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  6. 第8回 携帯電話の開発競争により、磨かれた革新を生む“ものづくり力”
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NECものづくりコラム 匠の系譜 <第8回>

NECものづくりコラム 匠の系譜 <第8回>

生産開発工程から品質をつくりこむ

NEC埼玉の“ものづくり”は、品質面でも特筆すべき特徴がある。今でこそ品質マネジメントシステムの「ISO9001」認証取得は当たり前だが、NEC埼玉が取得した1991年当時、その重要性を認識している企業は少なかった。「ISO9001」の前身である「ISO9002」認証を取得したときのNEC埼玉の認証番号が「JMI0009」だったことが、それを証明している。

この番号は、日本で9番目に認証を取得した企業であることを示している。なお、JQA(一般財団法人日本品質保証機構)によれば、「ISO9001」を22年以上継続しているのは日本で5社しかなく、電機業界ではNEC埼玉ともう1社だけだという。このことが評価され、NEC埼玉は2014年6月にJQA及びIQnetから永年登録企業として表彰を受けた。(※)

※NEC埼玉「JQA(一般財団法人 日本品質保証機構)様、IQNet(世界最大の認証機関ネットワーク)様より永年登録感謝状」
http://www.nec-saitama.co.jp/topics/topics1/index.html

「携帯電話は、携帯電話事業者様が定めたスペックで製造するのが基本ですが、当社では、市場のニーズを踏まえて、さらに高い品質を満たす取り組みを行っています。これは、社内で保守サービスを行っているからこそできる取り組みです。保守サービスを行っていると、不具合の起きた商品を分析する機会があるので、何が原因なのか、どのような使われ方をしたのかといった情報が蓄積できるのです。
その情報をフィードバックし、より高い品質を実現するよう、さまざまな検査や改善を行っています。たとえば、要求仕様で100回の落下試験と規定されていたとしても、市場でより高い品質が求められているならば、自主的に1000回の落下試験を行い、その評価をフィードバックするなど、先回りして品質向上に取り組んでいます」と栗原は説明する。

劇的な進化は、大きな課題に直面したとき生まれる

NEC埼玉では、製品設計、ライン設計、治具開発、検査手法、品質管理など、さまざまな面で数え切れないほどのブレークスルーを成し遂げ、多くの革新をもたらしてきた。革新を生む原動力について水崎は「劇的な進化は、大きな課題に直面したとき生まれる」と話し、その一例として1993年から取り組んでいる生産革新活動のエピソードをあげた。

「当社では以前、FAによる全自動のロボットラインを目指していました。ところが、ある時、NECグループ全体でトヨタ生産方式を取り入れた生産革新に取り組むことになり、方針が180度転換してしまったのです。ある日、コンサルタントがやって来て『今のラインを1日で取り払え、全廃しろ』『ラインを10分の1に短縮しろ』などと厳しい要求を突き付けてきました。
当然のごとく現場からは反発の声があがりました。しかし、言われた通りにラインを取り払い、ラインを短くすると確かに結果が出ました。リードタイムが短くなり、コストも下がる。おもしろいもので、人間って結果が出ると変わるんですよね。陸上競技の選手が、コンマ何秒タイムが縮まると練習に熱が入るのと同じようなもので、現場のモチベーションがどんどん上がっていくのがわかりました」と水崎は当時を振り返る。

「そうはいっても最初の10年は、その成功体験を現場の作業者レベルまでどうやって伝えるかが悩みの種でした。『生産革新かるた』と名付けた自作のかるたを全員に配布し、朝礼で読ませたり、いろいろな手を尽くしました。その中で、一番効果があったのは評価・表彰制度の充実です。20年間続く週一回の現場改善会、経営層によるTOP診断、半期毎の改善活動報告会と表彰/インセンティブ制度を組み合わせ、結果を出せば、やりがいが生まれ、その上インセンティブまでもらえる仕組みにしたことにより、隣のグループが結果を出すと別のグループの意欲も高まり、効果が倍増する。このサイクルがまわりだしてから社内が変わりました」と栗原は話す。

生産革新活動の歩みの図:以前:FA生産システム(少品種多量生産)、1993年〜:SIP活動開始、生産革新との出会い、生産革新活動リーン生産システム、2002年〜:SCM改革開始、調達改革、物流改革、PJ発足、2007年〜現在に至る:NECグループ現地検討会開始。こらは全体を繋ぐ大きな流れ、次に後行程引き一個流しの強い流れ、次に標準作業・平準化の正確な流れ、そして予防管理:管理された流れと続いてきている

NEC埼玉の生産革新活動 20年の歩み

断トツの“ものづくり力”でグローバル市場に挑む

NEC埼玉は、携帯電話端末・基地局の生産開発で培った“ものづくり力”をさらに進化させ、世界一の生産開発会社になることを目指している。

「これからの時代、生き残る製造業は、断トツの力と技が必要です。今、我々が保有しているオールSMT化による『小型軽量・ローコスト・高品質』という価値に磨きをかけ、NECグループ全体に広げ、断トツの力と技にしなければならないと思っています。この価値を他の商品や業態にまで広げられれば、1年後や2年後にはきっと大きな成果がでると信じています。さらに、この強みを『ものづくり共創プログラム』を通じて、グループ外の企業とも共有し、日本の“ものづくり力”の向上に貢献したいと思っています」と水崎は今後の展望を話す。

昨今、ウェアラブルコンピュータやロボティクスなどの新たな市場が急速に立ち上がりつつある。これらの領域に限らず、高密度実装やフレキシブル基板などの技術は、成長市場に欠かせない要素になると予想されている。NEC埼玉は、これまで培ってきた断トツの“ものづくり力”に磨きをかけ、新たな市場にイノベーションを起こすことを目指している。

(2014年6月掲載)

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