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NECものづくりコラム 匠の系譜 <第9回>

NECものづくりコラム 匠の系譜 <第9回>

物流の改革をビジネスプロセスの強みに変える

「匠の系譜」第9回は、NECグループの生産革新活動を物流から支えてきた日通NECロジスティクスです。「生産革新とは物の流れを変革すること」と考える取締役執行役員常務の鳥井 恭に話を聞きました。

NECの生産革新の本質は、物流改革

「NECの生産革新活動とは、ミクロ・マクロを含めた物流改革そのものであるともいえます」と、NECの生産革新活動を推進してきた鳥井は話す。

「生産革新というと、工場内の効率化や改善活動を連想しますが、それは一部に過ぎません。原材料や部品を調達・加工してお客様のもとへ届けるまでがサプライチェーンであり、工場はそこに組み込まれたノードの一つです。たとえば、工場内で改善活動を行ってリードタイムを短縮しコストを減らしても、製品を倉庫に一ヶ月も寝かせたり、どこかのプロセスで品質を劣化させてしまったら、元も子もありません。
つまり『いかにして物の流れを最適化するか』、そこが生産革新の肝です。飛行機・船・トラックを使った輸送、あるいは保管、梱包というマクロな物流だけではなく、組立作業者が棚に保管した部品を取る行為というミクロな物の動きまですべて含めて物流といえます。このミクロからマクロまで、すべての物流を最適化し、無駄をなくし、コストを抑え、生産性を上げること、それが生産革新の本質です」。

表面上の物流効率化を考える前に、本質を見極めなくてはならない

NECグループにおける物流は、生産革新に取り組む前は、作ったものを保管し運ぶことだと考えられていた。それゆえ、拠点ごとに個別手配で、基本ダイヤもなく、積載率が上がらずに、低品質・高コスト体質に陥っていた。しかし、1993年にNECがグループ全体でトヨタ生産方式を学び、生産革新を推進すると決めたことをきっかけに、物流に対する考え方が一新される。

「最大の転機は2000年ですね。米国でデルがパソコンのBTO販売をはじめたのを受けて、NECも販売・調達・生産と物流を一体化したSCM改革に取り組まなければならないという機運が高まりました」と鳥井は振り返る。

「一般に物流改革というと、トラックの台数減、倉庫の集約、配車計画の最適化、保管効率の向上といったキーワードを思い浮かべますが、これらの取り組みは重要な要素ではありますが、表面的な取り組みに過ぎません。本来の物流改革は、その表面的な効率化の先にあります」と鳥井は言う。

「サプライチェーンを見渡してみると、実は運ばなくていいものを運んでいたり、在庫にしなくてもいいものを保管していることが少なくありません。物を動かす前にまずそこから考えなくては、本当の物流改革はできません。また、それを実現するには荷主側の調達・生産・販売といったプロセスまで踏み込んで一体的な改革を行う必要があります。もし、そこまで踏み込めれば、物流プロセスそのものをビジネスの強みに変えられる、私はそう考えています」。

図:物流改革の必要性、ものづくりのQCDはサプライヤ〜工場〜お客様までの全体の流れで決まる。これを繋ぐのが物流。便構築の狙い 1.物流便がNEC全体の調達・生産・販売を同期させる役割 2.工場と売れのタクトを決める基本ダイヤを作る(運ぶタイミングに合わせて造る) 3.多回便化でフレ幅が小さくなり管理レベルが上がる

NECグループの物流改革の取り組み

改革を阻む壁を乗り越えて

物流業界の競争力は、実にわかりやすい。荷物をいかに早く安く運べるか、それに尽きる。しかし、それは物流を「単に物を移動させる仕事」と捉えた場合の話だ。この消耗戦を抜け出して一歩先へ行くには、物流改革を通じた顧客のビジネスプロセス強化という付加価値の提供が必須となる。しかし、その実現は容易ではない。

「企業のコアプロセスである調達・生産・販売と物流との一体改革に臨む、と言葉で言うのは簡単ですが、現実は甘くありません。基本的に企業組織は、調達・生産・販売などすべて主管が異なるため、そこを一体化して物を流すこと自体、至難の業です。この難題は、部門担当者といくら議論しても解決しません。経営全体あるいはビジネスプロセスを考えられる人が生産革新のメリットを理解し、大きな視点で組織をまとめることが重要です。
NECグループも、トップまで一丸となって生産革新に挑むという方針を掲げたからこそ、その壁を越えられたのです」と鳥井は、一体改革の難しさを話す。

改革を阻む壁は社内だけではない。全国をカバーする物流網の整備には、各地域の物流会社とのパートナーシップが必須であり、そこにも壁がある。

「業界では、誤配送などの物流事故を、PPM(Parts Per Million:100万件に何件不具合が発生したかを示すレベル)で表しますが、我々はパートナー企業に1桁のPPMの品質を求めました。一般の物流業者は、3桁が当たり前ですから、我々の要求は『常識とかけ離れている』といわれ、当初は難色を示されました。しかし、何事もやればできるものです。
実際、我々の考え方に理解を示したパートナー企業の中には、苦労しながらもどんどん実力を伸ばし、今では価格競争という泥沼から抜け出し、付加価値の高い仕事を獲得している物流企業も少なくありません」。

図:従来は都度手配のタクシー型、現在は「売れ」に同期して全体が自律的に流れるPULL型のしくみ→これを支える物流インフラの構築。最適化された運行ダイヤによる全国物流網

NECグループの物流ネットワーク

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