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シェアードサービス向け業務システムの開発
〜タイヤ販売会社11社の間接業務一括受託の実現〜
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【1】 背景と目的
 

ファルケンタイヤ株式会社の緊急経営改革の一環として、販売子会社(以下「販社」)業務の合理化を目指し、販社の間接業務を統合することが掲げられた。
それを受けて、全国11販社の間接業務を受託するシェアードサービスを実現するために、ファルケンタイヤ鞄烽ノ新部門を設置することが決定した。

   
【2】 目標
  <1>シェアードサービス対象業務は『経理』と『人事・給与』とし、『経理』は日々の出納から決算及び税務申告とし、『人事・給与』は主に給与計算,採用,社員教育とする。
<2>販社の間接業務担当人員の40%を削減し、営業へシフトする。
<3>間接業務を集約したことによるメリットを最大限に生かし、且つ現場から離れたことによるデメリットを最小限に抑えるための業務プロセスを構築する。
   
【3】 業務システム構築の概要
  各販社の業務担当者、ファルケンタイヤ鰍フ販社管理担当者とシステム担当者による推進プロジェクトを発足し、具体的にシェアードサービス体制のフレームワークを固めていった。
緊急経営改革である以上、即効性も重要な要素であり、半年後には少人数・集中体制での実務に耐え得るシステムの完成が求められた。そこで経理業務については既存システムへの合理化機能のアドオンとし、人事・給与計算業務についてはパッケージソフトを導入することにした。

<1>経理システム
(1)基幹系はACOS4、管理・情報系はWindows2000 + DWH(Redbrick)をプラットホームとした既存の販売管理・財務管理システムがベースである。
(2)今回追加した機能は大別すると、『自動入出金機能』、『手形管理機能』、『仕訳入力補助機能』、『キャンペーン管理機能』の4機能(詳細機能としては12機能)であり、既存機能の改善は『タイヤ外商品在庫管理機能』の1機能である。

<2>人事・給与システム
(1)Notes/Dominoベースのパッケージソフトを選定した。
(2)全販社の勤怠管理、給与計算、年末調整及び人事管理データベース機能を含んだ統合システムである。
   
【4】 キーポイント
  <1>新しい業務プロセスと情報システムの融合
各販社は同一グループ会社ではあるが『経理』・『人事・給与』業務については各販社独自の業務プロセスが定着していたが、それらを一旦御破算にして『一つの業務について各販社を横断的に遂行できること』『伝票入力などの定例業務は可能な限りシステム化し、作業効率と品質を向上させること』を念頭に、給与規定・就業規則・経理規定などの刷新も含めた新業務プロセスを構築していった。

<2>業務担当者の発想による『合理化機能』
このプロジェクトは全国に点在している業務担当者が集まり、直接意見を交わす良い機会にもなった。そこでお互いの案がヒントとなる相乗効果をもたらし、非常に有効な案がまとまった。
例えば、「実務上最も手間の掛かっている『売掛金の消し込み』の仕訳伝票は、銀行から取得した入出金データを基に自動発行可能ではないか。」というような、普段仕事をしながら『できればいいなあ』と漠然と考えていたことが次々と挙げられ、それらが前述の機能につながった。

<3>既存インフラの活用
全国130ヶ所の営業所は全て専用線で結ばれており、すでに『売上』・『仕入』・『財務』などのデータはリアルタイム収集が可能な状態であった。
これを生かし現場から離れたデメリットの克服を狙った。たとえば『勤務実績』は各営業所で本人が日々入力を行い、そのデータを給与計算に反映させた。給与明細は各端末の画面に表示する仕組みを取り入れた。
   
【5】 評価
  以上のプロジェクトによる取組でシェアードサービスを実現し、現在ではその体制が完全に定着している。また、数値目標である間接業務の人員削減は当初の目標である40%削減を達成し、その人員は営業部門へ再配置した。さらに月次決算は5営業日から1日短縮し4営業日で確定が可能となった。これには月次決算時に集中していた在庫評価業務を飛躍的に改善した『タイヤ外商品在庫管理機能』が大きく寄与している。以上の効果は単に販社間接業務を一ヶ所に集約しただけでなく、前述のとおり業務担当者と我々システム担当者が一体となり、シェアードサービスによる合理化の実現に向けて知恵を出し合い、既存システム改造とアドオン機能により早期に目標を達成した結果である。
また、このプロジェクトを通じて、業務担当者とシステム担当者の物理的な距離と精神的な距離がこれまで以上に縮まり、相互からシステム改善の提案が出易い関係になった。これもシェアードサービスによる業務集約の大きな効果といえる。

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