ERPパッケージ"Avalon"を活用した生産管理システム再構築
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【要旨】

1.背景
当社は固締まり体質を狙った人員規模の縮小、上場の近代化と業務改革による生産性向上、など’95年から一次、二次構造改革プロジェクトを展開してきた。
当論文はそのプロジェクトに於いて経営資源の効率的運用を狙った“生産管理システム再構築"への取り組みを述べたものである。

2.概要
改革の狙いは、経営資源を3年以内に25%以上効率化し、その後も維持できるものにする事であった。
従って、生産方式、業務運用、コンピュータシステム、システム開発に対し次の事を取り組みの課題とした

1)ホスト主体から、ローカル/リアルタイム処理主体のライトサイジングにする事
2)情報共有とEUC拡大による情報活用基盤整備をする事
3)ERP-PKGの適用で、外部資産の導人、開発期間・費用削減を図る事
4)ホストとPKGシステムを社内と外部システムインテグレータで協業する事
5)システムは24時間稼働、自動運転できる事
6)量産型MRPから、顧客注文で生産できるシステムにする事
7)10年の開発規模を5年以内に開発する事

これら課題の実現には、技術、知識、進め方など、世の中にほとんど事例のない事を実践する必要がありシステム設計する事、トップの了解を得る事、PKGでの業務について関連部門の理解と了解を得る事、など多大な時間と苦労があった。

ホストシステムにデータベースを統合、プロセスを分散する為の機能の切り分け、ホスト/ローカル間インタフェースの取り方、伝送手段、或いは24時間無人運転の為のジョブスケジューリングと技術にも苦労した。また、約千に及ぶホストシステムを一挙に改革する事は現実的で無い為、業務の流れに添って前工程から順次改革する事にし、関連システムの移行およびPKGの切り出しも、その新旧の繋ぎに要すインタフェースを必要悪と考え、新旧混在システムでも支障無く業務遂行できる様、開発・導入・定着の負荷を適正に平準化し、テストと教育にも十分な時間を掛けた。

ERP-PKG“AVALON・高速MRP"によりホストの生産管理基幹システムをC/Sにダウンサイジングした」明快な事であるが、この新しいシステム開発は、社内外関係者の理解・協力、アイデア創出慎重な判断、粘り強い取り組みによって実現できた。

3.キーポイント
幾つかの重要な機能、性能をクリアすれば他はPKGに合わせた業務にする事を基本方針とした。

1)PKGの選択
@統合システムである事、AMRP/製番の併用システムである事、BMRPが高速である事、CC/S環境で稼働する事、D最新PG技術で開発されている事、EY2Kに対応している事。
約20種から書類、実機テストでこれらをクリアした“AVALON・高速MRP"を選択した。
2)PKGの活用
PKGペンダの多くは改革業務システムを設計し、それにPKGを当てはめるといった従来の手続き型に近い開発の考え方であったが、当プロジェクトは取細課題にある様に、ERP-PKGを業務と開発に有効に使い、改革を効率的に進めたいと考えていた。
その為、PKGでの業務マニュアルが予め用意されている事が重要であった。しかし、業務機能が標準的に分かるPKGは一点もなく、選択したAVALON・高速MRPも業務説明には不足があった。
そこで、PKG機能の説明を受けながらビジネスモデルの再構築の姿を描き、PKG機能を活かす、カスタマイズする、などシステム仕様を固めていった。
この作業には、従来システムと業務の理解、PKG機能の理解が必要であり、知識・経験と創造が要求された。

4.計画
1)開発体制 :業務部門4名、ホストシステム開発部門9名、SI企業6名。
2)改革システム:95年 1月〜96年12月 生産基礎情報システム、部品手配計算システム
海外部品供給システム
97年 1月〜98年 9月 技術基礎情報システム、購買基礎情報システム
購買注文情報システム、工程管理情報システム
原価管理システム
98年10月〜99年 3月 輸入品手配システム

5.評価および今後の展開
開発工数50%、コンピュータ運営費30%、業務運営費10%、在庫10%を削減、目標を大きくクリアすると同時に、時代を先取りした開発資産の拡充とメンバーの自信に繋がる開発であったと考える。

今後の展開は、システムの安定稼働・発展の為に、サーバ機5台を1台のローカルホストに集約するか、または最新技術の機械に載せかえる。また、C/Sでのクライアント数の限界を解消の為に、参照系ではWebコンビューテイングの研究と推進が必要と考えている。

更に、J IT資材調達を加速する為、取引先と情報共有するEDIのWeb化に着手し、EBWeb-P
KGで6カ月の開発期間で`00年4月導入予定であるCシステムは生き物、サプライチェンマネジメントを学びながら、ローカルで取引先と協業できる様、生産管理システムの更なる発展を目指す。

キーワード:
ERPパッケージ 高速MRP C/S 情報共有基盤整備 EUC ビジネスモデル再構築 Webコンビューテイング サブライチェーンプランニング