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林エバンジェリストが語る 最新技術動向

林エバンジェリストの顔写真

エバンジェリストの林です。

今回は、光学振動解析を取り上げてみます。

光学振動解析は、従来のコンクリートなどを利用した建造物の劣化診断をカメラで行うことができる技術です。通常のコンクリート劣化診断は、一般的には打診法と呼ばれる手法が利用されており、ハンマーで構造物表面をたたくことにより発生する音を聞き分けて劣化の診断を行っています。しかし、この方法では、手間と時間がかかりすぎるといった問題がありました。

今回ご紹介する「光学振動解析」技術を利用すれば、コンクリート表面をたたく必要がなくなり、高速で劣化診断することができるようになります。

将来は、リモートカメラでの遠隔診断といったことも可能となるでしょう。

第18回 光学振動解析

光学振動解析は、従来のコンクリートなどを利用した建造物の劣化診断をカメラで行うことができる技術です。

コンクリートで建造された建造物は、経年劣化が進むことにより、そのままにしておくといずれは崩壊してしまいます。そこで定期的な点検が義務付けられています。しかし、その点検作業には足場の設置や、点検中の交通の一次遮断といった大きな手間やコストがかかります。

この手間やコストを削減するために、センサを設置し、建造物の劣化を計測する「構造ヘルスモニタリング」の仕組みの導入が進んできていますが、まだ本格的に利用はされていないのが現状です。

そこで、もっと簡単に劣化診断ができないかという点に着目して、研究を進めているのが「光学振動解析」という技術です。

従来のコンクリート劣化診断では、目視による点検や打診法と呼ばれる手法が利用されています。目視でコンクリート表面のひび割れなどを点検したり、ハンマーで構造物表面をたたくことにより発生する音を聞き分けて劣化の診断を行っています。しかし、この方法では、事前の準備を含めて手間と時間がかかりすぎるといった問題がありました。

「光学振動解析」技術を利用すれば、コンクリート表面をたたくなどの必要がなくなるので、非接触での点検が可能となります。このことは、リモートカメラでの遠隔診断といったことも可能となることを意味しています。

光学振動解析の原理は単純で、カメラを利用して遠隔から建造物表面の動画を撮影します。この動画を画像処理して、同一点の変位(振動)を追跡します。この表面変位分布を解析することにより、劣化箇所の異常な振動状態を検出するというものです。

この技術を利用すれば、コンクリート建造物の劣化(ひび割れ、剥離、空洞)といったコンクリート内部の状態を点検することができます。

この際必要になるカメラも通常の解像度のカメラで十分であり、超高解像度のカメラは不要です。むしろ、振動をとらえるためには、フレームレートの高いカメラ(いわゆるハイスピードカメラ)が必要になります。もっとも、その建造物がどの程度の振動を受けているかにより、利用できるカメラも異なります。短周期の振動の度合いが高ければ高いほど、高フレームレートで撮影する必要があるということです。また、映像解析を行うためには、表面に模様や、凸凹といった変化がある方が解析しやすくなります。均質な白壁などでは、解析が難しくなります。

現状では、撮影するカメラを固定する必要がありますが、この技術の研究がさらに進めば、カメラ側の振動を考慮した解析もできるようになります。たとえばUAV(Unmanned Aerial Vehicle)=ドローンを利用して、建造物の壁面を空撮するだけで点検が終了するといったことが実現可能となるでしょう。

今後、益々増加する既存建造物の点検作業の効率化、コスト削減に向けて、新しい技術の適用が進んでいくことでしょう。


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