社内メンタルヘルス教育のe−learning化
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a)目的
平成12年、NUA「人材育成研究会」に参加しe−learningを学び、社内研修の効率化、コスト削減等の観点でのe−learningの有用性を実感。
また、時を同じくして衛生委員会として社内のメンタルヘルス教育の充実を検討。
支店、営業所など遠隔地でのメンタルヘルス教育をどのように展開していくか。
業務の関係で研修に参加できなかった社員へのフォローの方法。
企画型裁量労働制の導入もあり、産業医による全社員問診等、メンタルヘルス教育の充実が必要となっていた。

b)概要
顧問臨床心理士および顧問産業医と相談を重ね、当方の趣旨を説明するとともに教材コンテンツの中身について相談。
主に次の4点をシステムに求める機能として開発。
1.通常の集合研修で話されている内容をe−learningコンテンツ化。
e−learningの特徴の1つでもある音声・アニメーション・画像等を用いたマルチメディアコンテンツの作成を目指す。
2.毎年1回、紙ベースで行っているストレスチェックについてもWEB化。1年365日24時間自己チェックができるようにシステム化。
3.ストレス耐性を高める試みとして、「腹式呼吸」、「ストレッチ」などの体操映像をコンテンツ化。また、目からだけでなく耳からのストレス耐性向上の試みとして「サブリミナル音楽」も取り入れた。
4.ストレスが高まっている場合に気軽に専門家に相談ができるようにWEBメールによる臨床心理士との相談の場の提供。

c)キーポイント
1.通常の研修とは異なり健康管理の一環であることを認識してもらうため、出来るだけ教育的な色合いの薄いイメージのシステムにしたかった。そのため通常のe-learningシステムにあるような管理的なシステムは一切排除した。受講者の進捗状況の管理や理解度テストのような内容は盛り込まないことを基本的なコンセプトして設定した。
また、メンタルヘルス教育に関する部分は、アニメーションとナレーションを多用し、学習者にとって馴染みやすいコンテンツとなることを意識した。特にアニメーションはソフトな印象を与えるようデザインに気を配った。
2. 従事する業務の種類や性別、年齢、各人のライフステージによりストレスの原因となるストレッサーは異なるという臨床心理士の意見に従い、ストレスチェックテストも複数の種類を用意した。
当社の社員の7割強を占めるシステムエンジニア向けのストレスチェックのほか、中高年向けのテクノストレスチェック、女性向の美容診断などを準備した。
3.進化するシステム

d)評価
前述したようにアニメーションとナレーションを多用したため、システムの配布媒体はCD-ROMとなった。地方営業所や社員の自宅の通信環境を考慮した結果、ナローバンドに対応するためには、インターネットによる配信は技術的に難しいと判断した。
一方、当社の就業規則や健康保険組合、相談窓口の変更に対応するためにシステムの一部はインターネット対応としたため、結果的にはCD-ROMとインターネットの2つに対応できる環境を必要とするシステムとなってしまった。
当社社員の大半が自宅にもPCおよびインターネット環境を備えているため大きな問題とはならなかったが、今後グループ会社等で利用するためにはCD-ROMへの一本化もしくはインターネットによる配信に対処できるようなカスタマイズが必要になってくるものと思われる。
また、カウンセリングについても、TV会議システムなどの新技術への適応が必要となってくるものと考える。
いずれにしろ、現時点では全社員にメンタルヘルス教育を実施できる環境を整えることができ、さらに一年中必要なときにストレス診断が受けられる環境が出来たことは、セルフケアによるストレスケアの向上という点においては十分な効果をあげることが出来たものと考える。
また、e-mailカウンセリングにより社員のプライバシーに配慮したカウンセリング環境を準備できた点も社員からは高い評価を得ることができた。