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林エバンジェリストが語る 最新技術動向

林エバンジェリストの顔写真

エバンジェリストの林です。

生体認証は、バイオメトリクスとも呼ばれ、人間が持つ身体や行動の特徴を利用して個人を特定する技術です。

具体的には、指紋や、顔、光彩、静脈など様々なものが利用されています。

パスワードや鍵と異なり、忘れたり、何かを保有しておかなければならないといったこともなく、利用者にとっての利便性は非常に高いと言えます。

今後、益々利用範囲が広がる生体認証で安心・安全な社会づくりに貢献していきますので期待してください。

第10回 生体認証

生体認証は、バイオメトリクス認証(biometrics)とも呼ばれ、人間が持つ身体や行動の特徴を利用して個人を特定する技術です。具体的には、指紋や、顔、光彩、静脈などの体の特徴を利用したり、キーボードの打鍵、筆跡、歩き方など行動の特徴を利用したものなど、様々なものが存在します。本人の知識を利用する認証方法(ID、パスワードなど)や本人の持ち物を利用する認証方法(鍵や社員証などのカード、電子タグ:RFIDなど)と異なり、生体認証では、忘れたり、何かを常に保有しておかなければならないといったこともなく、利用者にとっての利便性は非常に高いと言えるでしょう。

生体認証では、個人の身体的特徴を利用する指紋、顔、掌紋、掌形、網膜、虹彩、耳朶、静脈など、様々なものの利用が研究されています。また、行動的特徴を利用するものでも、声紋、キーボード打鍵、筆跡、歩行などの利用も研究が進んでいます。

それぞれの生体認証技術により、そのセンサとして何を使うかが変わってきます。また、生体認証の場合は、個人を特定することが目的ですから、誤って他人を本人であると誤認識してしまったり(他人受入率FAR:False Acceptance Rate)、本人なのに、他人であると誤認識してしまう(本人拒否率FRR:False Rejection Rate)などで性能を評価したりすることがあります。最近では、上記のFARとFRR曲線が交わる点での同率エラー率、つまり等価エラー率(Equal Error Rate:EER)を基準とし、システムの認識精度の性能を評価するといった手法もあります。

これらの生体認証の中で、NECが力を入れているのは、指紋認証、静脈認証と顔認証です。

①指紋認証

指紋認証では、指紋の端点や分岐点に注目し、これらの特徴点の位置と方向で指紋を判定するマイニューシャ(特徴)方式と呼ばれる手法が一般的です。ただし、認証するには、事前に指紋データの採取が必要で、認証のたびに、センサに指先をかざすといった操作が必要となります。指先を怪我してしまうと、一時的に利用できなくなる(認証できない)ため、複数の指の指紋を登録しておく必要もあります。また最近では、特殊な物質で他人の指紋をコピーして、なりすましを行うなどのハッキング手法も出てきており、より安全を求めるなら、他の認証方式との組み合わせで利用する方法を適用します。NECでは、指紋と指静脈を組み合わせた指ハイブリッド型認証装置(世界初の複合型認証技術)も製品化しています。

②顔認証

顔認証は、センサとしてカメラを利用します。そのため、非接触型で認証でき、心理的抵抗が少なく、意識されずに認証が可能といった特徴を持っています。NECの顔認識エンジンでは、多重照合顔検出法と呼ばれる、目に似た領域の抽出と顔の判定を組み合わせた方式を採用しています。登録画像(1枚)から摂動空間法と呼ばれる手法で、予想される変動を登録画像に加えておき環境条件の変動へ対応したり、適応的領域混合マッチング法と呼ばれる、類似度の高い部分領域に着目して照合を行う方式を採用しています。顔の見えている部分に注目しているので顔の一部が隠れていても照合が可能といった特徴があります。

また、最大の特徴は、経年変化に強いという点です。さすがに、乳幼児のころの顔では無理ですが、ある程度「顔」の骨格が固まってくる年齢(15~16歳ごろ)以降であれば、10年前、20年前の写真でも照合可能です。東日本大震災の際に、アルバムを津波で流出された方が自分のアルバムを見つけるためにこの特徴を利用するといった活動も行なわれました。

このように生体認証は、ATMの本人確認や制限エリアへの入場といった様々な分野での利用が広まっており、近い将来、入国審査やスタジアムへの入場、警備等、様々な分野での利用が進むことでしょう。

今後、益々利用範囲が広がる生体認証で安心・安全な社会づくりに貢献していきますので期待してください。


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