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林エバンジェリストが語る 最新技術動向

林エバンジェリストの顔写真

エバンジェリストの林です。

今回は、通信に可視光(通常の照明として利用される光)を利用した無線通信技術である「可視光通信」を取り上げてみます。

Wi-Fiに代表される無線LANを利用した通信は、広く普及しています。しかし、その通信媒体に電波を利用する為、セキュリティ上の課題(電波の遮蔽が容易ではない)や、アプリケーションごとに利用できる周波数帯が決まっているため、利用が混雑しているエリアでは、スムーズな通信ができない等の課題があります。そこで考え出されたのが、電波の代わりに可視光(通常の照明に利用する光)を利用するアイデアです。

今回は、この「可視光通信」に焦点を当て、どのような技術で、どこまで利用が進んでいるのか、利用する上でのポイント等の最新動向をご紹介します。

第27回 可視光通信

「可視光通信」は、従来の無線LAN(Wi-Fi)のように、通信媒体に電波を利用するのではなく、通常の照明として利用されている光を利用した無線通信技術です。

通常、我々が照明として利用している光を一定の周期で点滅させ、これを受信端末で受光することにより通信を行うという方式です。もちろん、ここで利用される点滅は、人間が感知できない非常に高速な点滅であり、従来の照明が「ちらつく」ようなことはなく、照明光に違和感を覚えるといったこともありません。

無線LAN等で利用される電波と異なり、光の届く範囲が通信範囲となるため、光を遮る壁の外では繋がらない(遮蔽が容易)といったセキュリティ面でのメリットがあります。また、照明であれば、ほぼ全ての部屋に既に設置されており、通信のための新たなインフラを準備する必要がないなどのメリットもあります。さらに、近年では、電灯のLED化が進んでおり、このことは、可視光通信を実現する上での大きな前進ととらえることができます。LED化された電灯であれば、可視光通信を行うために、そのLEDの一部を一定の周期で点滅させることで、通信を行うことができるようになります。

情報を発信する側は、LEDの点滅を制御すればよく、受信側では、フォトダイオードと呼ばれる光を受光するデバイスを利用したり、通常のイメージセンサ(カメラ)を利用したりすることも可能です。どちらを利用するかによって、仕様が異なってきます。前者のフォトダイオードを利用するタイプでは、通信速度はMbpsオーダーまで対応可能で、高速な通信を行うことが可能です。ただし、屋外での利用は、太陽光などの他の光源に影響を受けやすいという問題点もあります。また、長距離の通信(おおよそ10m以上)には不向き、複数発信源からの同時受信はできないといったデメリットも存在します。一般的には、屋内で利用する技術と考えておいた方がよいでしょう。

一方、後者のイメージセンサを利用した場合は、周囲の光の影響を受けにくく、長距離の通信(数Km)も可能な反面、通信速度はKbpsオーダーで低速といった特徴があります。

この「可視光通信」には、どのような利用方法が考えられるでしょうか?

例えば、ショッピングモールなどの商業施設に導入した場合を考えてみましょう。

商業施設に入居する店舗ごとに、販売しているアイテムの情報やクーポンなどを非常に狭いエリアで発信することができます。顧客側では、スマートフォンなどを利用してこの情報を取得することにより、商業施設内のローカルナビゲーション(位置情報やビーコン)としての利用方法などが考えられます。

2010年2月に、NECでは、この可視光通信を利用して、大阪の地下街で実証実験を行いました。

光のマジカルクエストin阪急三番街北館というイベントで、照明から情報を発信させます。これを専用端末で受信することにより、宝探しを行うということを実施し、大きな成果がでています。

このような例以外でも次の表のような様々な利用方法が考えられます。

どちらかというと、双方向のデータ通信というよりは、ビーコンとしての一方向通信の利用が適しているのではないかと考えられます。電波の利用が制限されており、利用できない場所(病院内や原子力発電所、特定の工場内など)で、一方方向でのデータ通信用途に利用することもできるでしょう。

今後、可視光通信が発展すれば、様々な商業施設などで、特定情報を配信することができるようになり、これを利用した新たなサービスビジネスを展開することもできるようになるでしょう。


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