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RFID タグ、無線LAN を活用した在庫管理システム改善事例
〜大板ガラス用鉄パレット管理システム〜
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【1】 背景
  現在、ユビキタス環境を実現する主要技術の一つとして、RFID(ID)タグ(以後:RFIDタグ)が世間で注目されている。
RFIDタグとは、バーコードの無線版として、使われ始めている、無線でデータを読み込めるものであり、電気的な素子で、データを記憶し、非接触で、データを書き換え、追記も可能である。このRFIDタグを用いる事によって、モノの所在や、属性を必要な時に入手出来るシステムを構築できる。特に、製造、物流分野で大きな期待が寄せられている。当社でも様々な分野で活用可能と考えているが、その一つとして次のような問題がある。窯から製造された大板ガラスは鉄パレットに載せて、品種、厚み、サイズ別に在庫保管されており、受注の都度、受注寸法に合わせて切断し、次工程、加工拠点へ送っている。この鉄パレットは最大18段まで積重ねて保管しているため、必要な大板ガラスが積載されている鉄パレットを探し出し、天井クレーンで切断工程へ移動させるのに苦労していた。そこで、最新技術(RFID、無線LAN)を活用して作業効率向上、在庫情報のリアル化、正確化を図ることにした。
   
【2】 目的
  (1)在庫管理改善
1.作業効率の向上
2.在庫情報のリアル化
3.在庫情報の正確化
4.不要在庫の削減
(2)最新技術の利用可能性の検証
   
【3】 システム概要
  従来まで、紙ベースで実施しており(事後にACOSへI/P)、在庫情報更新にタイムラグのあった在庫管理について、製造現場にRFIDタグ、無線LANを導入することで、リアルタイムに在庫情報を更新出来るシステムを構築した。それに合わせて、作業改善、在庫削減のための機能も付与した。OSとして、Windows 2000を採用し、データベースは、Oracle(8.1.6)を利用し、開発言語は、VisualBasic 6.0を利用している。以下に、システムの代表的な機能を説明する。

(1)製造現場(天井クレーン内)にて、在庫情報の参照/更新を可能とした
(2)在庫情報の3次元「行・列・高さ」管理
(3)作業履歴の蓄積

改善前後のイメージ
   
【4】 評価
  (1)無線技術の利用
天井クレーン搭載PCのLAN通信、及び、RFIDタグのデータ通信(シリアル通信)について、無線技術を利用する事によって、稼動設備内での通信を可能とした。

(2)RFID(ID)タグの利用
在庫情報更新の際の、天井クレーン搭載PCへのI/P作業を、RFIDタグを利用することによって、容易化した。従来は、どの鉄パレットを掴んだか視認し、手入力していたが、RFIDタグ利用によって、天井クレーン搭載PC画面をタッチするだけで自動認識する形となった。今回利用しているRFIDタグは約2m離れて読み取り可能である。

(3)現場利用者の操作性
FAシステムとして、○操作しやすいこと、○文字が大きく表示されること上記2点を意識し開発した。
RFIDタグの選定について、市場には様々な(データ通信距離が異なる)RFIDタグが存在しているが、4社のものを事前評価テストを行い、選定を行なったので、順調に稼動させることが出来た。通常のRFIDタグの場合、金属に直接貼り付けると、データ通信距離が極端に低下するが、今回は、金属対応のRFIDタグを用いることで、問題なくデータを読み取る事が出来た。
   
【5】 計画と実績
  計画と実績図

本システムの上位側の生産管理システムで仕様検討漏れが発生し、その影響で、本システムの本稼動が計画より
1ヶ月遅れた。また、システム切替時の混乱を避けるために、システム本稼動と、RFIDタグ利用本稼動のタイミングをずらす形とした。(RFIDタグ利用本稼動時に在庫情報に高さ情報を付与)
   
【6】 評価
  本システム構築により、システム概要に記述している3つが実施出来た。

(1)製造現場(天井クレーン内)にて、在庫情報の参照/更新を可能とした。
本システム構築によって従来までタイムラグのあった(MAX:2日間)在庫情報が、リアルタイム更新されるようになった。これによって、誤って在庫を取りに行くという手戻り作業が削減された。
→ 作業効率の向上/在庫情報のリアル化

(2)在庫情報の3次元「行・列・高さ」管理。
高さ情報が在庫情報に付与されているため、即座に、求める在庫がある場所を把握出来るようになった。
→ 作業効率の向上/在庫情報の正確化

(3)作業履歴の蓄積。
天井クレーンの作業(どこから、どこへ移動したか)の実績データが蓄積出来る形となった。この機能により、長期間使用されていない在庫をデータとして明示出来るようになった。
→ 不要在庫の削減

上記(1)〜(3)に加え、今後はさらに、鉄パレットの置き方の抜本的見直しによる作業改善や、生産計画見直しによる在庫削減を行なう。また、RFIDタグに持たせるデータを増やし、棚卸作業の容易化などへの展開をねらっている。
また、物流関係にて、RFIDタグを利用し、パレット回収率の把握、及び、パレットのトレーサビリティの把握などについて適用への水平展開を図っていきたい。

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