全NUA第12回デジタルフォトコンテスト「最優秀賞」受賞者インタビュー
“記憶”に残る“風景”を記録したい(株式会社ジャネックス 永見 数親さん)

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最優秀賞受賞作 「真夏の夜の感動」

株式会社ジャネックス 永見 数親さん

全NUA第12回デジタルフォトコンテスト「最優秀賞」受賞おめでとうございます

写真:永見 数親さん

これからは地球環境をテーマにした写真に挑戦してみたいと意欲を語る永見さん。

 永見さんがお勤めの株式会社ジャネックスは、山口県内のJAグループをはじめ、企業や自治体を顧客に持つIT企業です。平成21年に最新の設備を備えたデータセンターを稼働させ、万全の体制でシステム運用を行っています。
 永見さんとカメラとの出会いは昭和49年。当時はカメラという機械そのものに魅力を感じ、ニコンやブロニカ、マミヤなどをコレクションしたものの、撮影にはさほど興味がなかったとのこと。そんな永見さんを変えたのは、昭和54年に地元で復活した「SLやまぐち号」でした。「鉄で作られたSLが、煙をモクモクと吐きドラフト音を山々に響かせて上り坂を力いっぱい上がる姿が、まるで感情を持つ生き物のように感じられたのです。また、全国から撮影に来るSLファンとの交流から、彼らのすばらしい写真に刺激を受け、撮影にのめり込んでいきました」
 「当時はSLそのものの魅力や迫力を写すことに没頭し、望遠レンズでSLを画面いっぱいに撮るようにしていましたが、やがて山口線沿線の四季折々の美しい風景とSLを合わせて撮るようになりました。」これらの美しい写真を多くの方々に見てほしいと個展などを開催し、好評だったとのこと。ひと区切りしたところで、永見さんが新たな被写体として選んだのが花火でした。
 「花火には、一瞬で消える儚い美と地響きを伴う音や大きく飛び散る光といった迫力が同居しており、その裏には職人の技があります。一瞬の美と迫力を記録するという点と花火の上がる高さや開く大きさをプログラムから予測し、あらかじめカメラアングルを決める点など、列車が来る前にアングルを決めておくSLの撮影と似ているんです」と永見さん。今回最優秀賞を獲得した作品も画面いっぱいに花火が広がり、その場所に立ち夜空を見上げているような臨場感を感じる1枚です。きれいなアーチを描く木造橋の静的な美と、夜空一面を覆い尽くす大輪のしだれ柳の動的な美の調和、そしてその中に光る黄色の花火がポイントとなり橋脚との位置関係の構図も見事です。「このロケーションを確保するために朝早くから場所取りし、一日炎天下にさらされてようやく撮れた1枚です」と苦労話を聞かせてくれました。
 永見さんにとって「撮影」とは何ですかと質問すると、「趣味であり生きがいです。一生に一度しか出会えない美しい風景を『記憶』に留めるだけでなく、写真に『記録』したいのです」と答えてくれました。

<作品紹介>

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「錦秋の津和野盆地」
真っ赤に色づいた紅葉と煙をたなびかせて走るモノトーンのSLとの対比が美しい。季節のうつろいの中を走るSLといった永見さんらしい写真。

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「長良川花火大会」
夕焼けのグラデーションと街の夜景に花火が咲いた美しい作品。空を入れ街を広く俯瞰しているので広がりや雄大さを感じる。蛇腹式の大判カメラによる撮影のためフィルムには細部まで写し込まれている。

 

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「爆煙」
走ってくるSLの汽笛とドラフト音が今にも聞こえてきそうなド迫力の一枚。鉄の塊であるはずの汽車が息を弾ませながら近づいてくる生命体に見え、心も体も揺さぶられる。

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「旅の途中から降りはじめた雪」
音もなく静かに舞い降りる真っ白な雪、その中を黒いSLが力強く走り抜けていく、日本画のような作品。雪が降りはじめた瞬間を偶然捉えたにもかかわらず、線路脇の街道松を活かした構図が見事。

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「長野えびす講煙火大会」
煙火師の間でも全国屈指の花火大会として名高い伝統ある花火大会。その見せ場であるミュージックスターマインをとらえた艶やかな作品。手前の屋台が当日の賑わいを表わしていて味わい深い。

 
 

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