全NUAユーザー事例論文:論文パル2004
 < トップ < 特選/要旨
100円ショップにおけるリアルタイムPOS構築事例
〜本部集中方式による低コストでリアルタイム処理を実現〜
PDF(162KB)
 
【1】 目的
  当社は昭和60年創業の100円ショップで650店舗を有している。当初より最新技術を積極的に採用しローコストで競争力の高い情報システム開発を目指してきた。1995年にインターネットを利用した発注システムの開発、2000年にWeb−EDIの開発と、競合他社に先駆けて商品管理面とオペレーション面での差別化を図ってきた。しかしながら単品販売情報が取れておらず、消費者意識の変化とともに在庫過多、品切れの発生が経営上の課題であった。
そこで、単品管理を行うため、100円ショップ業界では初となるPOS導入に踏み切りました。
POSでの単品売上情報を活用し、品揃改善、在庫削減を図り今後1000店舗体制を目指す経営基盤の強化の柱とした。また、システム上のポイントとして、最新技術の採用による運用管理コストを掛けないシステムを目指した。
   
【2】 概要
  システム構成は(1)店舗システム(POS)、(2)ネットワーク(NTTフレッツグループ)、(3)本部サーバ(リアルタイム集計、PLU、AP管理)からなる。

(1)POSシステム
・POS導入による運用負荷を最低限に抑える本部集中型システムを構築本部側でAP、マスタなどを管理/更新することで即座に店舗POSに反映
・ストコンレスシステムの実現によるローコストなシステム構成(本部サーバと1対1通信 )
・ネットワーク障害などあらゆるリスクを回避できるローカル処理機能を装備
(オフライン、オンライン自動切換え、ローカルAP/ローカルマスタの装備など)
・多様な販売形態への対応(販売停止チェック、複数商品販売チェック、客注入力など)
・リアルタイム性の追求(トラン/ジャーナルデータのリアル送信と本部でのリアル集計、本部PLU照会の実現)
・本部とのコミュニケーション基盤としての活用(本部通達など)

(2)ネットワーク
・常時接続、高速、高セキュリティで且つ低価格なネットワークの採用。NTTフレッツオフィスワイド(店舗回線にADSLを採用)を利用し、閉域性/高速性とローコストの両立を図った。またNTT東西間と本部サーバ間を高速イーサで接続し全店ネットワークを集約した。

(3)本部サーバ
・商品マスタ10万件、1000端末からの問い合わせに対応可能なWebテクノロジーの採用。
・POSトランザクション/ジャーナルのリアルタイム収集と販売情報/在庫情報のリアル更新。
・地域特性や店舗業態変化に対応可能な柔軟性の高い店舗別AP、マスタ管理とリアルタイムでのAP配信管理機能。
   
【3】 キーポイント
  (1)1000端末からリアルタイム処理が可能な通信基盤のミドルウエアの開発
本部APサーバにWebLogicを採用、POS側には本部APサーバとネットワークの状態を常時監視し以下の要件を満たせるミドルウエアを独自開発した。
・本部PLUレスポンス(ネットワーク遅延含む)の200ms以内を実現
・ネットワークの状態(高負荷、回線障害)を自動識別し、オフライン処理への自動切替とネットワーク状態が正常に戻った際の本部処理への自動復旧機能
・本部で更新された情報のPOSでのリアル参照機能
・WebLogicとのプロセス間通信
   
(2)本部集計機能のスケールアウト対応
・将来の店舗増加に対応すべく三層システム構造を採用した。またDBサーバは現時点で最速、高信頼のIA64サーバを採用した。
 
(3)柔軟性の高いAP管理システムの構築
店舗へのAPリアル更新管理と合わせ、店舗単位でのAP反映制御機能を実現し、実験店、新業態などに柔軟且つ迅速に対応でき、本部運用工数の削減を図った。
    
(4)柔軟性の高いアプリケーションの構築
POSAPにはオブジェクト指向型言語「SMALL Talk」を採用しクラス/メソッド単位での独立性を高め将来の業態変化を前提としたプログラム改造の容易性を追求した。またバーチャルマシン上でアプレット及びサーブレットとして動作するため、POSに限らずPDAなどのマルチプラットホーム対応可能なアプリケーションにした。
    
(5)アウトソーシング(本部サーバ運用、保守、コールセンター)
・ POSハード障害通知・回線品質の管理(本部PLUの失敗回数管理)、コールセンターなどを外部委託し、本部要員の運用負荷を抑えた。
   
【4】 評価
  本部集中による不安材料であったPLUレスポンスについてもNWスピードの事前評価、ミドルウエアの事前開発評価などから本番時も当初想定のレスポンスが得られた。従ってインフラについては現時点ではどこにも負けないものになったと考えている。本部サーバの強化により今後1000店舗POS3000台にも対応できると想定している。
 本部系のデータ活用は今後順次運用面での強化を図る。一部で商品管理の効果が出ているが、POSデータを活用することによりロスの把握や納品ロットの見直しなどで品揃え改善、在庫削減に取組んでいきたい。将来は取引先EDIサーバと連携し、リアルタイムに近いデータ開放を行い、セリアオリジナルのDCM(デマンド・チェーン・マネジメント)の構築を目指している。

 < トップ < 特選/要旨

Copyright(c)NEC C&C Systems Users AssociationAll Right Reserved.