『イメージスキャナ』を利用したデータエントリシステムの構築
(PDF文書,612KB)


【要旨】

1.目的
弊社において、年間700万件以上におよぶ保険申込書入力業務の改善は、中期経営計画『SKYプラン』における事務改革の最大の課題であった。そこで、現行のOCR入力システムを刷新し、新イメージOCRシステム(以下、新入力システム)の導入を決定した。新入力システムでは、完全バックオフィス化・集中化による効率化と処理能力の向上(集中入力センタの構築による営業課支社における入力事務負担の軽減)、申込書改革の実現(より‘わかりやすい申込書’への移行)、新商品・商品改定の迅速化(帳票改訂の迅速化)、物流コストの削減(申込書のイメージデータ化)を目指す。

2.システム概要
新入力システムは 課支社・集中センターシステム、ホスト転送・計上システムに大別できる。
(1)課支社・集中センターシステム
各営業課支社に配備されたスキャナで申込書をイメージ読み取りし、2個所に設けられた集中入力センターへ送信する。集中入力センターでは、全課支社分のイメージデータ集中して受付け、一括してOCR処理・入力業務を行いホスト計上システムへデータ転送を行う。
(2)ホスト転送・計上システム
ホスト転送データをホスト計上システムに計上するため、NEC社NX7000をホスト転送サーバとして起用(2機)。ホスト(ACOS6)とのインターフェイスに共有DISKを導入し、ホスト計上システムとミッションクリティカル性の高い連携を実現した。

3.ポイント
要件の実現にあたり、ハードのオープン化・既存ホストシステム資産の活用により、短期間・低コストな開発で高い安定性・拡張性のあるシステム構築を目指した。
(1)申込書エントリシステムを既存パッケージソフト導入により構築
OCRを含めたエントリーシステムの構築に、実績のあるパッケージソフト(TIS社:FormCATCHER)の導入を決定し、開発コストの削減を図ると同時に以下の要件の実現が可能となった。
@サイズ・カラー等、帳票設計の自由度が格段に向上し、わかりやすい申込書の設計 が可能となった。
A同ソフトのフォームアウト機能により効率的なイメージ転送処理が可能となった。その結果、エントリー業務の集中化、営業課支社でのエントリー業務の大幅削減が実現された。
BWindowsベースのソフトウエアのため、GUI環境での開発が可能となり、帳票設計作業自体の生産性向上につながった。
(2)ネットワーク配信の実現
従来申込書改訂があった場合、営業課支社への帳票デリバリーはFDで行っていたため、FD作成コスト、FD物理コピー作業ロードが迅速な帳票展開の妨げとなっていた。(年間5〜6回程度のデリバリー)
これに対し、新入力システムでは集中化による営業課支社システムのスリム化、及びネットワーク自動配信ツール導入により、フレキシブルな帳票改訂・デリバリーが可能となった。(月間2回のデリバリーを実現)
(3)イメージ読取スキャナの使用
イメージ読取のためのスキャナはNEC社による新規開発。新入力システムにおいては、イメージデータ化された申込書から入力業務を行うため、高い品質・精度と信頼性が求められた。従来と異なり、OCR認識をH/WからS/Wに移行することによりスキャナ機器としての拡張性、及びH/Wの低コスト化が実現された。
(4)ホストシステムとの連携
申込書の計上処理は、データ一元化・開発ロードの観点からホスト計上システムのビジネスロジックに乗せることに決定。申込書計上に関しては、高い信頼性と安定性、大量データの迅速な(リアルタイム)処理が求められるため、共有DISKのファイル共有機能を利用してホストシステムとの連携を実現した。また、トランザクションの接続にはホストアプリケーション側(新規にトランザクション処理を開発)で対応した。

4.計画
平成11年7月より要件定義に着手。外部設計を10月までに終了、11月から開発に着手し、実質3ヶ月で完成。3月の終わりから一部課支社(7拠点)にて試行展開。平成12年6月より約230拠点に順次拡大。(平成12年中)また、2次開発以降においてイメージファイリングによる申込書保管業務の効率化等、イメージデータを利用したオープンシステムの開発も検討中である。

5.評価
現在試行段階であり、全体の成果を評価するまでには至っていない。現時点では、試行営業課支社において申込書エントリー業務の簡素化、また、申込書設計やOCR開発等の帳票改訂面においては、工期の短縮など早くもその効果が現われはじめている。6月以降本格稼働において、デイリー基幹業務としてのシステム安定性、エントリー業務集中化による効率化の評価を行っていく。