公共・自治体におけるパッケージシステム導入事例
(PDF文書,491KB)


【要旨】

a.目的
公共・自治体における、パッケージ導入の事例をもとに、導入計画の事前打合せから導入作業〜本番稼動までの問題点、及び導入過程での工数削減へのアプローチと改善、評価・導入作業全般で得られたノウハウなどを発表のテーマとする。
事例として、~11年度 住民情報システム・税業務システム全般のパッケージシステム導入背景を、~9年度、同パッケージシステムが開発初期段階に導入した事例との比較を行い、パッケージシステム導入の問題・改善工夫を、導入フェーズ別にまとめ紹介する。

b.概要
1.導入事例パッケージシステム
『総合行政 住民情報システム COKAS−N』
自治体 住民記録窓口システムを核に、住民情報をインターフェースにした、国民年金・国民健康保険の事務処理をシステム化。又、税務窓口業務である、住民税・固定資産税・国民健康保険税・軽自動車税・法人税の賦課業務と税徴収収納事務をシステム化した総合パッケージである。行政の住民窓口の基幹となる転入・転出・出生の受理及び住民票、印鑑証明等の証明書交付事務等をカバーする、行政システムの中心的業務でもある。
2.導入フェーズ
パッケージ販売の性格上、システムに関する詳細の仕様が不明確な段階での導入事前ユーザ打合せの背景。
導入作業での事務処理とシステムのすり合わせ〜システム変更いたるユーザ打合せから、実施作業過程において、初回システム導入時と、システム導入実績を得た今回システム導入での対応・改善工夫・実施工数の相違と対ユーザ様への提案型導入作業への変化をまとめる。
2−1.導入事前打合せ
導入先自治体の統括窓口との事前打合せの背景及び打合せ経過。所管窓口とのパッケージシステムの機能打合せ及び現状業務での問題点・システムの仕様の確認〜問題点指摘の対応・対策。
2−2.導入作業〜検収・確認
パッケージシステムの導入作業の現状及び所管窓口でのシステム検収・確認作業における、問題点・改善工夫と所感。
2−3.本番推移
事務業務別のサブシステム毎に、本番推移時期を分割してのシステム本番時期の様子。又、稼動後の問題点指摘・対応等の現状及び対応処置。
2−4.システム導入・稼動における評価システム導入後のユーザ評価及び経験を重ねた事での効果。導入経過での得られたノウハウ・経験等を踏まえた反省点・改善等方針。

c.キーポイント
1.パッケージシステムのシステム仕様のブラックボックス
パッケージシステムの適用作業にて、自己設計〜開発のシステム導入との違いとなる、システム仕様のブラックボックスの問題。機能仕様不明確な段階でのユーザ打合せと適用実績の有無による導入形態の違い(改善)を比較し紹介する。
2.パッケージシステムのシステム規模・地域における導入ユーザの問題点。
パッケージシステム開発時のモデル地域・規模と、導入ユーザ適用での規模・実務の相違からくる問題点又、地域的相違からなるシステム仕様の変更過程を紹介する。
3.自治体(行政)業務のパッケージシステム導入の諸問題
自治体(行政)業務独特の事務システム化で発生が想定される問題点と、システム化されたパッケージシステムの評価すべき点と、ユーザ評価を合わせた所感を紹介。

d.計画
パッケージシステムのメーカリリース時期とユーザ導入時期
・パッケージシステム開発リリース時期 平成8年4月リリース
(オープン系システムとして既存汎用機・オフコン系の推移システムとしてリリース)
・当社、初回パッケージシステム適用 平成8年度5月〜平成9年度7月
(新パッケージシステムのリリースとほぼ同時期でのユーザ適用作業となる。パッケージとしての整備の問題と自社導入実績経験不足からなる思考錯誤期)
・同パッケージシステムの今回導入事例 平成10年7月〜平成11年7月
(導入実績を踏まえパッケージ導入の性格と導入での改善・工夫を踏まえた導入作業となる)

e.評価
今回紹介する導入事例システムである行政システム全般の自己設計〜開発を想定した場合、開発に要する期間・コストの問題。又、公共・自治体の体質として、法に基づく基幹事務作業を根底に行っている性格上、その法の改正から発生するシステムへの変更〜対応で要する、時間・コストの問題を考慮すると、導入自治体の規模にもよるが、パッケージシステムの導入が効果的であるのは明確である。
パッケージとなるシステムの機能仕様が不明確な時期の依存型システム導入から、導入実績を重ねる事にて、導入前の提案段階から導入による成果評価を含む提案と、問題となり得る事前の確認〜了解・改善を踏まえた提案型のパッケージ適用作業となった過程は、今後を期待できる評価となる。
又、現在での反省点や改善すべき問題点として、事前の客先での事務作業問題キーポイントの把握と、導入適用での効果が、ユーザ先での期待評価を満足するレベルへ達したかを、目標に進めていきたいと考える。