ページの先頭です。
サイト内の現在位置を表示しています。
  1. ホーム
  2. O-N通信
  3. コラム
  4. 第8回
ここから本文です。

林エバンジェリストが語る 最新技術動向

林エバンジェリストの顔写真

エバンジェリストの林です。

O2O(オンラインtoオフライン:インターネットで商品情報を提供し、実店舗へ誘導し販売する仕組み)などで注目が集まる位置情報。この位置情報を取得する技術は、その場所が屋外か屋内(地下街などを含む)かで大きく分けることができるのですが、屋外の位置測位技術はGPSを利用したカーナビ等で広く普及している反面、屋内の位置測位技術は標準的な方式が無く、電波や光、超音波など様々な方式でサービスが提供されています。

今回は、この位置を測位する技術を中心に、位置情報サービスをご紹介いたします。

第8回 位置情報

モノや人の位置(場所)を測位することにより、様々なサービスを提供する仕組みが広く普及し始めています。たとえば、GPS(Global Positioning System)衛星を利用した位置測位技術は、カーナビゲーションシステムとして既に多くの車両に搭載され、目的地までの経路案内に利用されています。このようなGPS端末や携帯電話、無線機器等のモバイル機器の現在位置を把握し、それに基づいて行う情報提供、車輌運行管理、ナビゲーション等のサービスを位置情報サービスと呼んでいます。

従来はナビゲーション等のサービスが中心でしたが、最近では、子どもにGPS端末を持たせることにより、その居場所をリアルタイムで把握するセキュリティ用途のサービスや、広告やポスターに記載されているバーコードを位置情報と共に送ると、その商品を提供する店舗情報が地図付きで返信されるサービス、また、近くにいる友人を探すSNS 向けのサービスなど、様々なサービスに利用されるようになってきています。

位置測位技術

屋外で位置を測位する代表的な技術は、GPSです。GPSは、米国が軍事目的で作り上げた衛星を利用する仕組みですが、現在は民間にも開放されており、世界中の誰もが無料で使えることから、広く普及しています。

GPSの仕組みを簡単に紹介すると、衛星から正確な時刻情報が入った電波が発信されており、この電波を受信することにより、衛星までの距離を計算します。3機以上の衛星の電波が受信できれば世界中どこにいても正確な位置が測位できるという仕組みになっています。ただし、計算がかなり複雑であるため、様々な計算方式やアルゴリズムが開発されており、精度とリアルタイム性をいかに保つかが重要になっています。

また、各国でGPSに代わる衛星測位システムの開発も行われており、日本では、準天頂衛星システムと呼ばれる仕組みが構築されています。準天頂衛星の場合は、日本とオーストラリアの一部での利用が可能と利用範囲が限定されますが、衛星の軌道の関係で仰角60°で空を見ることができれば電波が受信可能となります。(GPSの場合は48°)そのため、測位精度を高めることが可能となります。さらに、準天頂衛星システムサービス株式会社(代表会社:日本電気株式会社)も設立され、耕運機など農業機械の自動運転や、2020年の東京オリンピックに向けた観光案内など、その利活用が研究されています。

一方、屋内や地下街などでは、GPS衛星からの電波を利用することができないので、これに代わる位置測位システムが必要になります。現在では、電波や光、超音波などを利用する方式が実現されています。

この中で、NECが力を入れているのは、「ドラゴン」と呼ばれている超音波方式の測位技術です。タグから発信されている40KHzの超音波信号を天井や壁などに設置されたマイクで受信することにより、三点測量方式で位置を求めるという仕組みです。数cm単位の誤差で、高さ方向も含めて測位できるのが特長で、設置や較正 に手間をかける必要もありません。

また、O2Oで利用できるシステムとして、顧客の来店を確認できる「スマホセンサー」と呼ばれる測位システムも開発しています。これは無線LANの電波を利用したシステムで、端末側のスマートフォンの無線LANが利用可能になっていれば使えるので、利用のたびにユーザが操作するといった手間も必要ありません。

ナビゲーションシステムに関しては、位置測位技術だけでなく、地図に関連する技術も必要となります。現在の仕組みでは、現在地から目的地までのルートを調べるのに、まず通常の地図から最寄駅を探し、そこから乗換案内のようなシステムで電車による乗継ルートを調べます。次に目的駅から再度通常の地図で目的の建物までのルートを調べます。また、建物に入ったら、建物内の地図を調べ、目的の場所に到達するといった、いくつもの縮尺の全く異なる地図を組み合わせて利用する必要がありました。そこで、NECは「ルートビルダー」と呼ばれる仕組みを開発しました。この仕組みを利用すれば、それぞれの場所で、自動的に地図の連携を行うことができるので、利用者は地図の違いを意識する必要がなくなります。

現在では、ほとんどすべての端末にGPSを中心としたなんらかの位置測位システムが搭載されるようになってきています。これからは、この位置測位を利用した、様々なサービスの検討が進むことでしょう。


Top of this page