第11回デジタルフォトコンテスト「コンセンサス賞」受賞者インタビュー

コンセンサス賞受賞作「鳥と水面」

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小田修さん 北陸電話工事株式会社

全NUA第11回「コンセンサス賞」受賞おめでとうございます

「人も撮りますけど風景を撮ることが多いですね。どちらかといえば、撮影のために出かけるのではなく、出かけた先で出会った風景を切り取るタイプです。時には、狙って撮影することもありますけど」。
受賞作の「鳥と水面」は、小田さんが狙って撮った1枚です。撮影場所は、地元金沢の卯辰山にある小さな池。その風景との出会いは、偶然だったそうです。ある秋の日、たまたま池の近くを通りかかった小田さんは、落葉した楓の細い枝が幾重にも重なって水面に映り込み、美しい幾何学模様を描き出しているのを見つけます。素晴らしい素材に出会ったと思ったものの、小田さんはすぐにカメラを構えません。「このまま撮影したのでは面白くない。水面も鮮明過ぎるとつまらないので、茶色に見えるよう光の入り方を工夫し、構図のアクセントとして白鳥を入れたいと思ったのです。ところが、白鳥がなかなか狙ったポジションに来てくれません。1羽ではさみしいし、2羽が重なっても絵にならない。結局、1時間かけて白鳥が狙ったポジションに来るまで待ちました」。苦労の末に切り取った渾身の1枚が「鳥と水面」です。人工ではつくりだせない美しい幾何学模様の上を、白鳥が滑るように泳ぎ、それによって新たな紋様が生み出されています。色を極力排した写真は墨絵のような強さを持ちながら、複雑に入り組んだ樹影と水紋が繊細な模様を描き、見る者を惹きつけます。

小田さんの作品を拝見させていただくと、そこに独特な世界観があることに気付きます。「鳥と水面」に象徴されるように、光と影の中に繊細な模様が浮かび上がっている作品が多いのです。「人工的ではない、自然がつくりだす美しさに惹かれるのかもしれませんね」。
小田さんにとって撮影とは何ですか? 難しい質問を投げかけてみると「写真には、その瞬間に考えたことや撮影時の自分の感性が写っている気がするんです。そういう意味で、撮影とはその瞬間の自分の感性を記録していく行為ではないかと思っています」と答えてくれました。

<作品紹介>

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能登で撮影したブナの木々が描き出す模様を切り取った小田さんらしい作品

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桜の名所卯辰山で、八重桜にハチが寄り添う瞬間をとらえた鮮やかな作品。最適な位置でハチをとらえるのに苦労したという1枚

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能登穴水町で撮影。静的な緑の葉が連なって描くグラデーションと生命感あふれるカタツムリの対比が印象的な作品

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深紅からオレンジまで色とりどりの柿が奥行きある立体的な構図で美しい絵となり、地面の緑と力強い枝、山の姿が全体を引き締めている作品。柿の熟す時期をあえて狙った1枚

 

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那谷寺の紅葉。後ろから射す陽で発光した紅葉の美しさを、中央の幹による深い陰影で強調した作品

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初夏に京都のお寺で撮影。シャッタースピードを上げ、絞りを開け気味にすることで、水面の撥ねを写し取った作品。水瓶の引き締まった黒と生命感ある緑のコントラストが美しい。

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ハスの葉の向きがパターンを描いているところがアクセントとなっている作品

 
写真:小田修さん

撮影者のこだわり

三脚は使わない、ソフトウェアでの補正はしないというこだわりを持つ小田さん。もっと色や光を使いこなして狙い通りに撮れるようになりたいとおっしゃっていました。

小田修さん 北陸電話工事株式会社

 
 

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