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林エバンジェリストが語る 最新技術動向

林エバンジェリストの顔写真

エバンジェリストの林です。

今回は、カメラをセンサとして利用し、映っている画像を認識する“被写体識別技術”に焦点を当ててみたいと思います。スマートフォンやタブレットにカメラが標準搭載されるようになり、いつでも・どこでもカメラを利用することが可能になってきました。これに伴い、カメラに写っている対象物が何かを識別したいという要望が増えています。従来は、バーコードやOCR(活字認識)で実現していましたが、最近は、物体そのものをバーコード代わりに利用することができるようになってきています。

今回は、この技術進化が著しい、被写体識別技術をご紹介いたします。

第7回 被写体識別

スマートフォンやタブレットといったモバイル機器にカメラが標準搭載されるようになり、身の回りでカメラを利用するケースが増えています。通常は何かを撮影して、そのデータを残すというのがカメラの機能でしたが、最近は、データを残す目的ではなく、このカメラをセンサとして利用し、写っている対象物が何かを検知する仕組みが実現できています。この技術を総称して、被写体識別と呼んでいます。

実は、この技術は、身の回りで当たり前のように利用されています。おなじみのバーコードやOCR(文字認識)といった技術は、これを具現化したものです。近年では、このバーコードや文字の代わりに、物体そのものを利用しようとする動きが出ており、今回は、この技術を紹介します。

どのように認識しているかというと、カメラで撮影された映像から、たとえば、物体のエッジの部分であったり、色が変わる部分であったりといったその物体固有の特徴点と呼ばれるポイントを抽出し、データ化します。これを、その物体の名称とともにデータベースに登録しておきます。認識したい対象物をカメラで撮影し、同様のプロセスで特徴点を抽出し、データベースを照合することにより、同一のものであると判断するといった仕組みになります。

この技術は、もともと指紋認証や、顔認証に使われていた技術を一般の対象物に広げたものとなります。NECでは、すでにGAZIRUという名称で、被写体識別サービスを提供しています。

【参考】

同様の対象物を識別する機能は、バーコードや文字認識でも可能なのですが、対象物が小さすぎて、バーコードを張り付けるスペースがない、単価が安すぎてバーコードを張り付けるコストがかかりすぎる、デザイン性を損なうバーコードを張り付けたくない、そもそもバーコードを張り付けられないなどの課題もあり、今回の被写体識別技術となっています。

この技術を利用すれば、たとえば、スーパーやコンビニエンスストアで商品を購入する前に、自分のスマートフォン搭載のカメラで商品を撮影、識別することで、原産地や成分を確認できるようになり、非常に安価なトレーサビリティとして、食の安全を支えることになります。また、2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けて、海外から来られるお客様向けに、自分の母国語で情報を提供する買い物支援システムとして利用することも可能でしょう。

この技術を顔に特化させれば、顔認識システムになります。(実は、指紋や顔の認識エンジンが最初にでき、その後、被写体識別に発展しています。)

大阪のユニバーサルスタジオジャパンの年間パスポートとしての顔パス入場システムや、イベント・コンサート来場者の本人確認等に、この技術が利用されています。

【参考】

また、この技術を農産物に適用すれば、アグリバイオメトリクスになります。NECでは、メロンを対象に実験を行い、100万個に1個間違うか間違わないかといった精度が実現できています。

【参考】

また、工業製品に利用すれば、物体指紋システムになります。工業製品で、金型で打ち抜いたような製品は、たとえ同じ金型で打ち抜いても、ミクロレベルでみれば個体差があり、これを用いて個体識別することが可能になります。NECでは、これを物体指紋と呼んでおり、これを実現するシステムが完成しています。

この物体指紋システムを利用すれば、従来管理できなかった鉄骨をくみ上げる際のボルトやナットといった細かい部品までの管理が可能となります。

【参考】

今後、この被写体識別技術がさらに進化することにより、身の回りのあらゆるものが個体識別可能になるでしょう。今後の技術進化にご期待ください。


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