全NUAユーザー事例論文:論文パル2005
 < トップ < 入選/要旨
音声入力が達成した基幹受注業務の効率化PDF(682KB)
 
【1】 背景と目的
 


当社は福岡県北九州市に本社を置く地域密着型総合食品卸売業者である。
周知の通り、小売業のメーカ直取引の開始や、取引先からの価格低減要求、店舗配送頻度・形態の多様化要求は年々厳しいものになっており、全国シェアの卸売業も大型量販店の出店に伴い同地域への業務拡大など、過当競争に拍車がかかっている。かかる状況下いかにして業務効率化を図り利益を確保し、得意先獲得とサービスレベル向上を行っていくかが大きな経営課題となっている中で“地域密着型”という特色を持つ当社は、大型チェーンだけでなく中小の地域小売店様との取引も多く、取引先からの受注がデータ化されないものも多く存在している(電話・FAXでの受注が全体の約35%を占める)。その部分についてはFAXでの受注書・電話による受注メモに商品コードを記入し、それを基幹システムに入力することで受注確定させているがその部分に対する人的リソース割り当てを大きくする必要があり、また就業期間の長い従業員の熟練作業に頼る部分が大きいことによって、未熟な作業員のオペレーションは、商品間違いを起こしその結果返品処理や商品の再手配など後戻り作業も発生していた。
そこで今回、(1)受注時の作業効率化と精度向上(オペレータの熟練性排除<入社したその日から受注作業ができること>)、納品リードタイム短縮を目的として受注システムの再構築を行うこととした。

   
【2】 システム概要
 
本システムは、受注入力の際これまで行っていた商品コード付番作業を一切排除し、受注書・受注メモに書かれた内容からキーワードを発声するだけで候補となる商品の検索を行い、タッチパネル上に表示する。ヒットした件数が多い場合にはさらに規格(グラム、6本パックなど)やフレーバ(オレンジ、アップルなど)を発声しさらに詳細に検索することができ、商品を確定させていく。生成された受注データはホスト(オフコン)が通常受信しているEOSデータと同様の取り扱いで転送される。
   
【3】 キーポイント
 
(1)音声認識技術を利用する範囲の確定
音声認識技術の得手不得手を正確に認識し、得意とする部分(人間系でのオペレーションで非効率となっている部分)に適用すること。すべてにおいて音声認識技術を利用するとかえって非効率となる場合があるので注意が必要。
今回は“得意先”と“商品”の確定に音声認識技術を採用。単価・数量・日付などテンキー入力が可能なものは対象外とした。

(2)キーワードマスタの作成
当社の商品マスタは約27,000品と非常に多く、その中には非常に類似した商品も数多くある。また、当社の取扱商品は食品ということもあり季節ごとの商品改廃が激しく正確に商品を把握するのが非常に困難である。更には、呼び名も複数存在しておりひとつの商品に対して得意先・オペレータによって呼び方も様々であった。そこで、キーワードマスタというものを作成し、ひとつの商品の検索にいくつかのキーワードでヒットするようにした。

例:“雪印”の場合・・・正式には雪印乳業であるが一般的には「ゆきじるし」と呼ばれることが多い。しかしそのほかにも“SNOW”というブランドがあったり業界では略して呼ぶことも多く、“ゆきじるし”“すのう”“えす”“ゆき”のどれを発声しても雪印商品を呼び出すことができるようにした。

   
【4】 評価
 
2004年10月に本稼動を迎えた。これまで受注入力を行うには1明細あたりにかかる入力時間は平均で約40秒であった(商品コード調査時間:35秒 + 入力時間:5秒)。これが、新システム本稼動当日は約90秒へと倍の効率となってしまったが、それからわずか1週間で25秒へと大幅に短縮できたのである!!(約40%の効率化に成功)

注)実際の入力にかかる時間は10秒程度とさらに大幅な短縮が図れているが、チェック作業やホストへのデータ転送処理時間を考慮すると平均で25秒程度となる

当社は12月が1年の中で一番の繁忙期であり、これまでは12月になると受注担当者の増員や大幅な残業でカバーしていたが昨年の12月は人員1名減、残業時間大幅減という結果となっている。また、この間に発生した商品の手配ミスが“0件”であり、商品手配ミスによる後戻り工数が全くなくなったことによる業務効率化への寄与と取引先へのサービス向上が図れた意義は非常に大きいものと考える。これは入力が早くできるようになったことで物流センターに提供するデータを事前にチェックすることができるようになったからに他ならない。
 今回のシステム導入は1支店での部分導入であったが、本システムの効果が確認できた現在、早急に全社的な取り組みとして拡大していく必要性を感じる。受注センター化構想も含めてトータル的に最大の効果を発揮できるよう検討していきたい。


 < トップ < 入選/要旨

Copyright(c)NEC C&C Systems Users AssociationAll Right Reserved.