全NUAユーザー事例論文:論文パル2004
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広域イーサネットとインターネットVPNの併用による国内ネットワークの再構築
〜高速化、高品質化、低コスト化の実現〜
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【1】 目的
 

企業競争力を強化するための企業活動を行う上でITツールの活用は必要不可欠な武器となっておりそのITツールはさまざまな場面で活用され、それに伴い企業活動の根幹を成す「ネットワーク基盤」に要求される機能は加速度的に高度化・複雑化してきている。
そのような背景において「企業活動基盤」の確立及び「TCOの削減」を狙いとして今後ますます多様化・進化していくであろうITツールに対して今後3年間実用に耐えうる「ネットワーク基盤」の再構築を行った。

   
【2】 対象範囲
  弊社におけるグローバルネットワークは国内及び海外に大別され国内は更に営業/サービス系(73拠点)と生産事業所系(13拠点)の2面ネットワーク構成となっている。
今回の再構築は国内ネットワーク86拠点を対象範囲とした。
   
【3】 従来のネットワーク構成
  営業/サービス系は1999年4月にFR(Frame Relay)網で構築し回線速度はセンター3拠点がDA1.5Mbps×2回線,その他拠点が64kbps〜256kbps。用途としてはメールやオンラインデータなどのテキストベースが主体であり当時としては十分に業務が回った。
生産事業所系は1999年12月にCADデータの活用によりDA1.5Mbpsを主体とした高速化を行い、同時にデータ回線と音声データ回線の統合によりランニングコストを大幅に削減し更に音声の品質確保のためQos技術を取り入れた。
   
【4】 問題点
  昨今の企業を取り巻く環境の変化に伴い意思決定の迅速化、人員配置の転換による業務のさらなる効率化等が要求されそれを満たすための業務アプリケーションの激増と多様化により現行のネットワーク基盤では限界に達し以下の問題点が顕在化してきた。 
 
・業務アプリケーションの激増と多様化による帯域不足
・冗長化構成になっていないため、障害が発生すると業務が停止
・センター拠点をHUBとしているため、センター拠点にトラフィックが集中
・現行のネットワーク網を単に増速すると割高となる
   
【5】 再構築の基本方針
  現行の問題点を解決するにあたり以下の基本方針を立案
・今後3年間の環境変化やユーザニーズに耐えうる構成
・拠点に分散しているサーバをセンターに集約・統合が可能となる構成
・システムの連続稼動性確保が可能な構成
・ランニングコストの大幅な削減
   
【6】 新ネットワークのキーポイントと効果
  <1>キーポイント
従来、営業/サービス系と生産事業所系の2面でネットワークが構成されていたがアプリケーションの性質の違いにより新構成も1面構成とはせず2面構成を継承し相互に影響を及ぼさない構成とした。
営業/サービス系は広域イーサネット、FTTH、ADSL、ISDN、Ipsec
ベースのインターネットVPNといった各種サービスや技術の最適な選定を行なった。
帯域は最低2Mbpsを確保しセンター3拠点は10Mbpsx2回線の冗長構成とし正常時は20Mbpsで通信を行い一方の回線障害時は他方の10Mbpsの回線で通信を可能とした。
生産事業所系は広域イーサネットのみで構成。 センター3拠点は100Mbpsと10Mbpsの冗長構成で正常時は100Mbps、障害時は10Mbpsで通信を可能とした。また拠点間通信はフルメッシュで行われるので各拠点に帯域制御装置を導入し音声品質を確保した。
 
<2>効果
高速化
営業/サービス系-----64Kbps〜3Mbps ⇒ 2Mbps〜20Mbps(総帯域10倍)
生産事業所系-----256Kbps〜1.5Mbps ⇒ 10Mbps〜100Mbps(総帯域23倍)
高品質化
冗長化構成により業務の中断は発生しない。
低価格化
営業/サービス系-----約60%のコスト削減
生産事業所系-----約30%のコスト削減
営業系サーバの統合・集約化(34台⇒5台)-----約75%のコスト削減
   
【7】 評価
  <1>営業/サービス系
再構築期間中に回線敷設の遅延による移行計画の見直しやインターネットVPNが頻繁にダウンするトラブルが発生し安定するまでに設定パラメータの必要が生じた。

<2>生産事業所系
移行の翌日、一部拠点にて音声通話が出来ない障害が生じた。原因は帯域制御装置にポート番号にて1Mの帯域を割り当てていたが他のアプリケーションとポート番号が競合し1Mの帯域を消費し切ったために通話が不可となった。暫定策として1Mの帯域を10Mに増速して帯域に余裕を持たせた。後日、恒久策としてポート番号による制御を止めてボイスゲートウエィのIPアドレスにて制御を行なった。

上記2点の失敗以外は全て当初の予定通りの日程と狙いとした最大限の効果を生み出す事が出来た。今後の計画としてIP電話やIPベースのTV会議システムを実現し、更に拠点に分散しているメールサーバや基幹サーバをセンターに統合・集約化を行いさらなる運用コストの削減及びセキュリティの向上を実現させたい。


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