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林エバンジェリストが語る 最新技術動向

林エバンジェリストの顔写真

エバンジェリストの林です。

今回は、プリンテッドエレクトロニクスを取り上げてみます。

プリンテッドエレクトロニクスは、印刷技術を利用して電子回路、部品を作り出すという技術で、エレクトロニクス分野では、以前より研究開発に取り組んでいた技術です。手近にあるプリンタを利用して、その場で電子部品モジュールを作り上げることができるので、誰でも手軽に、しかも安価に使い捨てできるような電子モジュールを印刷することができるようになります。

この技術を応用すれば、たとえばポスターやPOPなどの一部表示エリアを電子モジュール化して、表示の変更をリアルタイムに行う(価格情報や、売切れ表示、完成までのカウントダウンなど)といった物が、現場で手軽に実現できるようになります。

科学技術の進化により、このようなことが可能になってきています。

第12回 プリンテッドエレクトロニクス

プリンテッドエレクトロニクスは、印刷技術を利用して電子回路、部品を作り出すという技術で、エレクトロニクス分野では、以前より研究開発に取り組んでいた技術です。従来のLSIなどを作る写真の技術を利用した手法と異なり、手近にあるプリンタを利用して、その場で電子部品モジュールを作り上げることができるので、誰でも手軽に、しかも安価に使い捨てできるような電子モジュールを印刷することができるようになります。近年では、この技術を利用して、フレキシブル型電子ペーパーディスプレイや、人体にフィットするセンサ、太陽電池などが作り出せるようになってきています。

このプリンテッドエレクトロニクスを実現するためには、特殊なインクが必要となります。カーボンナノチューブと呼ばれる新しい材料をインクに利用することで、すべての電子デバイスの基礎となるTFT(thin film transistor:薄膜トランジスタ)を作り出すことに成功しています。

この技術を応用すれば、たとえばポスターやPOP(「Point of purchase advertising」:主に店舗などに用いられる販売促進のための広告媒体)などの一部表示エリアを電子モジュール化して、表示の変更をリアルタイムに行う(価格情報や、売切れ表示、完成までのカウントダウンなど)といった物が、現場で手軽に作成できるようになります。従来は、静的で動きのなかった紙の上の情報に、動的な動きを表現することができるようになるのです。

このプリンテッドエレクトロニクスでは、NECの2つの技術が利用されています。

①フレキシブル表示技術

・独自開発技術を適用したフレキシブルパネルで情報表示の変更・保持が可能

・薄型(~300μm)、軽量(~500g/m2)

②高速印刷カーボンナノチューブ(CNT)トランジスタ

・CNT適用により、低消費電力で表示パネル駆動が可能

・NEC独自の高純度半導体CNT材料・インク

このプリンテッドエレクトロニクス技術を利用して、NECでは、新しい表示デバイスを開発しています。

ポスターの一部にプリンテッドエレクトロニクス表示デバイスを一緒に印刷することにより、価格の表示をリアルタイムに変更したり、売切れの情報を表示したりといった動きのあるポスターを、現場で簡単に印刷作成することができるようになります。

現在、NECも参加しているJAPERA(Japan Advanced Printed Electronics Technology Research Association:次世代プリンテッドエレクトロニクス技術研究組合)と呼ばれる団体が、「印刷デバイス製造技術」および「フレキシブルデバイス技術」の実用化加速のための基盤技術開発を行うことを目的として設立されています。

このJAPERA(プリンテッドエレクトロニクス技術関連27社+産業総合研究所)が国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)から「次世代プリンテッドエレクトロニクス材料・プロセス基盤技術開発(平成22年度~27年度、プロジェクトリーダー:東京大学大学院工学系研究科 染谷隆夫教授)」を受託して活動しています

開発拠点:産業総合研究所(中央5-1事業場)、NEC筑波研分室

今後、この技術と3Dプリンタの技術が融合すれば、電子モジュールを3Dプリンタで簡単に、その場で作り上げることが可能となります。たとえば従来、保守パーツとして準備しておかなければならなかった部品を、保守の現場で作り出すことができるようになります。このため、保守パーツの在庫が不要となり、物づくりの世界、特に「保守の現場」に革命がおこると思われます。今後の進歩に期待したい技術です。


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