院内ネットを利用したインシデント(ヒアリ・ハット)報告
(PDF文書,795KB)


1、 目的・背景
 2002年厚生労働省より医療事故防止に関する指針によって医療事故報告制度の確立を義務づけられ、船橋整形外科グループである、船橋整形外科・西船クリニック・フェルマータ船橋の3施設における医療・介護のインシデント(ヒアリ・ハット)報告を一元的に把握・対応できるシステムを院内ネットにて構築した。
インシデント(ヒアリ・ハット)報告は医療事故には至らないが、その予兆となる事象を多数吸収する事により、事前に予防対策を構築する事、また、事象に対して早急な対応を施す事が最も重要である。しかし、アナログ(紙ベース)にての報告では、報告が少ない・対策に時間がかかる等様々な課題があったが、これらを改善し、報告し易い環境を整備した。

2、 概要
院内グループウェアをポータルサイトとして活用する事により、院内のどこからでもアクセス可能な環境を整備した。
データベース:ファイルメーカーPro 5.0Jv3  Web コンパニオン/カスタムWeb使用
また、次の点を考慮し作成を行なった。
・ 記入しやすい環境の整備(始末書的なイメージを払拭)
・ 報告された内容をどこからでも閲覧が可能にする。(情報の共有化)
・ 過去検索、分類検索が可能にする。(データ分析)
・ 事象の早期把握を可能にする。(早期対応)

3、キーポイント
リスクマネジメントとして重要な、多数のインシデント報告を集める事を優先し環境の整備を行なった。
(簡便な報告)
・ 記入し易い、フォーマットの作成
・ 院内ネットを利用する事で、容易に事象報告が可能
・ ニックネームによる報告
・ 報告変更が可能
(事象の把握)
・ 報告する事により、同時に各部門責任者・リスクマネージャーにメール配信
・ 他施設の事象も把握可能
(早急な対応)
・ 同時にメール報告を受ける事により、早期に対応が可能
・ 1次報告(事象報告)・2次報告(事象対策)・3次報告(事象後評価)を経時的に報告を発信
(情報の共有化)
・事象の一連の経過が閲覧可能
・全職員が、過去に起こった事象を閲覧可能
 (統計管理)
・ 事象データ―ベースの検索により統計・分析が容易
・ キーワード検索が可能
(業務の効率化)
・リスクマネージャー業務負担の軽減

3、評価・課題
インシデント(ヒアリ・ハット)報告は、職員の中に始末書的なイメージが強く、報告されない、遅れるなど課題が多く指摘されていたが、Webにて展開する事により、全員参加型の組織が構築され、部門間のコミュニケーションが活発化した。また以前には報告されていないレベルの低い事象が多数発信され、職員のリスク意識【医療事故0】高揚に効果が見られた。 今後、医療にリスクマネジメントの重要性を全職員に共有できる医療事故情報コーナー・事象レベルに対応した対策・評価が行なえるシステムの作成が必要と考える。