コンピュータリテラシ教育システムの開発
CBT方式からWBT方式への移行

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1.はじめに
生産工学部におけるコンピュータ教育は、早い時期から注目し1991年から「コンピュータサイエンス」という科目名で、全学科共通の必修科目として実施してきた。しかし、当時、教育効果は、種々の要因から必ずしも満足のいく状態にはなかった。その後,1998年にカリキュラム変更が行われ、科目名も「コンピュータ基礎演習」と変わり、教育用のコンピュータをリプレースするとともに、教育の方法はCBT方式によって教材を開発し実施してきた(平成10年度 C&Cユーザフォーラムにて報告)。さらに、平成14年度のカリキュラム変更にともない、教育方法をCBT方式からWBT方式へ移行するとともに教育用のパソコン260台のリプレースを実施した。
そこで本報告は、「コンピュータ基礎演習」のためのWBT方式による教材開発の作業を通じて、システムの開発についていくつかの知見を得たので、以下にその概要を述べる。

2.新システムへの背景と目的
これまで行ってきたCBT(Computer Based Training)方式は、次のことを目的としてきた。
1.「コンピュータの基礎知識」の習得と、そのリテラシーの徹底
2.担当者による教育内容の不均一の解消
3. 教育効率の改善による教育密度の向上
4.集合教育における多人数の受講者への自学自習形式の適用
5.コンピュータを利用した新しい教育形態の実施
そして、その内容は、工学系学部の低学年におけるコンピュータリテラシ教育に徹した。これは、学部としてのスキルの標準化がねらいである。その時の、教育形態は、集合形式による講義とパソコンを利用した自学自習する形態である、CBT方式を採用した。
しかし、おおむね目的は達したものの、指導教員の下で多人数の学習者(総受講者数1500名1クラス75名)が集合形式のため、講義内容の説明とコンサルテーションに時間が費やされ目標管理が困難であることが判明した。さらに、学習者の進捗管理が、課題の提出確認だけで行われることにあった。また、演習担当者は、当初の計画より負担軽減が十分でない。パソコンが90台のためローテーションが複雑になり、7学科20クラス編成で20名の担当者を必要とした。
そこで、当学部では、平成14年のカリキュラム変更にともない、パソコンのリプレースとともに学習方式をWBT方式へ移行することを検討し決定した。新カリキュラムでは、現行システムの見直しから始めた。まず、演習時間が半期15コマ(週1コマ90分)では、学習内容(シラバス)の消化ができないため、演習時間をこれまでの2倍の半期30コマ(週2コマ180分)へ増加した。また、パソコンは、1教室PC90台から、1教室PC65台(含む教員機)を4教室パソコン合計260台へ増設し、教員機を除く4教室256台を同時運用可能とした。

3.新システムの概要
WBT(Web Based Training)方式とは、インターネットまたはイントラネットを利用した、Webによる自己学習方式である。その特徴は、双方向性があり、多人数の学習者個々における学習履歴の管理が可能である。
当学部におけるWBT方式の運用は、集合形式で演習室のパソコンをイントラネットで利用して「コンピュータ基礎演習」について学習する。その時対象学生は、全学科(7学科)必修1年生約1500名で、科目名は「コンピュータ基礎演習」週2コマ(90分×2コマ)半期の設置である。
WBT方式導入の目的は、つぎのとおりである。
1.「コンピュータ基礎知識」の習得と、そのリテラシの徹底
2.多人数学習者の目標管理と学習進度の履歴管理
3.演習担当者の負担軽減
4.演習担当者数の削減
5.コンピュータを利用した新しい教育形態の実施
システム的には、4教室260台(1教室65台)へ増設し、同時運用可能である。したがって、1学科が全員同時に学習することを可能とした。各パソコンは、すべてが学部基幹LANに接続し、インターネットへのアクセスが可能である(スタンドアロンではない)。なお、学部としてのキャンパスは、2つあるが、学内(学生、教職員7000名)のID,PWは一元管理されており、移動プロファイルが利用できる。

4.新システムの評価
システム構築において苦労した点、運用上の評価については、14年4月運用のため「本文」に収録する。

5.おわりに
WBT方式は、文部科学省が単位認定を認めたことなどから、バーチャルユニバーシティなど、さらに拡張性を持った可能性が、将来への発展などおおいに期待される。