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林エバンジェリストが語る 最新技術動向

林エバンジェリストの顔写真

エバンジェリストの林です。

今回は、電子ペーパーに焦点を当ててみたいと思います。ディスプレイの技術は、CRTから始まり、液晶技術へと進化してきました。このディスプレイの技術進化においても近年、さらに進化した様々な技術が普及し始めています。薄型、軽量で、消費電力の小さい電子ペーパーに関しては、紙の代わりに気軽に使える、そのようなディスプレイを目指しています。この技術を端末に応用したり、デジタルサイネージに応用したりといった動きも出始めています。

第2回 電子ペーパー

電子ペーパーの原理

ディスプレイ技術の進化が始まっています。一昔前のディスプレイは、CRTタイプが中心でした。その後、液晶タイプが普及し、テレビを含んだディスプレイの液晶化が当たり前になりました。今般、液晶タイプと共存する形で、プロジェクタタイプや電子ペーパー、有機ELといった様々なタイプのディスプレイの研究が進んでいます。

電子ペーパーの歴史は古く、1970年代にゼロックスのパロアルト研究所で考え出された「Gricon」と呼ばれるものが最初といわれています。現在は、米国のベンチャーであるE ink社(その後、台湾のメーカPVIに買収され、社名をE Ink Holdingsに変更)の作り出した「マイクロカプセル型電気泳動」技術が世界市場の70-80%を占めています。

基本的な原理は、トナーの入った小さなカプセルが平面上に並んでおり、電気をかけることにより、このトナーを制御して色の濃淡を出すという仕組みです。また、書き換えの際にしか電力を消費せず、書き換えた後は、その状態を保持し続けるという特徴があります。このため、システムのバッテリー寿命を大幅に伸ばすことが可能となります。この特徴以外にも、消費電力削減という意味では、反射型であり、バックライト不要といった点も貢献しています。

電子書籍

この電子ペーパーの利用シーンの代表となるものが電子書籍端末です。すでにAmazonのKindleや、楽天のKobo Touchと呼ばれる電子書籍端末が販売されています。コンテンツも豊富にそろっており、気軽に何冊もの本を持ち歩けるという点に人気が集まっています。最近では、この端末を業務端末にしようという動きも出始めています。その理由は、端末の価格が安価であること(一般的な電子書籍端末は、7000-8000円前後)、電子ペーパー技術の採用により、バッテリー寿命が長いこと(平均1か月前後)、標準データフォーマットの策定(EPUB3.0)などとなっています。

フレキシブル電子ペーパー端末

電子ペーパーの技術を応用すれば、曲げられるディスプレイというものが実現可能になります。現在、NECでは、フレキシブル電子ペーパー端末と呼ばれる下敷きの様な曲げられる端末の研究を進めています。

重さ100g代、厚さ3mm程度の中に、フレキシブル電子ペーパーディスプレイ、タッチパネルセンサ、曲げられるバッテリー、無線通信機能などを内蔵した端末です。

このような曲げられる端末が普及すれば、どのような利用シーンが考えられるでしょうか?たとえば、建設図面を電子ペーパー端末で見るといった場合、大きな端末を作れば紙と同じように現場で参照することが可能です。紙と同じように、しまうときは丸めてカバンに入れて持ち運ぶといったことも将来可能になるでしょう。重く、かさばる大量の図面も1台の電子ペーパーで代替えできる可能性があります。また、デジタルサイネージとして利用すれば、液晶タイプのディスプレイに比べて軽量ですから、設置壁面の強度を高める必要もありません。まさにポスターを張る感覚でデジタルサイネージが実現できます。A4サイズのものを利用すれば、会議の際のペーパーレス化や、レストランのメニューや通販のカタログといったリアルタイムになかの情報を更新するといった使い方も可能になります。

今後、電子ペーパーが利用される範囲は、どんどん広がってくることが予想できます。あらたな可能性を秘めた電子ペーパー技術に注目です。


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