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林エバンジェリストが語る 最新技術動向

林エバンジェリストの顔写真

エバンジェリストの林です。

今回は、4月から始まった電力小売り自由化に伴って設置が始まっている「スマートメータ」を取り上げてみます。

スマートメータは、毎月の検針業務の自動化やHEMS(Home Energy Management System)等を通じた電気使用状況の見える化を可能にする電力量計です。 このスマートメータの導入により、電気料金メニューの多様化や社会全体の省エネルギー化への寄与、電力供給における将来的な設備投資の抑制等が期待されています。現在のアナログメータからの交換作業は、全国で段階的に行われています。

今回は、この「スマートメータ」に焦点を当て、どのような技術が利用され、どの様な利用が考えられるのか等の最新動向をご紹介します。

第28回 スマートメータ

スマートメータは、毎月の検針業務の自動化やHEMS(Home Energy Management System)等を通じた電気使用状況の見える化を可能にする電力量計です。 4月から始まっている電力小売り自由化に伴って、2011年に政府による導入目標が設定され、既存のアナログ電力量計からの取り換え作業が段階的に進んでいます。

このスマートメータの導入により、電気料金メニューの多様化や社会全体の省エネルギー化への寄与、電力供給における将来的な設備投資の抑制等が期待されています。

地区ごとの導入状況を見てみると、2014年春から設置が開始され、東京電力では2020年までに2681万世帯への導入が終了する予定です。その後、2022年までには、中部941万世帯、関西で1251万世帯への導入が終了し、最終的には2024年までに日本の全世帯への導入が終了する予定です。

電力量計が従来のアナログ方式から、スマートメータに変わることにより、電力消費量を自動的に取得することが可能となります。これにより、従来月1回の人手による検針作業が自動化でき、最短30分単位での電力使用量を取得することができるようになります。

新たに導入されるスマートメータを中心として、3つのルート(ネットワーク)があります。スマートメータから住宅内に設置された各電化製品までのルート(Bルートと呼ぶ)、スマートメータから電力会社までのルート(Aルートと呼ぶ)、電力会社から電力小売り事業を行う新規事業者間のルート(Cルートと呼ぶ)の3つのルートです。

このうち、Bルート(スマートメータ-宅内機器間)に関しては、920MHzを利用した特定小電力無線で、Wi-SUN Profile for ECHONET Liteという通信規格が採用されています。この規格は、Wi-SUNアライアンスと呼ばれる団体が規定した国際規格です。

この通信規格により30分ごとの電力利用量が取得でき、このデータを「見える化」することにより、利用者は、どの時間帯にどの機器が、電力消費量が大きいかなどの分析を行うことが可能となります。

また、各機器の時間ごとの消費電力が分かれば、各家庭の電力消費の傾向(たとえば、朝、夕の電力消費量は大きいが、昼間は家族全員が外出しているため、消費電力が小さくなるや、逆に、昼間の消費電力は大きいが、朝、夕は少なくなるといったその家庭固有の傾向)を知ることもできるようになります。

これにより、たとえば、家庭用の蓄電池や太陽光パネルと、系統電力(電力会社から供給される通常の電力)を組み合わせて利用することにより、ピークシフトやピークカット(ロードレべリング)といった系統電力利用の制限による電気料金の削減を行うことも可能となります。

例えば、

1.夜間電力を貯めて電気単価の高い昼間に使う

2.夜間電力を貯めて設定アンペア以上になったら使う

3.太陽電池を貯めて必要なときに使う

4.昼間は太陽電池を使い、朝夕は夜間に蓄電した電力で使う

5.太陽電池で作り出された電力を売り(売電)、ピーク時は夜間に蓄電した電力で使う

といった設定を行うことにより、世帯全体としての電気料金を削減することができます。

電気は、利用に応じた発電を行う必要があり、蓄電池などを利用しなければ貯めておくことができません。人が多く電力を使用する時間帯に自分は利用せず、人があまり電力を使用しない夜中や早朝などに利用(蓄電)するといった使い方を想定しています。

今後、全国へのスマートメータの設置が進めば、電力使用量の「見える化」だけでなく、これを利用した新たなサービスビジネスを展開することが可能となるでしょう。例えば、リアルタイムでの電力使用量を見ることにより各家庭での在宅、不在の確認がリモートで行うことができるでしょう。これを利用すれば、宅配業者などの作業効率を上げることができます。また、高齢者やお子様、ペットの見守りといった用途にも利用することができるでしょう。全家庭への設置が終了する2024年に向けて、新たなネットワークとして導入されるスマートメータを利用した新規ビジネスの展開が期待されます。


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