全NUAユーザー事例論文:論文パル2005
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空港給油業務における人員・機材の自動スケジューリングを可能とした
ジョブコントロールボードシステムの構築
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【1】 目的と背景
 


1. システム再構築の目的

日本空港給油蒲lは成田空港の航空機への燃料搭載業務を行っており、1995年6月に開発された旧システムでは、近年の環境変化・組織の変革及び今後予定している更なる業務効率化に対応できないため内容を一新し、人員・機材の効率化に資するシステムを目的として、バージョンアップおよび再構築を行った。

2. システム再構築の主な業務的な要件

航空機への燃料搭載業務は、出発時刻のn分前の作業を基本としている。
フライトのスケジュールに合わせて給油作業を行うため、フライトスケジュールをリアルタイムに自動連動し、給油作業者の勤務、作業資格、機材(給油車両)の資格(適用場所、適用航空機)などの様々な条件を組合せて、最適な人員配置を自動でスケジューリングする。


(1).作業の効率化を計るため、給油車両2台・2名給油からマンコントロールが出きるシステムとする。
※ マンコントロール(1.5台給油) ⇒「給油作業セットタイム(給油開始時間)から任意の時間で、航空機の給油操作パネル側とは反対の給油車両を他の給油作業へ移動すること」

(2).統制業務の負荷を最大限軽減するよう、可能な限り変更フライトスケジュールデータの自動連動・反映、自動スケジューリング機能の精度向上、運用性向上を行う。
※ 統制業務 ⇒「給油作業者へ作業指示などを行うコントロール業務」

(3).将来及び季節要因のフライトスケジュール変化に的確に対応できるよう、複数の勤務形態・人員配置が作業スケジュールとしてシミュレーション可能なシステムとする。

3. システム再構築の主なシステム的な要件

(1).データベースサーバーは原則24時間365日の無停止運用とし、新システムで取り扱うデータを一括管理し、複数業務間のデータ連携及びデータ保守性の向上を図る。

(2).統制業務の主たる画面インターフェースとなる「ジョブコントロールボード機能」は応答性能、画面操作性を考慮し、クライアント・サーバー方式にて開発する。

(3).「ジョブコントロールボード機能」以外の機能はクライアント管理の容易さ、将来の拡張性を考慮し、イントラネットによるWeb方式にて開発する。

 
【2】 システム概要
 


本システムは、フライトスケジュールをリアルタイムに連動し、給油作業者のシフト勤務と給油作業資格、機材の空き状況や資格(適用可能な場所や適用可能な航空機)の条件を組合わせて、最適な人員と機材の配置を自動的にスケジューリングするシステムである。(ジョブコントロールボード)
また作業実績の入力をWeb画面で提供し、作業実績を基に結果の分析およびシミュレーションすることを可能としており、シミュレーション結果を運用系へ反映する流れを作ることで作業効率の改善を図る。
ジョブコントロールボードの開発言語には、パフォーマンスの観点と部品が充実していることからMicrosoft社のVisual C# .NETを採用した。

<ジョブコントロールボード>

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<システム構成>

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【3】 キーポイント
 


成田空港の1日の離発着便数は500件以上と多く、作業状況を全体的に把握するために出きるだけ多くの作業(行数)をジョブコントロールボード上で表示することが一つの課題であった。
そのためジョブコントロールボードは、WUXGA(解像度1920×1200)表示対応の23インチワイド液晶ディスプレイを採用し、標準表示で縦30行(作業人数)、横14時間程度の表示を可能とし全体の作業を把握しやすくした。更に、ズーム機能を設けることで全ての作業の表示も可能とした。
レスポンスに関しては、データベースから読み込んだデータを、一旦ワークステーションのメモリ上で展開し様々な条件を組合わせた配置結果を描画することにより、自動スケジュールにおいても1秒以内の結果が得られるようになった。
ジョブコントロールボードの開発言語は、VB、C++、C#で比較評価を行いパフォーマンスの良さと部品が揃っていることなどからC#での開発を採用した。
ジョブコントロールボードはクライアント/サーバーだけでなく、Web上でもJava+Appletを使って開発し表示をすることで、給油作業者が事務所へ戻った際に机上のノートパソコンで自分の作業を把握することができるようにした。
システム的な要件として、原則25時間365日の無停止運用を行うために、データベースサーバーはFTサーバーでOSはLinuxを採用し無停止運用を行っている。

   
【4】 評価
 
ジョブコントロールボードの開発によって、給油作業の効率化だけでなく、作業状況に応じて色を変えるなどビジュアル的に見せることで作業状況を把握しやすくなったと考える。
また、給油作業者の資格や機材(給油車両)のアサインにおいて、これまで統制業務担当者の経験と知識で行っていた面があったが、これらをジョブコントロールボード上で判断することで、作業のアサインミスや指示ミスも防ぐことが出来ていると考える。
例えば、ある航空会社のB−777 型機への給油作業において、B−777型機への給油作業資格を持っていない作業者をアサインできないようにする、またはマニュアルでアサインしても作業プレートを赤くして警告するなどの注意を促すことでミスを防止している。
フライトスケジュールを航空会社など3社からリアルタイムに連動しており、フライトの到着・出発の遅れなど作業に影響を与えるようなスケジュール変更にも色を変えて警告を出すことで、迅速に指示して対応することが可能となった。
今後はより一層のサービスの向上を図るためにも、モバイルとの連携を行い作業場所から開始・終了や搭載数量などの実績を送信することもお客様と一緒になって考えていきたい。

また、本システムの今後の展開としては他の空港業務への展開や空港業務に限らず様々な業種・業態への流用を考えていく。
例えば、交通機関の乗務員と乗務スケジュール管理やルートセールスなどの最適な営業ルートのスケジュール管理などを検討している。


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