全NUA第15回デジタルフォトコンテスト「最優秀賞」受賞者インタビュー
完璧な構図と美しい色合いにこだわり、感動を形に残したい。
株式会社京都府農協電算センター 前野洋一さん

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最優秀賞受賞作「シャガの咲く頃」

株式会社京都府農協電算センター 前野洋一さん

全NUA第15回デジタルフォトコンテスト「最優秀賞」受賞おめでとうございます

写真:前野 洋一さん

自分の目で見て感動したものだけを写真に残したいと話す前野さん

可憐なシャガの花の上を鮮やかな衣装を着た人々がリフトで上る風景を捉えた「シャガの咲く頃」で最優秀賞に輝いたのは、京都府農協電算センターの前野洋一さんです。

前野さんが本格的に撮影をはじめたのは、今から32年前。一眼レフを手にして間もない時期に応募した富士写真フイルム主催のコンテストでシルバー賞を受賞したという才能の持ち主です。その後も、さまざまなコンテストに応募し数多くの賞を獲得。『コンセンサス』のフォトコンテストでも何度も入選しており、本誌でのインタビューも2回目です。

前野さんの作品は、計算しつくされた構図が特徴です。「私は完璧主義なんですよ。通常のワイドレンズで撮影すると被写体が歪んでしまうので、それが許せないんですね。その歪みを補正するため、光軸と撮像面をずらして撮影できるシフトレンズを愛用しています。特に建物の写真は、水準器とこのシフトレンズを使って水平垂直線をきっちり出して撮ることにこだわっています」と前野さん。

作品のもうひとつの特徴は、見る人を惹きつける美しい色合いです。太陽が沈んだ直後の燃えるような赤や、紫から青のグラデーションに染まる空を背景にした夜景の作品などは、ため息が出るほどの美しさです。ほかにも真っ青な空と深い紺色の海、そして透明感のある青いプールの水面を捉えたバリ島の写真など、その色使いは芸術的です。

今回、最優秀賞を受賞した「シャガの咲く頃」は、偶然出会った風景だそうです。「賤ヶ岳の山頂から奥琵琶湖や余呉湖が望めることはわかっていましたが、シャガが満開ということは現地に着くまで知りませんでした。購入したばかりのミラーレスカメラで撮影したのですが、下りのリフトに乗っているとき確認したら、設定に誤りがあったことに気付いたんです。納得がいかなかったので、再度、登山道を歩いて撮影した場所まで戻り、撮り直したのが今回の作品です」と撮影の裏話を聞かせてくれました。真っ白な花が山の頂上まで続くシャガの道、その上を行くリフトに乗るのは、当日行われていた「賤ヶ岳まつり」で踊りを披露した住民の方々です。オレンジやピンクの舞踊衣装が白い花をより際立たせ、写真全体のアクセントになっています。

写真の魅力とは“感動を形に残せること”と話す前野さん。「地元の京都は世界的な観光地で風景写真も撮りつくされた感がありますが、これからはあえて京都の写真を撮りたいと思っています。同じ風景でも自分なりの目線で、他の人には撮れない写真に挑戦したいですね」と、前野さんは次なる作品のテーマを話してくれました。

<作品紹介>

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「冬の黄昏」

東京の文京区シビックセンター25階展望ラウンジより撮影。真っ赤に染まる空を背景にして、くっきり輪郭を浮かび上がらせる富士山が美しい

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「雪の朝、都庁45階展望室より」

積雪が溶けないよう朝一番で都庁に駆けつけて撮った1枚。斜めに伸びる甲州街道の先に富士山が浮かんで見える

 

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「熱気球琵琶湖横断レースにて」

富士写真フィルムのコンテストでシルバー賞を受賞した作品。気球を膨らませているときに内部から撮影した、美しい色合いが印象的な作品

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「バリ島」

空と海とプールの水面がそれぞれ違う青色を描く透明感のある美しい写真。この写真がきっかけとなりハネムーン先が決まったそうです

 

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「バリ島」

真っ青な空と水面、水平線と同じラインに並ぶ真っ白なパラソルとチェア。曲線と直線、色合い、映り込み、すべての要素が完璧なバランスを描く芸術的作品

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「晩秋の京都円山公園」

誰の足跡も刻まれていない石段が写真に奥行きを与え、手前のオレンジ色が奥へ進むにつれて濃い赤色に染まっていく。晩秋の京都を見事に切り取った抒情的な作品

 
 

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