全NUAユーザー事例論文:論文パル2005
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FlexProcess標準部品化によるアドオン開発の効率化について PDF(480KB)
 
【1】 目的
 


三菱レイヨングループでは2000年よりグループ会社各社にFlexProcess(以下FP)を利用した情報システムをグループ標準システムとして構築をしてきた。システム構築の目的は、第一にグループ会社の情報化レベルを底上げして、付加価値の高い業務へのシフトを図ること、第二に同一パッケージを導入することで開発・運用費を抑制することとである。 
 
システム導入当初から、FPをカスタマイズせず、オリジナル機能をそのまま使って導入することを基本方針とした。これは開発費用の抑制が主目的であるが、開発する都度各社の個別要求に答えることで似て非なる外付けプログラムが多数できることを避け、メンテナンス負荷の増加を防ぐとともに、ERPのバージョンアップへの対応を容易にすることも狙いであった。

適用開始から5年を経て装置・組立・繊維・商社と三菱レイヨングループ会社の業種に適用した経験からFPに付加すべき機能の洗い出しと整理ができてきていた。また三菱レイヨンは近年中国に大規模な投資を行い多数の会社を設立することが計画され、実施され始めていた。この各社にもFPシステムを標準的に適用する基本方針が確認されたが、この新規適用が集中的に発生することを契機に、従来のさまざまな課題や要望を集約し、特に生産販売物流の分野においてMRCグループとしてのFPシステムへの機能追加を既に導入した各社も含め標準的に利用できる外付開発として実施することとした。

   
【2】 概要
 
外付開発方針は、第一に「基本的ロジックの共通化」である。グループ各社の導入事例から業務ロジックは細分化するとかなりの割合で共通化可能との判断しており、徹底的な共通化を図ることとした。第二に「各社個別部分と共通部分の整合性」である。共通化できなかった個別業務こそ、その業種の競争力の源泉と見なしその実現は目指すものの、共通部分との整合性の保持が懸念されるので開発方針の2つ目とした。第三は「メンテナンスの容易性」である。保守工数の削減が、FP導入時の目標の一つであり、本プロジェクトでも達成すべき課題と考えた。

上記の3つの課題を解決する手法として採用したのが「3層構造の標準部品手法」である。また、FPオリジナルデータベースに不足している項目については、外付データベースとして新設した。最下層となる「基本部品」は、FPオリジナルと外付データベースの更新を担当する。ポイントはFPデータベースの更新を、APIを経由して行うことでFP本体のバージョンアップに耐えられるようにしたことと、業務ロジックを含まない構造にしたことで、後述の各層で使用可能としたことである。中間層の「業務部品」は業種に寄らない共通の業務ロジックを実現する。部品化手法採用の核でありこの層の完成度が本プロジェクトの成否を決める。ポイントは、業務を部品化する際の切り口を共通と個別に的確に区分することであり、そのことにより業務部品と業務部品を組み合わせることで新たな業務部品を作り出すことが可能となる。最上位の「ユーザーインターフェイス(以下UI)部品」は、UIと業種特有の業務ロジックを担当する。ポイントはこの層のボリュームを最小にすることが目指す方向であり、ユーザーへは個別開発と同等の機能を最小の費用で提供できることを目指した。

対象の業務範囲は、予算と開発期間の都合から販売・物流とした。部品の構成は、基本部品として、「オーダー」「出荷予定」等の計9部品であり、ほぼ販売・物流の範囲でのFPのAPIに相当する。業務部品としては、「受注取消訂正」他3部品とした。UI層は、「受注入力/照会/訂正画面」等の9部品である。残りは、セッション管理などの基盤部品が5部品の構成となる。

   
【3】 開発経緯
 


2004年3月より最大6名で12ヶ月で開発を行った。内訳は企画フェーズ2ヶ月、概要設計2ヶ月、基本部品開発フェーズ2ヶ月、業務部品層3ヶ月、UI層開発2ヶ月、全体チュ−ニング1ヶ月であり、2005年3月にリリースした。同年上期に稼動が予定されるグループ会社に最初の適用を行う予定である。

   
【4】 評価
 
当初の目的は「3層部品化手法」の採用でほぼ達成できたと考えているし、優先順位を下げた業務部品の追加開発でより完成度を高めていく方向とする。評価の目安としてUI層の開発工数を挙げると、部品未使用の見積と比較して約40%の工数削減となり、当初想定した数値となった。  
 苦労した点は、FPバージョンアップを可能にする外付開発方針のためFP本来の業務ロジックとの整合性を保持しなければならなかったことである。これで開発を見送った機能もあり今後の課題としたい。


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