000枚くらい撮ることもあります。撮った写真を見る時も、全くだめなものはどんどん捨てられるし、微妙なものは画面上で拡大して比較できるので取捨選択がしやすいですね。山奥に住んでいると現像に出しに行くにも時間がかかっていたので、自宅のパソコンで見られるのはとてもいいと思いました。フィルムの時代に比べてメカとしての楽しみは少なくなったかもしれませんが、その代わり撮った写真を作品として作りこめるようになったと思います。

 

ターニングポイントは「ω」
「かわいい」を真剣に考える。

2008年に「BCCKS」(ブックス)という写真集のコンテストに参加しました。作品のテーマとしてポイントを絞った方がいいだろうと思い、「犬の中でどこが一番かわいいか?」ということを考えました。目、しっぽ、肉球……。どれもかわいいんですが、やはり「口がかわいい!」ということにたどり着きました。それで犬以外にもいろんな動物の口元ばかりを撮ってみたらとてもかわいくて、結果的に「動物ω(オメガ)図鑑」 という写真集になりました。動物はカメラを向けられたからといって笑っているつもりはないのですが、「ω」のように口角が上がっていて、笑っているように見えるんですよね。

動物園に撮影に行くと、必ずしも理想の「ω」が撮れるわけではありませんが、その代わり無防備な動物の姿を撮ることができます。そうしたリラックスした表情を集めたのが「動物α(アルファ)図鑑」です。動物園にいる動物は檻に閉じ込められている代わりに、生命の危険がありませんし、最近の動物園は動物をとても大切に扱っていますから、基本的に幸せそうです。のんびりしているところをこっそり撮りました。

富士サファリパークのライオンの赤ちゃん。飼育員さんに支えられて、上手にミルクを飲んでいます。

 

なぜこんなにも動物の子どもはかわいいのか。僕は「生き残るのに有利だから」ではないかと思っています。幼い個体にとってかわいい方が親に保護されやすいですから、進化の過程の深いところで発生している要素なのではないでしょうか。また、自然界では動物が他の種類の動物に代わって育児をするという行動もあります。それはきっと、他の種類の赤ちゃんであっても「かわいい」と親が感じるからなんです。ですから人間が動物を見て「かわいい」と感じるのも、人間の側にかわいさを検出する機能があるのではないかと思います。

何千枚、何万枚もの中から一番かわいく見えるカットを選んでいるうちに、かわいさの本質が見えてきた気がします。「小さい」「丸い」「触りたくなるテクスチャー」といったものがそれにあたるのではないでしょうか。動物写真を通じて、そうしたことを学んだり発見したりしました。

とにかく自分の撮りたいものを追いかけて、好きなものをたくさん撮っていくと、その中でも特に好きなものがわかってくるようになります。人の作品から学ぶことは多いですが、自分の作品をよく見ることも大切です。たくさん撮って、たくさん見る。それが上達の秘訣ではないでしょうか。

写真:松原卓二

プロフィール

松原 卓二(まつばら たくじ)
1965年兵庫県生まれ。1995年富士山麓の別荘地へ移住し自然に恵まれた環境でソフト開発に勤しむかたわら、趣味の写真に没頭。身近な野鳥、野生のニホンリスなどを撮り始める。2006年野生のニホンリスを題材にした写真展「十里木の栗鼠」を開催。2008年には動物のクチを撮りためた写真集「ω collection」が「リトルモアBCCKS第一回写真集公募展」で入選。動物写真は雑誌・週刊誌の特集記事、グラビア、学習教材の表紙写真等に採用され、現在はテレビ番組や広告への出演など活動の幅を広げている。

 
デジタルフォトコンテンスト作品募集中!

『モフモフ家族』
2011年8月 東京書籍刊

日常の暮らしの中で見つけた想いのこもった感動の作品をぜひお送りください。

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