ワークフローを利用した購買システム構築による原価低減の実現
(PDF文書,991KB)


1. 背景と目的
当社は福岡県北九州市に本社を置く製造業で、北九州のほか千葉、茨城などで事業を展開している。
長引く景気低迷や主要取引先からのコストダウン要求等への対応が、会社経営の緊急課題となっている中で、従来からの製造部門の合理化・コストダウンだけでなく、間接コスト・購買コストの削減、決裁の迅速化等、経営に関わる総合的コストダウンの更なる強化が必要となってきた。
その一策として、以下の点を目的として購買システムの構築を行った。
1)購入資材費の原価低減
2)原価管理機能の強化
3)購買業務の効率化、迅速化

2.システム概要
本システムは、購買業務の部分はACCESSとオラクルを使用して開発し、電子承認の部分はWeb型ワークフローテンプレートである"FlowLites"を組み合わせて構築した。 またEメール、FAX送信機能には"まいとーくFAX"を使用した。
ハードウェア構成としては、本社にDBサーバーを配置し、更にネットワーク能力を考慮してMetaFrameサーバー上に一部アプリケーションをインストールする方法を採用した。
システムの機能としては下記の流れで購入依頼から納品、検収までを一連管理できるようになっている。
・購入依頼(現場入力、見積もり支援)
・承認(現場〜組織長)
・発注先決定(購買部門入力、見積もり支援)
・承認(購買部門)
・発注(承認済みによる注文書自動FAX)
・納品(現場)
・検収(現場〜購買部門)
・承認(現場〜組織長)
・月締めで業者と取引内容の確認(検収明細書自動Eメール、自動FAX)
・支払システムへ引き渡し
また、過去の取引内容について検索が可能となっている。
現場の購買業務の部分は、ネットワーク能力を考慮してオフラインになっており、任意に本社のDBに接続して情報の同期化を行う方式になっている。 承認についてはイントラネットを利用したWeb方式となっている。

3.キーポイント
1)開発体制、導入スケジュール
各部門のスリム化が進んでおり、システムの開発に当たってプロジェクトを組む余裕がなかった事と、部署による購入体制の違いが大きかったため、全社一斉導入はせず、以下のような段階を追って導入を進めた。
・第1期、システムの要件検証を兼ねたローカルシステムで実施
仕様検討開発(1998年10月〜1999年 2月)
本番稼動 (1999年 3月〜2000年 1月)
・第2期、北九州地区19個所に対象を広げ集中購買方式の実施
仕様検討開発(1999年10月〜2000年 1月)
本番稼動 (2000年 1月〜2001年10月)
・第3期、全社に対象を広げ電子承認とペーパーレス、購買組織の変更を実施
仕様検討開発(2001年 4月〜2001年10月)
本番稼動 (2001年11月)
2)開発コスト、運用コストの削減
第3期の電子承認システムについては、"FlowLites"を利用する事によって大幅に開発工数と開発期間を削減する事に成功した。 (開発期間 当初予定2ヶ月 ⇒⇒ 実績2週間)
またリアルタイム処理にはMetaFrameを利用しオフラインシステムとの融合により、高速回線に切り替える事なく運用が可能となっている。現在もISDN64K、フレームリレー128K、64Kで運用。

4.評価
第1期のローカルシステムからスタートし全社システムへ拡大してきたが、これまで立ち上がり時や、切替え時の混乱も殆どなく順調に導入する事ができた。
本番稼動から既に1年以上が経ち、当初の目的通り以下の効果を上げている。
1)購入資材費の原価低減
・業者との単価契約が進み、また適正に行えるようになった。
(単価契約品について5%のダウン)
・購買部門の積極的な関与が可能になった。
・購入時に広範囲に過去の実績をチェックするようになった。
2)原価管理機能の強化
・誰もが情報を自由に取り出して自分用の管理資料を作成出来るようになった。
・購入依頼の入力段階から直ぐに情報としての利用が可能になった。
3)購買業務の効率化、迅速化
・購買要員の50%削減
・電子決裁の実現により、購入依頼から発注までのリードタイム短縮化
・月締め業務の日程の早期化と自動化
今後は、インフラの変化等に合わせて機能強化を図る予定である。