全NUAユーザー事例論文:論文パル2004
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文書管理システムの統合と文書コンテンツを足がかりとした業務改革PDF(221KB)
 
【1】 背景と目的
 

大林組では、全社的に利用する文書(通知、書式、マニュアルなど)を扱うシステムとして「Jimnet現場用電子書類閲覧システム」と「部門管理情報登録検索システム」の2種類が存在していた。(以下旧2システムあるいは2システムと呼ぶ。)
前者は工事事務所の事務処理を合理化するためのアプリケーションとして、管理部門と工事事務所間で一覧表や画像イメージなどのOAファイルを集配する目的に開発した。しかし、実装した集配機能が不十分だったため、管理部門が文書コンテンツを登録し、利用部門がそれを参照するという機能のみが利用されてきた。
後者は電子情報に対する社内開示基準を設け、情報のディスクローズを促す目的で開発した。C/S型グループウェアの情報キャビネット機能に保管した社内共有情報を移行して公開したが、文書整理する管理機能や検索結果の一覧表示機能が不十分という指摘を受けていた。
いずれも2000年度にWebシステムとしてリリースされたが、結果的に似通った機能を持つ2システムの存在そのものが利用者の混乱を招くことになった。2システムの運用が徹底されず、位置づけが曖昧だったため、管理部門の一部には両システムに文書を登録させるという二重手間を強いる一方で、一般利用者は両システムのどちらを参照すればよいか分からないという状況が続き、旧2システムの統合は社内から強く要望されていた。
また、パソコンが一人一台というOA環境が定着してITリテラシーが一定水準に達したことで、簡単にOAファイルを複製できるようになって同じような文書を安易に作成しているという状況も見受けられた。管理部門では、品質管理や環境管理という理由で工事事務所に提出を求める文書の数や種類も増加傾向にあり、文書を切り口として業務を見直す時期になっていた。

   
【2】 概要
  旧2システムの文書を移行して統合する新たな文書管理システムでは、管理部門が保有・管理する文書を社員に開示するという前提に立って、管理部門の手間は増えるが、利用者視点に沿った一覧表示を複数用意することで利便性を図ることとした。

イメージ画像


旧2システムと新システムを比較して機能の充足度を○△×の3段階で整理すると以下のようにまとめることができる。

機能概要 Jimnet現場用電子書類閲覧
システム
部門管理情報登録検索
システム
新文書管理
システム
Webアプリケーション
初期認証によるイントラネットユーザが利用
事前登録した管理者が文書ファイル登録
ファイルの差し替えや属性情報の付与/変更
登録部門ごと3段階までのフォルダ保管 ×
元文書表示前にプレビュー画面またはサムネール表示 ×
エンドユーザの利便性向上      
  ・フォルダを階層的に展開表示 ×
  ・付与された属性情報から展開表示 ×
  ・付与された属性情報から検索 ×
  ・既存の全文検索エンジンから検索
  ・システム外部のホームページから連携利用
   
【3】 キーポイント
 

システム構築と同等かそれ以上に、分類整理の方法とそれを維持する運用方法の確立が重要だと判断し、以下のような目標を示した。
・複数の切り口で文書を参照できるように、旧2システムの長所を生かし、短所を解消する
・旧2システムに登録済の文書コンテンツを属性情報と合わせて新システムに移行する
・検索エンジンやプレビュー画面作成ツールのライセンスなどの既存リソースを有効活用する
・属性情報(カテゴリー分けやキーワードのメンテナンスなど)を決める方法論を策定する
・運用方法の確立を図る

これらの目標を実現するためRFPを作成して複数ベンダーに提案を求めた結果、同時期に別プロジェクトとして導入を進めていたグループウェア製品の一機能として組み込む提案を選定した。同提案は、グループウェアのライセンスをそのまま有効活用できること、将来的にも機能改善が継続的に提供されること、などシステムの安定性や拡張性などからも評価でき、イニシャルコストだけでなく、ランニングコストの低減にもつながると考えた。一方、管理部門からメンバーを選定してワーキンググループを構成し、システムの機能だけでなく文書コンテンツの分類整理や運用面の検討を並行して行なった。特に、分類整理をするための属性検討の立ち上げ時には外部のコンサルテーションを受けることとした。

   
【4】 評価
  システムの利用開始は、複数の理由により当初予定に比べて大幅に遅れたが、旧2システムに登録されていた文書13,470件は、10,520件に削除してサービスインすることができた。現時点ではシステム構築およびデータ移行が完了して、文書を起点とした業務の見直しを行うインフラが整備されたに過ぎない。今後は別々の管理部門で重複登録されている文書の統合を図った上で、その必要性を問い業務の見直しを行うことが課題となっている。

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