全NUA第14回デジタルフォトコンテスト「最優秀賞」受賞者インタビュー
野鳥の“一瞬の美しさ”を撮り得た感動は至宝を手にした時のよう。
株式会社三友 取締役社長 綾目義一さん

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最優秀賞受賞作「お手伝い」

株式会社三友 取締役社長 綾目義一さん

全NUA第14回デジタルフォトコンテスト「最優秀賞」受賞おめでとうございます

写真:永見 数親さん

地元新聞「ほうふ日報」で『佐波川流域の野鳥たち』と題して写真付きコラムを連載していたこともある綾目さん

田植えを手伝っているような愛らしいセイタカシギをとらえた1枚で最優秀賞に輝いたのは、山口県防府市にある株式会社三友取締役社長の綾目義一さんです。

風景や花を主体に撮影していた綾目さんが、野鳥を撮りはじめたのは今から約10年前、近所の小川でカワセミを見かけたことがきっかけだそうです。「コバルト色の背、エメラルドグリーンの頭と翼を持つカワセミは、漢字で翡翠と書く美しい鳥です。鳥仲間の間では『カワセミ病』に効く特効薬はないというほど、撮影にのめり込む人が多い被写体です」とおっしゃる綾目さん自身も『カワセミ病』にかかったことがあるのだとか。その後、さまざまな野鳥を撮り続けてきた綾目さんに、被写体としての野鳥の魅力を伺うと「野鳥は警戒心が強く、動きも俊敏で苦労しますが、捕食の一瞬、着水や飛び立つ一瞬の姿は魅力にあふれています。何時間も待って、この“一瞬の美しさ”を撮り得た感動は至宝を手にした時のようです」と答えてくださいました。

最優秀賞を受賞した「お手伝い」は、萩市から北西45キロの海上にある見島(みしま)で撮影した作品。ここは渡り鳥の中継地として有名な場所で、珍しい鳥が渡ってくるため、それを目当てにでかけたそうです。 「たまたま農繁期で田植えが行われていて、その手前にセイタカシギがいるのを見かけたのですが、すぐに頭の中で構図が浮かびました。 すべての鳥が下を向くまで待ち、その瞬間をとらえることができました」。

最近、綾目さんは望遠レンズで野鳥を撮る図鑑的写真から、ややワイドなレンズで遠景も含めて撮りはじめたばかりで、受賞作はその最初の作品でした。

「野鳥の撮影を続けていると、飛来数の減少や南方に生息する鳥が国内で見られるなど、自然の変化を実感することが少なくありません。これは自然破壊や温暖化など、われわれ人間の活動がもたらした悪影響であり、そのことを考えると心が痛みます。私が引いた写真を撮るようになったのも、野鳥も一羽のみで生きるのではなく、自然と共生していると意識するようになったからです。厳しい自然の中で懸命に生きる野鳥を見ていると、いつも私は感動を覚えます。いずれ年を取り、体力的に撮影が難しくなっても、双眼鏡を持ち野鳥観察は続けたいと思います」と話す綾目さん。“一瞬の美しさ”を撮るためなら何時間待っても苦にならないとおっしゃるタフな綾目さんが、カメラを双眼鏡に持ち替える日は、まだまだ訪れそうにありません。

<作品紹介>

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「カワセミ病に効く特効薬はありません」カワセミ

綾目さんが野鳥撮影にのめり込むきっかけとなったカワセミを写した作品。宝石のように輝く羽が印象的。

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「何羽?」マガン(天然記念物)

とっさのことながら、被写体深度を深くして手前から奥までピントが合うように試みました。

 

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「得意満面」ミサゴ

水中に飛び込み、獲物を捕獲して得意満面で飛び立つミサゴをとらえた作品。

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「大きくなーれ」バン

親鳥がひな鳥に口移しで餌を与える瞬間をとらえた微笑ましい作品。きらら自然観察公園で開催されたコンテストで最優秀賞受賞。

 

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「カメラ目線で決めました」チョウゲンボウ

わずか10メートルほどの至近距離からの撮影に成功した迫力ある1枚。猛禽類ながらクリクリしたきれいな目がかわいいと人気の野鳥。

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「木守柿」カケス

自然と野鳥の共生をテーマにした新作。花鳥風月を感じる構図の美しさと抑えた色彩が印象的。

 
 

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