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林エバンジェリストが語る 最新技術動向

林エバンジェリストの顔写真

エバンジェリストの林です。

今回は、「ホームコントロール」を取り上げてみます。様々な家電にネットワーク機能が入り込んでくることにより、外出先から自宅の家電を制御したり、モニタリングしたりといったことが可能になってきています。

これにより、外出先からTV番組の予約録画、空調の制御に加えて、防犯や見守り(高齢者、子供、ペットなど)といったことが、近年急激に注目が集まっているIoT(Internet of Things)との相乗効果により、簡便なシステムで実現できます。ただし、セキュリティを担保しておかないと、外部から宅内の家電をいたずらされたり、最悪、窃盗や火災の被害につながる可能性もあります。また、各家電メーカの独自規格では、様々なメーカの家電が混在する家庭では利用が難しく、標準化も必要になります。

今回は、この「ホームコントロール」に焦点を当て、どのような技術が利用され、どの様な利用が考えられるのか等の最新動向をご紹介します。

第29回 ホームコントロール

「ホームコントロール」とは、宅内やオフィス等のさまざまな機器をネットワーク化することにより、一元的に監視・制御・管理ができるようにすることであり、一般的には、宅内の様々な家電を外出先からコントロールすることに代表されます。

これにより、外出先からのTV番組の予約録画、空調の制御に加えて、防犯や見守り(高齢者、子供、ペットなど)といったことが、近年急激に注目が集まっているIoT(Internet of Things)との相乗効果により、簡便なシステムで実現できるようになります。

ホームコントロールを実現するためのネットワークを大きく分類すると、情報系、AV系、生活家電系の3つに分かれ、それぞれで様々なネットワークの利用が進んでいます。代表的なものは、IEEE802.11(無線LAN:Wi-Fi)やBluetooth、IrDA(赤外線)などになります。

一方、これらのネットワークにつなげる端末側(家電)は、情報家電といった名称で呼ばれており、通信機能(≒インターネット機能)を搭載し、様々な情報(主に家事情報)を送受信することが可能な家電になります。(インター)ネット家電という名称でも呼ばれています。

情報家電の利用イメージは、下図のように、インターネットに接続することにより、外部から様々な情報を提供するサービスを行ったり、自分のスマートフォンや携帯電話からホームサーバを経由して制御したりするというものです。

ここで出てくるホームサーバは、情報家電で司令塔の役割を担う中核装置のことであり、家電、情報機器を一括して制御し、外部と家庭をつなぐ窓口となります。したがって映像や音楽など様々なデータを蓄積・配信する機能などを保有している必要があります。しかし、具体的な製品仕様が決まっているわけではなく、パソコン、ブロードバンドルータ、DVDレコーダ、STBなどがホームサーバの候補となっています。

実際にリモートで遠隔からアクセスする方式は、いくつか考えられています。一つは、コマンドメール方式と呼ばれる方式で、メールを利用して宅内の各家電にコマンドを送る方式です。メールを送る方式は、既に世の中で広く定着しており、家電側にメールを利用して送られたコマンドを解釈実行できるような仕組みを組み込めばよく、比較的簡単に実現できます。もう一つの方法は、VPN+Webサーバ方式です。セキュリティは一定の水準で確保可能な反面、Webサーバを立ち上げる必要があり、アクセスする端末側にもVPN等の専用ソフトウェアが必要となります。

また、ホームコントロールにおいて非常に重要な点は、セキュリティの担保になります。昨今のIoTと同じく、セキュリティを担保しておかないと、外部から侵入されることにより、宅内の家電をいたずらされるなどの可能性があります。最悪、窃盗や火災といった大きな被害につながる可能性もあります。したがって、どのようにセキュリティを担保するかは、ホームコントロールにおいては非常に重要なポイントとなります。一般的な、ファイヤーウォールはもちろんのこと、ID、パスワードによるアクセス制御、暗号化による盗聴や改ざんを防ぐ必要もあるでしょう。

もう一つの課題として、標準化があります。各家電メーカが独自規格を作っていたのでは、様々なメーカの家電が混在する家庭では利用が進まないからです。デファクトスタンダード(有力なメーカが独自規格を公開し、様々なメーカがこれに追随する形で標準化が進む)になるか、デジュールスタンダード(標準化団体やコンソーシアムで標準規格を決めて、公開する)になるかは別として、標準化が進むことにより、各家電メーカが広く統一したホームコントロール仕様を採用することにより、利用促進につながると考えられます。

「ホームコントロール」の実現が見え始めたのは、2000年ごろからで、JEITA(一般社団法人電子情報技術産業協:JEITA: Japan Electronics and Information Technology Industries Association)などでも電脳住宅といった名称のホームコントロールを全面的に採用した住宅の実験などが行われていました。これが世の中に広まれば、固有の目的(たとえばTV番組の外出先からの録画のみに特化したもの)に応じた様々なホームコントロールが有機的に結合されるようになり、さらに便利な世の中に進化していくことでしょう。これからのホームコントロールの進化に期待が寄せられています。


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