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東北学院大学泉キャンパス情報処理センターにおける教育支援システムの構築 PDF(1,228KB)
 
【1】 背景と目的
 


東北学院大学は土樋、多賀城、泉の3つのキャンパスで構成され、それぞれのキャンパスには情報処理センターが設置されている。ここでは、泉キャンパスに設置されている情報処理センター(以後、泉情報処理センター)の目的と講義を支援するために開発した講義支援システムについて述べる。
泉情報処理センターは、文学部、経済学部、法学部の1・2年生のIT教育の基礎教育を支えている。さらに、教養学部の全学生のIT基礎教育と専門教育をも支えている。学生数は約7000人を超え、ほとんどの学生はITに関して初心者の学生である。このような学生のIT教育に必要な環境は、単に必要なハードウェアとソフトウェアを集め構築したシステムでは、効率よく講義することはできない。そこで、教員からは「講義をする」、学生からは「講義を受ける」という立場から何が必要かを考え、講義支援システムをNECと共同で開発した。

   
【2】 システム概要
 
1 ハードウェア・ソフトウェア構成
学生用PCはNEC社Mate26V(Pentium4、512MB,40GB)、基本ソフトはWindowsXP-Proを基本に、VMwareを介してLinuxも利用できるように設定している。アプリケーション・ソフトウェアとしては、MicrosoftOffice、プログラミング言語、マルチメディア処理、統計処理などの各種のソフトウェアを用意している。

2 講義支援システムの構成
我々が開発した講義支援システムは既存のソフトウェアを活用すること、効率よく講義するために必要と考えた機能をNECとの共同で数多く新たに開発したことが特徴としてあげることができる。その主な機能を以下に示す。

(1)起動時のシステムの一貫性を保障機能
この機能では、学生や教員がPCを起動するといつも泉情報処理センターで決めたシステム環境で起動することができる。当然、全員が同じ画面で起動される。講義中に学生がいろいろなソフトをインストールしたとしても、まったく問題は発生しない。ただし、Webブラウザーでのお気に入りなどは継続するようにしている。

(2)アプリケーション選択機能
通常Windowsでのアプリケーションの選択は、「start」メニューやアプリケーションのショートカットアイコンを作成し、それをクリックするのが通常である。初心者にとって「文章を作成する」こととアプリケーション名とは対応つかないものである。そこで、アプリケーション起動画面を新たに作成し、その画面内のボタンをクリックすることにより、目的のアプリケーションを起動できるようにするための機能を開発した。そのボタン内の名称は「文章を作成する」、「電子メールを利用する」などとしている。

(3)アプリケーション起動制限機能
この機能では、教員が講義で使用するアプリケーションを限定することができる。この設定はWebブラウザーから簡単な手順で行うすることができる。なお、講義中に設定を変更することもできる。

(4)出席管理機能
この機能では、教員が任意の時点で出席を取ることができる。その結果はメールの添付データとして教員に送られる。なお、このデータはCSV形式で、集計するためのソフトウェアも用意されている。

(5)レポート管理機能
この機能では、教員が課題を出題し、それに学生が提出という一連の作業のすべてをWebブラウザーからできる。具体的な機能としては、学生が課題を提出すると確認のメールが本人に届く、教員は課題の提出期間を設定できる、また教員は課題の提出状況を簡単に確認することができる。さらに、提出された課題を教員側に収集することもできるようになっている。このような利用面での機能意外に、教員の課題や学生のレポートのファイル形式を限定しないことである。つまり、PDF、EXCEL、WORDO、一太郎などファイル形式に制限なく対応できる。当然、画像、動画、音声データも用いることができるようになっている。

(6)授業運用機能
この機能では、教員が実際に講義中に必要な機能として、○教員画面を学生PCに一斉転送機能、○学生の画面のモニタリング機能、○学生へのメッセージ送信(全員、個人)、○学生PCの操作ロック機能などの機能を実現した。

(7)フレンドリなファイルシステムの実現
学生からファイルシステムは学生個人用、教員教材用、参考資料用の3つに見える設定されている。これらをドライブ名で管理する方式を採用している。学生個人用には学生が作成した文章、プログラム、電子メールなどが保存される。教員教材用には、教員が講義を補足する資料などが保存される。参考資料用には講義を支援するフリーソフトウェアなどが保存されている。

(8)ホームページ公開環境の提供
学生が各自HPを作成し学内のみでの公開できるような環境を構築している。なお、機能的には閲覧のみとしている。
   
【3】 評価と今後計画
  泉情報処理センターを利用する学生は基本的には文科系の学生であり、これらの学生のIT教育するためのコンピュータ環境は、単に市販されているハードウェアとソフトウェアを購入し、それを構築したのでは、円滑な講義を行うことができないと考え、「教員から効率よく講義をするには」、また「学生からはどのような環境だと講義が受けやすいか」をかなりの時間をかけて検討しながら、独自の講義を支援するための機能をNECと共同で開発してきた。このシステムは平成16年4月から運用を開始し、約1年間、泉キャンパスにおけるIT教育を支援してきた。この結果として、教員、学生からも使いやすい講義環境という意見を多くもらっている。特に講義ごとに使えるアプリケーションを制限することができる「アプリケーション起動制限機能」は教員から高い評価を受けている。今回開発した講義支援システムは、これからのIT教育環境のモデルになると考えている。
今後の予定としては、e-learningの環境と講義を支援するコンテンツを活用するための教材データベースなどを開発し提供することを考えている。
   

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