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基幹系業務システム稼働環境の再構築
〜サーバ集約によるTCOの削減とリソース運用の効率化〜
PDF(188KB)
 
【1】 背景と目的
 

当社では従来、基幹業務システムはメインフレーム(ACOS4)において稼動させてきたが、10年程前よりユーザの利便性を考慮してC/Sシステムの導入を始め、3年前からはメインフレーム、サーバシステムの2重投資を避けるため全面的なダウンサイジングに着手、16年度には完了する予定である。
しかし、運用環境の大幅な変化に伴って以下のような課題も顕在化してきた。

<1>分散処理、ユーザコンピューティングといった時代の変化もあり、新たにシステム化を図る業務も加わって、サーバ台数は想定以上に増加。これによりサーバの運用費用がメインフレームの運用費用に比較して増加傾向にあった。

<2>個別システム毎にサーバを調達し増強する、複数のDB環境を運用する等、基幹システムのリソース運用が非効率的になってきた。

<3>メインフレームでは整備済みであった災害対策環境(遠隔地バックアップ稼働環境)を、サーバシステムにおいて再構築する必要が生じてきた。
近年、高性能サーバが登場し、こうした課題の克服を検討できる環境が整ってきたため、以下の基本方針に基づき基幹システムの運用環境を再構築し、サーバの集約化を図ることとした。
(1)運用費用の増加抑制を図る。(費用計画比30%減)
(2)単体サーバ群から共通リソース型サーバ群への転換を図る。
(3)サーバシステムにおける災害対策環境の整備を図る。

   
【2】 概要
  大型DBサーバとストレージ装置を導入し、各システムのDBを1台のDBサーバに集約。複数のAPサーバに対してDBサーバ1台の構成に移行した。また、従来3世代のOracleバージョン(Oracle7、8、8i)、2種類の文字コード(EUC、S-JIS)により4つのDB環境を運用していたが、これをOracle7/EUCとOracle8i/S-JISの2環境に統一した。この結果、システム自体の縮退によるものもあるがサーバの集約が進み、平成16年度末には約40台のUNIXサーバを半減させる予定である 。
移行工程概要
<1>平成15年8月:Oracle8i/S-JIS環境移行(経理情報システム、営業情報システム等)
<2>平成15年9月:Oracle8/S-JIS環境移行(人事情報システム)
<3>平成15年11月:Oracle8/S-JIS環境移行(仮設機材管理システム等)
<4>平成16年1月:Oracle7/EUC、Oracle8/EUC環境移行(工事情報システム、経費管理システム等)
   
【3】 キーポイント
 

<1>機器構成
DBサーバにはNX7000/rp8400(12CPU、12GBメモリ)を選定。ディスク装置は増大するデータへの対応とバックアップ等の運用管理の面からストレージ装置(iStrageS2300(容量約3TB))を導入した。
NX7000とiStorageは、転送容量2GBbpsのファイバーチャネルで接続し、データのスループットを高めた。また、システムのレスポンスが悪化しないよう、APサーバとDBサーバ間を1GLANで結び、APとDBの分割がボトルネックにならないよう配慮した。

<2>新しい環境の性能評価
DBサーバのスペック選定時の性能分析を元に、移行の段階毎に負荷状況を分析し、当初想定スペックの確保を確認しながら移行した。

<3>移行計画の作成、プロジェクト工程管理
稼動中のシステムを移行するため、運用状況や開発状況を考慮しながら段階的な移行 工程を作成し、システムやユーザへの影響を最小限にしながら移行を実施した。

   
【4】 評価と今後の課題
  <1>運用費用の抑制が実現
・DBを集約したことにより新規にサーバを導入する際にはAPサーバのみを追加すればよいため、サーバ導入費用が抑制される。
・4種類の開発環境を2種類に統合することができた。
・サーバ総数を減らすことでファームウェアやOSのパッチ更新作業に要する日数を減らすことができた。
・バックアップ等のデータ運用管理を一元化したことでサーバ管理が効率化し、運用 コストの削減につながった。

<2>システム面での改善
・DB環境の統合により基幹システム同士の複雑な連携処理(文字コード変換)が不要になり、スムーズな連携が可能になった。
・運用環境が強化されたことにより、システムのレスポンスや夜間バッチ処理時間等が改善した。特にDISKのI/O性能の向上がDB処理速度の向上に大きく寄与した。

<3>本格的な災害対策環境への準備が完了
・DBを集約したことにより、基幹業務システムの全データを対象とする遠隔地バックアップ環境の構築が容易になった。

<4>今後の課題
・災害対策環境の構築(平成16年度完了予定)
・DBの2世代管理の確立(将来的にOracle8i以降の次世代DB導入を睨み、現環境との並行稼動や次世代環境へのスムーズな移行を視野に入れた準備と運用手法を確立する)

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