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林エバンジェリストが語る 最新技術動向

林エバンジェリストの顔写真

エバンジェリストの林です。

今回は、近年利用が進んでいる新しいシステム形態である「クラウド」を取り上げてみます。

NEC Cloud IaaSや、Amazon AWS、Microsoft Azureなどに代表される「クラウド」は、従来のようにシステム(サーバやストレージ、ネットワークなど)を所有するのではなく、クラウド事業者が提供するシステムを借用して利用するという新しいシステム形態です。システムを所有しないので、必要になった時点で、すぐにシステムの追加が可能で、逆に不要になれば、余剰システムを返却するといった実際の利用に合わせた適正なサイズのシステムを使うことが可能となります。既に、多くの企業では、クラウドをシステム形態の中心ととらえた移行が進んでいます。

今回は、この「クラウド」に焦点を当て、どこまで利用が進んでいるのか、利用する上でのポイントはどこか、さらには「クラウド」を構築するためのオープンソフトウエアであるOpenStack等の最新動向をご紹介します。

第26回 クラウド

「クラウド」は、従来のようにシステム(サーバやストレージ、ネットワークなど)を所有するのではなく、クラウド事業者が提供するシステムを借用して、ネットワークを通して利用するという新しいシステム形態です。システムを所有しないので、必要になった時点で、すぐにシステムの追加が可能で、逆に不要になれば、余剰システムを返却するというように、実際の利用に合わせた適正なサイズのシステムを使うことが可能となります。既に、多くの企業では、クラウドをシステム形態の中心ととらえた移行が進んでいます。

コンピュータが世の中に登場してからシステムの形態は、メインフレームを利用するメインフレーム時代、パソコンの登場によるクライアント・サーバ時代、さらにはインターネットの普及によるWebコンピューティング時代、そして「所有する」から「利用する」形への変化としてのクラウド時代へと変遷してきています。

現在、多くの企業がクラウドへの移行を進めています。ただし、いきなり自社所有のシステムを捨てて、クラウド事業者の提供するシステムへ移行するというわけにはいきません。まずは、社内システムの仮想化を進め、いわゆるプライベートクラウドという形態(システムを他社とは共有せず、自社所有のシステムで、クラウドと同じ形態でユーザにシステム提供をする方法)での利用が第一ステップです。

では、どのようなシステムがクラウドへの移行に向いているのでしょうか?人事給与、生産販売管理、会計といった従来のシステムをクラウド化するよりも、新事業や、新しい技術を取り入れたビジネスを展開する際に、クラウドを利用するのが最も効果的です。新規ビジネスの場合、うまくいくかどうかわからないので、本格的なシステムを所有した上でビジネスを始めるというよりは、クラウドで手早く始め、うまくいかないようであれば、すぐに撤退するという使い方がクラウド利用に適していると言えます。

システムのクラウド化を検討するにあたって、クラウド事業者の提供するサービスに不安を感じる人もいるでしょう。一般的なクラウドサービス利用での不安点は、以下のようになります。

これらの不安点は、裏を返せば、従来のオンプレミス(自社保有システム)のメリットと言えます。近年では、クラウドとオンプレミスシステムを組み合わせた、ハイブリッドクラウドという形態も出てきています。したがって、そのシステムの社内での重要度や、利用方針などを検討した上で、最適なシステム形態を選ぶことが重要です。

さて、実際にクラウド化を進めて利用する場合は、利用者にどのようなリスクがあるかを考えておく必要があります。

一般的には、上記の4つのリスクが存在すると言われています。いずれにせよ、システムの稼働率を上げる(止まらないシステムを構築する)には、システムの多重化が重要です。このことは、クラウド化したシステムでも同様です。

クラウドシステムを多重化する場合、同一のクラウド事業者の、同じデータセンタ内の同じ筐体上のクラウドシステムを利用するのでは、稼働率という観点から適切ではありません。少なくとも、別の筐体上のクラウド、できれば、他の地区のデータセンタに存在する筐体上のクラウドとで多重化させるのがシステムの稼働率を上げるという点では理想的です。

さらには、ストレージに関しては、海外のデータセンタを利用するより、国内のデータセンタを利用した方が安全です。万一、国同士の紛争が起きた場合、データ消失を防ぐことができるからです。

また、クラウド事業者とユーザの責任分界点を意識しておく必要があります。ゲストOSのバージョンアップやパッチは誰が適用するのか、その影響で不具合が発生した場合の責任は誰にあるのかなど、利用する前に確認しておく必要があります。

最後に、クラウド基盤を構築するオープンソースのソフトウェアであるOpenStack(オープンスタック)を紹介します。OpenStackは、KVMやXen、VMware ESXi、Hyper-Vといった仮想化ソフト(ハイパーバイザ)と組み合わせ、IaaS(Infrastructure as a Service)やストレージサービスを提供するための仮想マシンやストレージ、ネットワークの管理機能などを提供する、いわゆるクラウド基盤を作り上げるベースとなるシステムです。

OpenStackは、米航空宇宙局(NASA)とラックスペース社が中心になって開発したもので、2012年9月、開発やライセンスの管理はすべて、850社を超す企業や組織による非営利団体OpenStack Foundationに移管されました。OpenStackは、すべてを無料で利用することができるといった特徴があります。したがって、社内で、OpenStackを利用してプライベートクラウドシステムを実現するといったことも可能となります。また、一部のクラウド事業者は、NECも含めてOpenStack上でのクラウド提供を行っているので、運用管理面やAPI(Application Interface)などで共通化を図ることも可能になります。

将来、システムの大部分はクラウド化すると言われており、各企業では、クラウド前提でのシステム開発も始まっています。クラウドを、今後のシステムの大きな変化ととらえ、世の中の流れに乗り遅れないようにしましょう。


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