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Webを活用した財務会計システムの構築 〜Java、UML、オープンソースの利用〜PDF(221KB)
 
【1】 目的・背景
 

自治体における財務会計システムの利用は、1980年代より汎用機・オフコンのシステム、1990年代のはじめには、C/S方式によるシステムが利用されてきた。現在では、C/S方式によるシステムが大部分を占めている。当社(株式会社オーシーシー)においても、C/S方式(VBで開発)による財務会計システムが、多くのユーザに利用されている。
近年、インターネットやWWWの普及などにより、あらゆる分野のビジネスシステムにおいてWebを利用した方式が採用されてきた。官公庁においても電子政府・電子自治体の実現などが掲げられており、インターネットによる住民サービスの向上が期待できる。
このように多くのシステムが、Webブラウザを利用したシステムに移行されてきているが、Webブラウザの機能や操作性の低下のため、基幹業務の分野にはそれほど普及されていない。
しかしながら、財務会計は、各自治体において全庁的に利用される業務であり、出先機関においてもイントラネットの環境で利用されることが多く、クライアントPCの保守管理費、運用費などのコスト削減が期待でき、Web方式によるメリットは、多いと考える。

そこで当社において、
(1)Web化による導入、運用コストの削減
(2)電子決裁によるペーパーレスの実現
(3)グループウェア、文書管理などの他システムとの連携
(4)Java言語を採用し、プラットフォームに依存しないシステム
(5)システムのメンテナンスの容易さ、開発効率の向上を開発の基本方針とし、Web版財務会計システムの開発を行った。

   
【2】 システム概要
  本システムは、財務会計の4つの基本業務(予算編成、執行管理、決算調製、決算統計)から構成されており、執行管理における伝票の決裁を、紙決裁、電子決裁と切替可能にしている。伝票や一覧表などの帳票は、Webブラウザで利用可能なPDF(Acrobat Reader)を利用する。

システムの構成として以下に記述する。
・サーバOS----------Windows2000 Server
・データベース----------Oracle9i
・アプリケーションサーバ----------JRun4.0(Webサーバ:IIS5.0)
・帳票出力サーバ----------SVF for Web/PDF Java Edition
・Java実行環境----------J2SDK1.4.1
・フレームワーク----------Struts 1.1

・Webブラウザ----------IE5.5以上(Acrobat Reader 6.0以上)
   
【3】 キーポイント
 

<1>オブジェクト指向分析・設計の標準表記法であるUMLを採用し、設計・実装の作業間のコミュニケーションをスムーズにする。設計ツールにソースから設計へのリバースが可能なRational Roseを利用することにより設計の修正作業(戻し)を容易にする。

<2>アーキテクチャにMVCモデルを採用する。これにより部品の独立性が高く、再利用が容易になる。またMVCのフレームワークであるオープンソースのStrutsを利用することで、共通部分を開発することなく、システム固有の部分の開発に専念でき開発期間の短縮が行える。

<3>MVCのModelの部分にEJBを採用する。これによりトランザクションの管理をアプリケーションサーバに任せることができるのでシステムで意識することなく開発が行える。

<4>画面構成・遷移を工夫することにより、Webブラウザの操作性の低下をカバーする。ユーザインターフェースの統一を図り、使いやすさ、操作性の向上を行う。操作性向上のため、JavaScriptを利用するが、ブラウザの種類、バージョンにより動作の違いが生ずる。この点は、システムのクライアント動作環境をIE5.5以上と限定することで回避する。

<5>電子決裁システムの利用により、無駄な紙資源を省くことができる。また、他システムとの連携により、業務効率の向上が行える。

   
【4】 評価
  現在、2次開発を完了し、財務会計に関するサブシステムを3次開発より着手する準備段階である。これまでのシステム開発の評価を以下に記述する。

<1>画面構成・遷移を工夫し、ユーザインタフェースの統一を図ることにより、Webブラウザの操作性の低下は、カバーできると考える。ツリー構造のメニューや検索画面は、ユーザにとって理解しやすいと好評を得ている。しかし、JavaScriptの多用で、一画面内のScriptの記述が多くなり、メンテナンス性が低くなりがちである。共通部分の分割を図るなどして、改善していきたい。

<2>MVCフレームワークの利用で部分的に独立した開発、専門の開発は、容易であり、有効である。UMLツールや開発ツール、フレームワークなどを利用し、工期短縮を図ったが、要求分析・設計に時間をかけることができず、結果として、設計変更、修正のため、工数が増加した。今後の作業において、このような重点部分を考慮し、効率よく開発を進めていきたい。


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