全NUAユーザー事例論文:論文パル2005
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契約・決済手続き電子化による業務プロセス改革とCS向上
〜ペーパーレス・印鑑レス・キャッシュレスの実現〜
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【1】 目的・背景
 
保険業界における契約・決済手続きは旧態依然としており、「ペーパー(申込書)を使用し捺印をもらう」というプロセスである。これだけ業界内で、商品開発面や価格面等で競争してきたにもかかわらず、業務(契約・決済)プロセスに関する競争は、これまでほとんど手がつけられておらず非効率かつ煩雑な事務の課題をかかえたままであるのが実態である。
当社では、他社に先駆け、抜本的な業務プロセス改革を目指し、平成14年5月にCS業務プロセス改革本部を設置。CSを基本におき、スピードがあり効率的な新しい業務プロセス構築に、全社を挙げて強力に取り組むこととした。コンセプトは、フロント(お客さま面前で)完結、ペーパーレス・印鑑レス・キャッシュレス。契約申込みから保険料領収までを完全電子化させるシステム(モバイルMS1)を開発した。
概要に入る前に、解決すべき主な事務の課題を述べる。
 (1)商品複雑化による申込書記載・確認チェック項目の手書き修正・目検による事務手続
 (2)会社から代理店宛に送付する継続申込書(3ヶ月前データにより作成)の確認業務
 (3)お客さま面前で修正のあった申込書の代理店・会社のホスト登録・確認業務
 (4)口座振替登録手続き時の銀行届出印取付・不備・引落不能による対応
 (5)現金による保険料領収時の会社送金・精算業務
   
【2】 概要
 
本システム要件をまとめるにあたり1年間をかけ、営業現場の実態調査の他、他社ベンチマーク・セミナーや研究会へ参加し最新技術情報の収集を行い、代理店システム全体を見据えつつ精緻な検討を重ね完成させた。システム構成は、(1)エクストラネット(代理店ネットワークシステム) (2)オフライン配信基盤・オフラインソフト(3)決済ネットワークからなり(1) 〜(5)の課題を解決させた。

(1) エクストラネット
直近の異動(住所変更・事故歴等)を反映させた契約データをエクストラネットからモバイル端末にダウンロード・アップロードする機能。程で分類した。

(2) オフラインソフト配信基盤・ソフト
お客さま対面による手続きができるオフラインソフトは、PDA・PCに対応。オフライン配信基盤によるバージョンアップの自動化及び旧ソフトの自動消去ができるインフラを新設。

(3) 決済ネットワーク
小型・軽量・廉価な決済端末をメーカーと共同開発。赤外線(IrDA・IrCOM)によるPC・PDAとのデータ連携によるデビット決済・口座振替登録機能を実現。NRI・INFOXの2つの決済センターに対応。
   
【3】 キーポイント
 
(ア) PDA・PCと決済端末間を赤外線通信による契約・決済連動手続のワンストップ化
決済端末にPDA・PCから付加情報を送信することで、お客さま面前でキャッシュカードを通すだけで決済を完了。手入力をなくすことでエラーを排除した。契約端末と決済端末間は、赤外線で統一により、どの組み合わせでも新たな投資なく利用可能。

(イ) 電子サイン取込/告知・注意事項の端末表示による完全ペーパーレス手続
契約端末の画面上に告知・注意事項を表示させ、お客さま同意後、画面上に電子サインを読み込む方式により申込書の完全ペーパーレス化を実現。※ビジネスモデル特許出願中

(ウ) 端末搭載ソフト自動メンテナンスと継続手続データの最新化機能
PDA・PC搭載ソフトは、常に最新バージョンが維持され、かつ満期情報も直近の事故・異動(住所変更等)を反映したデータを利用することで、エラーレスを実現。

(エ) セキュリティ対策
エクストラネット内はもちろん、契約ダウンロードから決済端末への送信や、PDA・PCからアップロードに至る全ての工程で暗号化やパスワードによる情報漏洩対策を実施。また不要となったデータは、自動消去される仕組みとした。

(オ) 機器斡旋スキーム構築
本システムを利用するための機器類は、インターネットショッピングサイトと提携し専用コーナーを開設。決済端末は、通信カード・決済センター情報も購入時に登録させることで導入事務も完全ペーパーレスとした。
   
【4】 評価
 
本システムにより、代理店・会社双方の事務課題を解決させ、削減となった時間とコストを営業戦略にシフトさせ業務削減効果を導く成功の鍵は、主力層の利用と活用の定着である。
事前に実施したパイロット検証による実績や代理店の声を最大限反映させ、多岐に渡るシステム開発を遅延なく17年2月にリリースさせ予定通り募集を開始した。
マスコミ報道やプロモーションコンテンツの充実による強力な情宣を行った結果、3月末で1600台の導入を行うことができた。活用面においては、スタートしたばかりであり、急速に活用が進んでいるとは言い難いが、既に1000件の利用実績をあげることができた点は評価できる。
次ステップでは、機能充実と並行し、代理店向けに革新性や導入価値につき継続的な情宣活動と成功モデルを確立することで、来年度末の目標である5000台以上の導入と100%の活用率を目指し、この新しい業務プロセスが当社の標準となるよう取り組みたい。

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